2011年12月31日


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はじめまして。

このブログでは、クラシック音楽の真髄にどんどん斬り込んでいきます。

「ぶった斬り」というタイトルにしては、内容は名前負けしている感はありますが、自分が悪いと思うものを人には薦められないし、書きたいことを楽しく書く、ということをモットーにしています。

どちらかというと、クラシック音楽を聴き込んだ人向けの内容ですが、これからクラシック音楽を聴いてみようかな、と思っている方にも親しんで頂けるように考えながら書いています。

クラシック音楽に欠かせないのが、演奏家です。演奏家の優劣によって作品の価値が決まるといっても過言ではありません。

私はそこに焦点をおいています。

そして作曲家のことや曲の内容説明はそれぞれのディスクの解説にあるので、私は演奏の批評をこのブログで書くことに重きをおいています。

掲示板も設置しましたので、お気軽に投稿下さい。クラシック音楽に関するご質問もわかりうる範囲でお答えします。

どうぞ、よろしくお願いします。

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2009年11月21日


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ドイツ・レコード賞、国際レコード批評家賞などを受けた名盤である。

作曲者の死後約半世紀にして、20世紀最大のオペラ作家の一人と見なされるようになったヤナーチェクの9つ残されたオペラの最終作。

このオペラの慣用版は、作曲者が追認した《イェヌーファ》のコヴァジョヴィツ版などとは異なり、作曲者がもし生きていたら許すはずがない改悪も含んでいた。
 
そこで、マッケラスと音楽学者のジョン・ティッレルは、自筆譜以外の資料も駆使して、作曲者本来の意図になるべく近づけるのを原則としている。

演奏はマッケラスの持ち味が完璧に示された名演で、音楽の細部を丁寧におさえてゆく彼の職人的技の確かさが最大限に生かされている。

微妙な音の動きやリズム、あるいはヤナーチェク独自のオーケストラの響きの滲みを、マッケラスは申し分なく生かしている。

歌手陣をチェコの歌い手でまとめたのも成功しており、ウィーン・フィルの細やかで美しい響きと実に溶け合っている。

男声の囚人たちに交じってズボン役で少年囚を演じるソプラノの役柄のつかみ方など今一歩だが、最後まで一気に聴かせてしまう名演である。

「どのような人間にも神聖なひらめきというのはあるものだ」と楽譜の扉に書いた作曲者のヒューマニズムが聴いた後に胸に焼きついて残る。

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2009年11月20日


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国際レコード批評家賞受賞盤。

ヤナーチェクの9つのオペラのなかでも、オペラの通、あるいは好き者的なプロの間で最も評価が高いのがこの第8作。

その音楽は、彼のオペラのなかでも最も伝統的なオペラの在り方に背を向けたもので、ヤナーチェクとしては珍しく表現主義の音楽への歩み寄りも見られる。

ここでもマッケラスが、ウィーン・フィルの表情豊かな演奏と配役の充実に助けられて、他の全曲盤を寄せつけない。

ウィーン・フィルの最美の音質と、最高の音楽的ニュアンス、そしてマッケラスの作品の持つ独特の世界を美しく幻想的に描き出してくれる指揮が素晴らしい。

歌手陣ではゼーダーシュトレームの入魂の歌唱が、マッケラスの路線と完全な一致を示した名唱である。

ゼーダーシュトレームのヒロインは、すでにこの不老不死の霊薬の実験台にされて、300年以上生き続けることになったオペラ界の花形という特異な役を舞台で何ヶ国語で歌った末に原語挑戦した曲。

その役づくりは規範とすべきものであろう。

ドヴォルスキーの情熱的な歌唱も聴きものだし、チェコのヴェテラン、ジーテクもそのキャリアの重みを感じさせる味わいを醸し出している。

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2009年11月19日


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グラモフォン・レコード賞受賞盤。

ヤナーチェクの7番目のオペラ《利口な牝狐の物語》は、彼が自分を取り巻く森羅万象のすべてに創造の霊感の源を求め続けたことを物語る傑作。

ひとつとして同じ内容のものがないヤナーチェクのオペラの中でも、この「牝狐」はとびきりの傑作だ。

まずウィーン・フィルが断然素晴らしく、流麗でまろやかな夢に膨らむウィーン・フィルの好演と、しかもあくまでもヤナーチェクの音楽の素朴な本質を見失わないマッケラスの指揮も見事。

マッケラスの踏み込みの深い指揮は彼のヤナーチェクのなかでも最高の部類で、その個性的な手法をよく活かしながら、作品の本質に迫る。

歌手の充実ぶりでもこのCDは既存のすべての録音を上回る。

特にポップとランドヴァーがよく、2人による第2場「愛の場面」は傑出している。

牝狐ビストロウシカの性(さが)と宿命を聴き手に鮮明に印象づけたポップの名唱は忘れ難い。

人間の世界と動物の世界との接点に立って狂言回しをやりながら、波乱の人生を体験した末に、晩年の悟りの境地に到達した作曲者の心境を代弁する猟場番役のイェドリチカ以下、チェコから応援のあとの主役・脇役も好演。

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2009年11月18日


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ACCディスク大賞、モントルー国際レコード大賞などを受賞した名盤。

この作品はロシアの作家オストロフスキーの戯曲『嵐』に基づいて、1919年から21年にかけて作曲されたものである。

ヴォルガ河上流の小さな町を舞台に、封建的な家庭に嫁いだカーチャが、抑圧された生活の中で引き起こす、不義と悲惨な死がリアルなタッチで描かれている。

指揮者マッケラスはヤナーチェクの権威者だけに、確信をもってこの作品のもつ独自の美しさと真実味をよく描き出しているし、歌手たちも充実している。

演奏はじかにその核心に迫ろうとする情熱と気迫を感じさせ、ウィーン・フィルもすこぶるこまやかな情感とムードに満ちあふれている。

聴き手はヤナーチェクのオペラのユニークな特質と生命に完全に魅了されつくしてしまう。

特に歌手ではゼーダーシュトレーム(カーチャ)が好演。

ゼーダーシュトレーム以外はチェコの歌手だが、みな大変見事な歌唱で絶賛を捧げたい。

ウィーン・フィルの起用も成功で、ヤナーチェク・オペラのオーケストラの豊かな表現力を存分に生かしている。

なおこのCDではマッケラスがブルノで発見したという2つの間奏曲が加えられていて効果をあげている。

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2009年11月17日


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マッケラスは人も知るとおり、ヤナーチェクの権威で、このウィーン・フィルを振った演奏は既に定評のあるところ。

マッケラスは、ヤナーチェクを最も得意としている指揮者だけに、熱い生命のほとばしりがある。

マッケラス盤は1980年になってデジタル録音された。

スケールの大きさのなかに、熱っぽい語り口に満ちた演奏内容である。

聴き手をいやがうえにも興奮させる演奏だ。

決して華やかすぎず、かといって朴訥一方の演奏でもなく、ウィーン・フィルの美質を生かした洗練味、彼の大きなセールス・ポイントであろう。

中庸の表現で人を説得するというのは、実に凡手ではないことの証明であろう。

ヤナーチェクの音楽に深く傾倒していたマッケラスならではの、作品への強い共感に支えられたような演奏といえよう。

ウィーン・フィルの好演も特筆され、その底力のある表現力が過不足なく生かされている。

特に金管と弦のメロウなブレンディングはウィーン・フィルならではの美しさである。

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2009年11月16日


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ワルターは周知のようにマーラーの愛弟子にして友人で、《大地の歌》と交響曲第9番はマーラーの死後ワルターの手によって初演された。

その2曲をワルターはすでに第2次世界大戦前に、まだマーラー時代の面影が残しているウィーン・フィルと録音している。

2曲とも、まだ壮年期の活力を残していた激しい表情や動態脈が晩年の演奏のとは一線を画する。

《大地の歌》も、音質の点では戦後のウィーン・フィルとのモノラルやニューヨーク・フィルとのステレオ録音が遥かに優れているが、演奏がはらむどこか切羽詰まった情動や、刹那にかけるかのような耽美的な表情はこの演奏ならではだ。

旧盤はSP盤の復刻だが、ウィーン・フィルの退廃的な美が最大の魅力だ。

戦後のウィーン・フィルが別の団体と思えるほどである。

第1楽章の今にも崩れそうなヴァイオリン・ソロがすべてを語っている。

トルボルクは、マーラーを得意としており、シューリヒトのコンセルトヘボウ管とのライヴでも名唱を聴かせてくれている。

ひとつの時代のマーラー演奏の貴重な記録。

暗黒時代はそこまで迫っていた。

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