2019年12月31日


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はじめまして。

このブログでは、クラシック音楽の真髄にどんどん斬り込んでいきます。

「ぶった斬り」というタイトルにしては、内容は名前負けしている感はありますが、自分が悪いと思うものを人には薦められないし、書きたいことを楽しく書く、ということをモットーにしています。

どちらかというと、クラシック音楽を聴き込んだ人向けの内容ですが、これからクラシック音楽を聴いてみようかな、と思っている方にも親しんで頂けるように考えながら書いています。

クラシック音楽に欠かせないのが、演奏家です。演奏家の優劣によって作品の価値が決まるといっても過言ではありません。

私はそこに焦点をおいています。

そして作曲家のことや曲の内容説明はそれぞれのディスクの解説にあるので、私は演奏の批評をこのブログで書くことに重きをおいています。

どうぞ、よろしくお願いします。

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classicalmusic at 23:59コメント(130) 

2018年12月18日


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2012年2月に鬼籍に入ったモーリス・アンドレのEMIへのセッションをまとめた13枚組のボックス・セット。

彼の没後ユニヴァーサルからも6枚組の追悼盤が逸早くリリースされたが、そちらのほうは曲目の殆んどがバロック音楽に絞られている。

それに対してこのEMI盤の中心となるのはテレマン、タルティーニ、ハイドン、フンメルに代表されるバロックから古典派にかけての42曲の協奏曲(協演者の異なる同一曲や編曲物を含む)が収録されている。

CD1はカラヤン、ベルリン・フィル、CD3はへスス・ロペス=コボス、ロンドン・フィル、CD4はネヴィル・マリナ−、アカデミー室内、そしてCD5はムーティ、フィルハーモニアと錚錚たる協演者が揃っている。

その他にビーバーのソナタからオペラ・アリアの編曲物、映画音楽からポピュラー・ナンバー、ジャズからムード・ミュージックまでおよそありとあらゆる小品を吹きまくった、気さくで最も彼らしいアルバムになっているのが特徴だ。

勿論彼の膨大なレパートリーを一通りカバーするセット物が欲しい方はエラートから刊行された全4巻計24枚の全集も選択肢のひとつだが、コスト・パフォーマンスとバラエティーに富んだ選曲の面白さから考えると、このセットが理想的で入門者にもお勧めできる。

彼は筆者の少年時代から既にトランペット界のスターだったし、持っていた音楽性の違いを別にすればホルンのデニス・ブレインのような絶対的な存在だった。

ブレインの生演奏に接することは全く不可能だったが、モーリス・アンドレは幸いコンサートを聴くことができた演奏家の一人で、初めて聴いた演奏会ではその名人芸と聴衆の熱狂に圧倒されたものだ。

彼のトランペットについてはもはや多くの言葉を必要としないと思う。

柔らかく、しかも明るく輝かしい音色とどこまでも軽快で天衣無縫な幅広い表現力、そして目の醒めるような超絶技巧であらゆるジャンルの音楽をオールマイティーにこなした天才というイメージが、彼の体格の良さと人懐っこい顔立ちと共に強く印象に残っている。

アマゾンのページの写真ではボックスが正立方体のように見えるが、実際には13X13X厚み5,5cmの大きさで、先にリリースされたデュ・プレの全集と同様に横に引き出すタイプのしっかりした装丁。

ブックレットは43ページで、モノクロ写真がほぼ12ページ分、そして18ページ目以降に曲目と録音データが掲載されている。

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classicalmusic at 00:04コメント(0)筆者のことハイドン 

2018年12月16日


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名ピアニスト、アルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリ(1920-1995)が、ドイツ・グラモフォンとデッカで制作したレコーディングを集大成したボックスセット。

ミケランジェリがドイツ・グラモフォンで制作したレコーディングは、CDで個別にリリースされたのち、1995年にCD11枚組セットとしてリリースされ、2002年には1枚当たりの収録時間を増やしてCD8枚組の廉価ボックスとして発売、ロングセラー商品となっていた。

ここに紹介する10枚組セットは、2009年に発売されたバレンボイム、パリ管弦楽団とのシューマンのピアノ協奏曲(1984年ライヴ録音)と、かなり以前に廃盤になっていたベートーヴェン、ガルッピ、スカルラッティのデッカへのセッション(1964年ローマ)を追加収録したうえで、更なるプライスダウンを図ったものとなる。

これまでにミケランジェリのセット物は他レーベルからもリリースされているが、一番音質に恵まれているのがこの10枚組だ。

シューマン『謝肉祭』『ウィーンの謝肉祭の道化』のみが1957年のBBCへの放送音源ということでモノラル録音になるが、音質そのものはたいへん良好で、若きミケランジェリの切れの良い演奏を楽しめる。

これも含めて極めて良好なサウンドでミケランジェリ独特の研ぎ澄まされたテクニックを駆使した解釈を堪能できるので、旧セットを持っていない方には朗報に違いない。

ミケランジェリがドイツ・グラモフォンとデッカで、セッションを組んで録音した演奏の数々は、良質な音の状態と相俟って極めて精度の高いピアノ音楽の魅力を伝えてくれる。

磨きぬかれた美しい音とエレガントな歌いまわし、ときに意表を尽く大胆なテンポ・ルバートを駆使しながらも、常に明晰をきわめた造形美が印象的なミケランジェリのピアノ演奏は、まさに唯一無二といっていい見事なものだった。

精錬された音から端正な造形美が立ち表れるベートーヴェンのピアノ・ソナタ、磨き抜かれた抒情が感銘を深いショパン、不純物ゼロの研ぎ澄まされた感覚美が凄いドビュッシー等々、どれも極め付きの逸品ばかり。

中でも彼がその本領を縦横に発揮しているのはドビュッシーの演奏で、クリスタリックな透明感から醸し出されるシュールレアリズム的な音響が、フランス系のピアニストの伝統的な陰翳描写とは一線を画した絶品だ。

一方、ライヴ録音に関してはより自由度の高い傾向となっており、1984年のバレンボイムとのシューマンもやりたい放題の演奏だった。

その後、1988年10月の心臓手術以降は、さらに感興重視のスタイルに変わっており、モーツァルトのピアノ協奏曲の録音でもそうした雰囲気を感じることができる。

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classicalmusic at 00:16コメント(0)ミケランジェリ 

2018年12月14日


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今年2018年が没後30周年となる、20世紀のフランスを代表する世界的チェリストの1人、アンドレ・ナヴァラ(1911-1988)が遺した名演の数々を、フランスの新興レーベルフォンダメンタ・レーベルが新たなテクノロジーによるリマスタリングで復刻した6枚組ボックス・セット。

フランスの往年のチェリストの中でもとりわけそのパッショネイトな演奏が魅力的なアンドレ・ナヴァラのオーケストラとの協演を中心に選曲されていて、どの曲も芯のある力強い奏法から大胆不敵で豪快なメッセージが伝わってくる。

彼の代表的なソロ演奏ではバッハの無伴奏チェロ組曲全曲が名盤とされているが、チェロが加わるオーケストラル・ワークをまとめた企画は初めてのようだ。

今回の復刻にあたり、フォンダメンタ・レーベルのチームは、アンドレ・ナヴァラの息子と共に、ヨーロッパ各地でオリジナル・マスターテープや未発表音源、破棄された音源の探索を行ったという。

確かにこうしたレパートリーを鑑賞してみるとナヴァラの聴くべき演奏が他にも数多く存在することが理解できる。

ライナー・ノーツにアンドレ・ナヴァラ・アソシエーションとそのメンバーの名称が明記されているので、ナヴァラ協会お墨付きのセットということだろう。

尚先般チェコ・スプラフォンから彼のプラハ音源が5枚組でリリースされたが、カレル・アンチェル、チェコ・フィルとの協演になるブラームス、プロコフィエフ、ブロッホ及びヨゼフ・スークとのコダーイのデュオの計2枚分の音源は同一のものがこちらにも収録されている。

仏フォンダメンタから一昨年2016年にリリースされたこのセットにはモノラル及びステレオ録音が混在している。

今回はオリジナル・アナログ・テープからフランスのオーディオ・メーカー、ドゥヴィアレのテクノロジーを駆使して開発した、アナログ録音の正確な復刻を可能にする復元プロセス、フェニックス・マスタリングが使用されている。

この新リマスタリング方式によってCD化されたそれぞれのディスクの音質はいずれもきわめて良好で、時代相応以上のサウンドが再現されている。

このうちエマヌエル・バッハとシューマンの協奏曲は初CD化になり、後者の冒頭には拍手とアナウンスが収録されている。

また正規編集ということもあって62ページのブックレット・タイプの充実したライナー・ノーツには収録曲目、録音データやナヴァラのキャリアの他に収録作品総ての協演者の略歴及び作品解説と貴重なスナップ写真8枚が掲載されている。

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classicalmusic at 00:27コメント(0)アンチェルスーク 

2018年12月12日


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ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウはただ単に戦後を代表する名バリトン歌手というだけでなく、ドイツの楽壇の重鎮というべき偉大な存在であった。

彼のレパートリーは膨大で、また幸いその至芸の殆んどが録音を通じて鑑賞できるが、特にフーゴ・ヴォルフ歌曲集での感動はひとしおだ。

ヴォルフはテクストに選んだ詩を、恐ろしいほどの深い洞察力で読み取り、その言霊の抑揚ひとつひとつに人間の心理やさがを見出し、嬉々としてそれを楽譜に写し取っていった。

ピアノさえも伴奏の範疇を抜け出して歌詞と対等に語らせ、森羅万象を表すだけでなく心理描写にも心血が注がれている。

それは殆んど狂気と紙一重のところで行われた作業であるために、その再現には一通りでない表現力や機知と、それを裏付けるテクニックが要求される。

筆者は語り口の精緻さにおいて、フィッシャー=ディースカウを凌駕する歌手を知らない。

ヴォルフ歌唱録音の金字塔ともいえる不滅の名全集というだけでなく、フィッシャー=ディースカウが数多く遺した作曲家別の「歌曲全集」中、シューベルトとともに傑出しているのが、このヴォルフという定評が高い。

シューベルトに匹敵するほどのヴォルフの豊饒な歌の世界の全容を知らしめたのがフィッシャー=ディースカウの当意即妙で、自在闊達な歌唱であった。

この6枚組のセットでは彼とピアニスト、ダニエル・バレンボイムのコンビによる最良のヴォルフ歌曲集を堪能することができる。

特にフィッシャー=ディースカウと丁々発止のやり取りを聴かせているバレンボイムのピアノは秀逸だ。

1972年から74年にかけてのセッションで、音質は極めて良好。

尚EMIからは同様の歌曲集にフィッシャー=ディースカウ自身が指揮したヴォルフの管弦楽曲集を加えた7枚組セットもリリースされている。

そちらの方の歌曲は1952年から66年の録音になり、よりストレートな解釈が特徴で、声も若々しいが音質は時代相応でやや劣っている。

一方伴奏者はジェラルド・ムーアで、これも名伴奏の名に恥じないものだが、比較すると良し悪しはともかくとしてバレンボイムのピアノの方がより積極的に歌に介入していると言えるだろう。

フィッシャー=ディースカウ自身もこのグラモフォン盤では千変万化の感情の機微の表現、声の使い方のきめ細かさで熟練の境地に達している。

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classicalmusic at 00:01コメント(0)F=ディースカウバレンボイム 

2018年12月10日


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2004年に自らモーツァルト管弦楽団を組織して以来、アバドは数年間にモーツァルトのオーケストラル・ワークを集中的に録音した。

この2枚組のヴァイオリン協奏曲全集は2007年にコンサート・マスターでもあるジュリアーノ・カルミニョーラをソロに迎えて録音された。

カルミニョーラは1997年にイル・クァルテットーネとの弾き振りで既にこの曲集をリリースしているので、聴き比べた感想を簡単に書いてみる。

すぐに気づくことはこの新録音の方がテンポの設定が速めで、10年前の演奏の方がかえって落ち着いた古典的な優雅さを保っているのは意外だった。

ライナー・ノーツにはカルミニョーラの強い意向をアバドが反映させたとしているが、例えば第1番変ロ長調の第3楽章ではソロ・ヴァイオリンのヴィルトゥオーソ性が強調されて彼の華麗なテクニックが前面に出る結果になった。

また第5番イ長調『トルコ風』の名高いテンポ・ディ・メヌエットでの目の覚めるようなダイナミックな対比が以前より一層徹底されている。

こうしたシュトゥルム・ウント・ドラング的な曲作りは劇的な生命力に漲った斬新な解釈だ。

カデンツァは第4番ニ長調の終楽章を除いて総て彼の師であったフランコ・グッリの手になるもので、音楽的にも技巧的にもかなり充実した内容になっている。

また最後に置かれたソロ・ヴィオラが加わるシンフォニア・コンチェルタンテでは若手の女流ヴィオラ奏者、ダニューシャ・ヴァスキエヴィチが起用されている。

全曲ともピッチはやや低めのa=430を採用。カルミニョーラの使用楽器はストラディヴァリウス(BAILLOT,1732年)で数年前にボローニャ貯蓄銀行財団から貸与されたものだ。

録音状態は極めて良好。

ジュリアーノ・カルミニョーラは1951年生まれだから、このセッションがあった2007年は55歳の円熟期にあり、現在でもイタリアのヴァイオリニストの中では最も充実した演奏活動を行っている。

彼のレパートリーはバロックから古典派にかけてが中心で、ピリオド奏法を駆使したメリハリのある表現と凝り過ぎないストレートなカンタービレ、それにここでは名器ストラディヴァリウスの明るく艶やかな響きが特徴と言える。

彼はまた今年2011年にシャンゼリゼ管弦楽団との協演でハイドンの協奏曲集もCD化している。

一方アバドについてだが、晩年に手兵モーツァルト管弦楽団との定期公演ライヴを次々とリリースしていて、しかもこの曲集でも聴かれるようにオーケストラにも徹底したピリオド奏法を課している。

ヴィブラートを最小限に抑えた歯切れの良いリズム感や軽快なテンポの運び方は、近年の彼の音楽観の変化とモーツァルトの作品に対する新しい解釈を試みているようで、老いて益々意欲的な活動が頼もしい。

2014年1月、80歳で生涯を閉じた。

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classicalmusic at 00:19コメント(0)モーツァルトアバド 

2018年12月08日


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ヘルベルト・ブロムシュテットがライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団のカペルマイスターだった1998年から2005年までのライヴ音源を集成したボックス・セット。

オーケストラ固有のポテンシャルを最大限に引き出すことにかけて絶大な信頼を獲得してきた巨匠の手腕が見事に発揮されている。

これには全曲の録音を担当したアイケ・ベームの腕前が非常に優れていることも大きく影響しているものと想われる。

ともすると音が薄くなりがちなコンサート・ライヴ録音という環境の中で、重厚で質感の確かなサウンド・ポリシーを維持できている。

しかし音質から言えばその後同じメンバーによって録音されたSACDバージョンのブルックナー交響曲全集の方が、より徹底した録音体制を整えていて鮮明で瑞々しい音響が再生される。

特にニールセンの交響曲第5番は彼らのサウンドが鮮烈なだけに更なる音質のグレードアップが望まれる。

このセットの5枚は演奏中にも客席からの雑音が若干混入していて、音質にもやや雑身が感じられるが、演奏自体に関してはブルックナー全集に優るとも劣らない充実した内容を誇っていて、彼らの最良のコラボレーションを感じさせる。

派手さを抑え、ピラミッド型の低域豊かな音調と、コンヴィチュニー時代の再来を思わせる第2ヴァイオリン右側の対向配置も実に効果的。

収録された作品も、この名門オーケストラがかつて築いた栄光を現代に蘇らせるような王道レパートリーが中心に選ばれており、腹にズシンと来るブルックナーやブラームス、メンデルスゾーン、ベートーヴェンの魅力を心行くまで味わうことが可能だ。

特に彼らの十八番メンデルスゾーンの交響曲第3番『スコットランド』では第3楽章の溢れる抒情と鮮やかなコントラストを成すパワフルな終楽章に驚かされるし、ブラームスの交響曲第2番でも終結部に向かうドラマティックな表現には圧倒される。

また、王道演目ではないものの、ブロムシュテットが得意とするニールセンの交響曲第5番も、ここではドイツ音楽のように重厚に響いて独特の構築的な魅力を発散させている。

尚メンデルスゾーンの交響曲第3番とピアノ協奏曲は、ブライトコプフ&ヘルテルの新全集による世界初録音になる。

一方、唯一の現代作品であるジークフリート・マットゥスのオーケストラのための協奏曲『宣託』は現代音楽にも造詣の深いブロムシュテットとゲヴァントハウスの強みを示した豪快な演奏だ。

これはブロムシュテットが1977年にシュターツカペレ・ドレスデンを指揮して初演した作品で、骨太の音響ながら聴きやすいスタイルが、この作曲家とクルト・マズアが親しかったことも思い起こさせる。

128ページに及ぶブックレットが充実しているのもこのセットの特長で、ブロムシュテットがゲヴァントハウス管弦楽団を指揮した過去の全記録が掲載されているなど資料性も高い立派なものだ。

そこにはブロムシュテット在任中の307回に及ぶライプツィヒでの定期演奏会と、更に海外における180回のコンサートでゲヴァントハウスと共演した演奏曲目が作曲家ごとに纏められている。

その多彩な演目は見るだけでも壮観だが、特に彼のゲルマン系の作曲家の作品に懸ける情熱はひとしおだ。

また後半にはここに収録された総ての曲目に演奏会当日のプログラムに掲載されたと思われるかなり詳しい解説が付けられている。

オケのイメージにふさわしい質実剛健なボックス・デザインと、中身のサウンド・キャラクターもうまく合致している。

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classicalmusic at 00:23コメント(0)ブロムシュテット 

2018年12月06日


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1曲目のクラリネット協奏曲を聴いて、イタリアにもこれだけ優れたクラリネット奏者がいたのだということを改めて認識した。

勿論アレッサンドロ・カルボナーレはフランスのオーケストラで15年に亘って修行した経歴を持っているので、彼のテクニックはフランス的な奏法に多くを負っていると言えるだろう。

カルボナーレのクラリネットは呼吸をするような極めて滑らかなカンタービレが基本で、しかも精緻だが神経質にならない大らかさと柔軟さがある。

第2楽章の、ややドライだが歌心に溢れた憂愁の美の表出と、再現部でのピアニッシモは感動的だ。

また急速楽章とのテクニカルな小気味良いパッセージの対比も鮮やかで、全く破綻のない品の良い仕上がりはライヴ録音であることを考えると完璧な演奏だ。

アバド指揮するモーツァルト管弦楽団の響きは比較的薄く、室内楽的な軽快な雰囲気を出している。

ピッチはa'=440Hzの現代ピッチを採用しているが、コンサート・マスター、カルミニョーラの指導によるヴィブラートを抑えたピリオド奏法をとっているために特有の透明感が感じられる。

このあたりにも晩年のアバドの折衷様式の模索とその実践が示されている。

一方フルート協奏曲のソロはオランダのベテラン、ジャック・ズーンで、楽器は自ら改良を加えたへインズのズーン・モデルを使用している。

本体は木製なので金属管のフルートに比べると輝かしくはないが、そのソフトで奥ゆかしい音色を活かした古典趣味の再現が工夫されていて、気の利いたカデンツァもこの曲に生気を与えている。

この作品は作曲期限に間に合わなかったモーツァルトが自作のオーボエ協奏曲を移調したものに過ぎないが、フルートで演奏してもこれだけ効果が上がること証明していて興味深い。

最後のファゴット協奏曲はギヨーム・サンターナの演奏で、彼はフランスの管楽器奏者らしくオープンで暖色系の音色が特徴だが、抑制された節度を持った表現が美しい。

アバドの要求かも知れないが、音を伸ばすときはヴィブラートを控えて、ともすると厚かましく鳴りがちな楽器を周到にコントロールする腕が注目される。

録音データを見るとクラリネット及びフルート協奏曲が2006年のライヴで、ファゴット協奏曲は2009年のセッションになる。

アバドは2004年に自ら組織したモーツァルト管弦楽団と共に、新しい解釈によるモーツァルトを中心とするオーケストラル・ワークや協奏曲を意欲的にリリースして、その新境地を披露した。

これまでに演奏されたモーツァルトの管楽器のための協奏曲を見ると、オーボエ協奏曲ハ長調K.314と本来フルートのために書かれたト長調K.313の2曲が漏れている。

これらの2つの作品についても彼らの演奏に期待していたが、前者はマドリードでのライヴが発売されたものの、後者はアバドの死によって果たせなかった。

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classicalmusic at 01:44コメント(0)モーツァルトアバド 
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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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