2020年12月31日


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はじめまして。

このブログでは、クラシック音楽の真髄にどんどん斬り込んでいきます。

「ぶった斬り」というタイトルにしては、内容は名前負けしている感はありますが、自分が悪いと思うものを人には薦められないし、書きたいことを楽しく書く、ということをモットーにしています。

どちらかというと、クラシック音楽を聴き込んだ人向けの内容ですが、これからクラシック音楽を聴いてみようかな、と思っている方にも親しんで頂けるように考えながら書いています。

クラシック音楽に欠かせないのが、演奏家です。演奏家の優劣によって作品の価値が決まるといっても過言ではありません。

私はそこに焦点をおいています。

そして作曲家のことや曲の内容説明はそれぞれのディスクの解説にあるので、私は演奏の批評をこのブログで書くことに重きをおいています。

どうぞ、よろしくお願いします。

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2019年10月20日


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「甘美な響きの調和」と題されたこのディスクにはリーザ・べズノシュークのトラヴェルソとナイジェル・ノースのバロック・リュート及びギター演奏で、バロックからロマン派までの心和む7曲のデュエットが収められている。

入門者あるいは古楽に全くなじみのない方にも理屈なく楽しめるアルバムだが、演奏は古楽ファンも充分満足させるだけの質と内容を持っている。

金属管のフルートでは出すことのできない柔らかでぬくもりのあるトラヴェルソの音色とリュートやギターの古雅な響きが溶け合った穏やかで優しい音楽は、リラックス・タイムのBGMとしても最適だ。

ちなみにべズノシュークのトラヴェルソは、ロカテッリとC.Ph.E.バッハのソナタには1745年製のG.A.ロッテンブルグのワン・キー・モデル、その他の曲には1790年製H.グレンザーの8キー・モデルを使用している。

ノースは同じく最初の2曲にモデル名の明記されていない13弦リュート、その他には1815年製J.パヘス・モデルの6弦ギターをそれぞれ用いている。

リーザ・べズノシュークはトレヴァー・ピノック時代のイングリッシュ・コンサートを始めとする英国の主要なピリオド楽器使用のバロック・アンサンブルのメンバーでもある。

夫はバロック・チェリストのリチャード・タニクリフ、弟パヴロはバロック・ヴァイオリニストという古楽ファミリーのメンバー。

彼女自身既にバッハやヘンデルのフルート・ソナタ全集をリリースしていて、ロンドンではレイチェル・ブラウンと並ぶベテラン女流トラヴェルソ奏者だ。

一方リュートとギターを弾くナイジェル・ノースはグスタフ・レオンハルトの下で古楽を修めたイギリスを代表するリュート奏者。

リン・レーベルからバッハの『無伴奏チェロ組曲』のリュート編曲版などの優れたディスクを出している。

このセッションは1986年に英ブリストルのアーモンズバリー・パリシュ・チャーチという12世紀のゴシック教会で行われた。

古楽には欠かせない雰囲気と適度な残響が活かされていて音質も鮮明だ。

アモン・ラー・レコーズは、オリジナル楽器やピリオド楽器を使った珍しい曲目のセッションをリリースしている英国のマイナー・レーベルだが、演奏者はその道では名の通った人ばかりで、通常殆んど聴くことがないレアな作品を質の良い演奏で鑑賞できるのが特徴だ。

ただ最近の新録音はないようで、過去の音源をコレクター向けに細々と再生産しているのは残念だ。

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classicalmusic at 13:26コメント(0)バッハ 

2019年10月19日


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ジョン・ヴィッカーズ(1926-2015)が亡くなる前年に墺プライザーからリリースされた全盛期のオペラ・アリア集で、奇しくも追悼盤になってしまった。

本盤には、1961年のトゥッリオ・セラフィン指揮、ローマ・オペラ座管弦楽団とのイタリア・オペラ・アリアを中心に17曲が収録されている。

この頃のヴィッカーズは同メンバーで第1回目のヴェルディの『オテッロ』をセッション録音していて、そちらの全曲盤もRCAから最近復活した。

彼はやや暗く太い声を持っていて、一般的に明るく輪郭のはっきりした声が求められるイタリア・オペラにはそれほど向いているとは言えないが、良くコントロールされた頭脳的な歌唱は、こうしたアリア集でもその力量が充分に発揮されている。

彼を強力にサポートしているのが指揮者セラフィンで、イタリア式カンタービレの唱法を伝授したのもセラフィン自身と思われる。

また後半のイタリアもの以外の作品でも、美声を駆使するタイプではないにしても、知的でスケールの大きい骨太な表現は舞台上での彼の演技を髣髴とさせるものがある。

前半の12曲は以前RCAからLP盤で出ていた音源をプライザーがCD化したもので、同曲集はVAiミュージックからもリリースされていたが、更に5曲が追加されたこちらのCDをお薦めしたい。

尚トラック13から17はビーチャム、クレンペラー、プレートル、ショルティ及びラインスドルフがそれぞれサポートした1959年から62年にかけての全曲録音からピックアップされたもので総てが良質なステレオ録音になる。

カナダ生まれのテノール、ジョン・ヴィッカーズは1950年代から60年代に全盛期を築いてマリア・カラスの共演者にも抜擢され、国際的な演奏活動を展開した。

筆者は以前当ブログでコリン・デイヴィスがコヴェントガーデンを振ったブリテンの『ピーター・グライムス』について評価したことがある。

朗々と響く声だけでなく演技力も真に迫ったものだったことが記憶に残っていて、また何よりもコヴェントガーデンの底力に圧倒された。

BBC制作による同メンバーでのDVDは現在でも入手可能だ。

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classicalmusic at 12:22コメント(0)セラフィン 

2019年10月18日


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20世紀後半に登場し、大きな注目を集めた作曲家は数多いが、筆者にとってアルフレド・シュニトケ(1934-98)の衝撃度ほど大きく、理屈を超えた訴求力をもつ音楽は聴かずにはいられない。

1977年に完成された《合奏協奏曲第1番》はシュニトケの作風を象徴する作品で、合奏協奏曲という曲名がまずバロック的だし、事実この作品は「2つのヴァイオリンとハープシコード、ピリペアード・ピアノと弦楽オーケストラのため」に書かれている。

といっても、単なるバロック期の合奏協奏曲のスタイルの模倣やコラージュではなく、合奏協奏曲の精神あるいは方法論を用いて新たに開拓・創造された20世紀の音楽としての主張と個性を持つ作品である。

全6楽章構成で、第2楽章はバロック的装いを見せるが、それも甘美な回想などではなく、現代の聴き手の経験と記憶とを一度振り出しに戻して、歴史の諸相を再体験していくかのような感慨に浸らせるものとなっている。

美しい憩い、対照的な熱狂、ペーソス、孤独といった感情が螺旋的に聴き手を襲い、逃れられなくしてしまう吸引力の強い音楽である。

クレーメルとグリンデンコはこの作品の初演者だが、クレーメルはシュニトケ作品の紹介と普及とを彼の使命としたかのような演奏活動を続けてきた背景を誇っている。

クレーメルには現代の作曲家との交流と、その結果による作品、作曲家の紹介・復活という重要な仕事がある。

しかもそれは演奏家としてのクレーメルの抜群の再創造性や、音楽家としての力量と結びつくことで初めて可能になっている。

クレーメルが今度何を弾くか、あのクレーメルが今こんなものを演奏している、そのことがすなわち世界の音楽シーンの小さな事件となって積み重なっていった。

そこでは再現者=創造者としてのクレーメルの力が恐ろしいまでに発揮され、また、その成果が、やがて私たちの新しい音楽体験のひとつに変わった。

とくにシュニトケの場合、その作品の演奏者・紹介者としてギドン・クレーメルの名を落とすことは絶対にできない。

ここでの演奏も自ら積極的にラビリンスに分け入り、感動の種子を発掘しては聴き手に新しい音楽の未来を指し示そうとしている。

甘えや装飾など不要なものは一切削ぎ落していく演奏を聴いていると、楽器が闘うための武器となったかのような感銘すら与えられる。

シュニトケの登場によって、音楽は音楽であることを一度停止し、新たな意味と価値を深された表現行為に変質したと言いたくなるほどである。

第5楽章で懐かしいロンドが響いてくると、それだけで泣けてしまうから、シュニトケの技は老獪である。

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classicalmusic at 12:38コメント(0)クレーメル 

2019年10月17日


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ベルギーのピリオド・アンサンブル、イル・ガルデッリーノは古楽の故郷ネーデルランドの古い伝統を受け継ぎながら、インターナショナルなメンバーが情熱的な演奏を繰り広げる、もはや古楽の老舗的グループである。

基本的に各パート1人に通奏低音の補充にヴィオローネが加わる編成だが、後半の2曲ではソロ楽器としてもチェンバロが大活躍する。

このアンサンブルの創設者の1人でトラヴェルソ奏者、ヤン・デ・ウィンネは古楽器製作者でもある。

当然このディスクに収録された3曲は彼の製作したピリオド楽器、2キー・タイプのクヴァンツ・モデルを使ったソロになる。

写真を見る限りではオリジナルと同じ黒檀材を使っているが、ピッチは現代よりほぼ半音低いa'=415Hzの替え管のようだ。

クヴァンツ・モデルの特長は転調に強く、低音から高音まで音量が豊かで協奏曲でも他の楽器に埋もれることなく華やかな効果を上げることができる。

バロック・ヴァイオリンはポーランドの若手ヨアンナ・フシュチャで、使用楽器はヘンドリック・ヤコブスの手になる17世紀のオリジナル。

一方チェンバロはモスクワ生まれのイスラエル人ベテラン・チェンバリスト、ツヴィ・メニケルで1738年製クリスティアン・ファーターのコピーを演奏している。

2017年ベルギー、ボランドのサンタポリネール教会での録音は極めて良好。

バッハは横吹きの笛、つまりフラウト・トラヴェルソのための珠玉の名曲を生み出している。

無伴奏パルティータイ短調、チェンバロ付のソナタロ短調や、ここで演奏されている弦楽合奏を従えた管弦楽組曲第2番ロ短調、ブランデンブルク協奏曲第5番ニ長調及び三重協奏曲イ短調だが、他にもカンタータや受難曲でもトラヴェルソがオブリガートで演奏される場面が随所にみられる。

縦笛に比較して陰翳に富み表現力豊かな横笛が、ヴェルサイユ宮廷からヨーロッパ諸国へ熱狂的に波及することに一役かったのが、フリュート・トラヴェルシェールの名手だったオトテールだ。

後のロンドンではジャーマン・フルートと呼ばれたほどドイツの宮廷で持て囃され、楽器の改良も進んで4ピース、ワンキーの標準型が開発された。

中でもプロイセンのフリードリヒ大王の玄人裸足の演奏と彼の作品は当時のヨーロッパの宮廷趣味を象徴している。

大王のフルート教師クヴァンツが、同じ宮廷のチェンバリストだった大バッハの次男、カール・フィリップ・エマヌエルの7倍の俸給を受けていたことも事実だ。

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classicalmusic at 12:18コメント(0)バッハ 

2019年10月16日


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1979年にミュンヘンのヘラクレス・ザールで行われたセッションで、イタリア弦楽四重奏団の屈託のない明るい音色にポリーニの輝かしいピアノが加わった異色のブラームスだ。

しかしアンサンブルとして高度に鍛え抜かれたある種の厳しさを持ち合わせていて、音楽的に非常に充実していることは勿論だし、ポリーニ初の、そしてともすると最後になるかも知れない室内楽の貴重なサンプルとも言える。

彼のアンサンブルの一員としての存在感は圧倒的で、さながらピアノ協奏曲の様相を呈しているが、それがこの曲への決定的なアプローチになっている。

また第2楽章での奥の深いカンタービレの美しさも彼らならではの表現だろう。

全体的な印象は色彩感に充たされた開放的な、しかしピアノ・パートを恐ろしく精緻に再現したブラームスと言える。

尚この録音の時にはヴィオラ奏者のピエロ・ファルッリは病気のため、ディーノ・アショッラに代わっている。

音質は極めて良好。

イタリア弦楽四重奏団が、この曲に本格的に取り組み始めたのは1951年のザルツブルク音楽祭への参加がきっかけとなっている。

この時ヴェルディの『オテロ』を指揮したフルトヴェングラーは自分の宿泊していたホテルに彼らを招待し、自らピアノを弾きながら助言を与え2回に亘って通し稽古を行った。

その夜は更にベートーヴェンの後期の弦楽四重奏曲についてもレッスンが続いたようだ。

それはこうした作曲家の作品の解釈にも、また彼らの将来の演奏活動にとっても多大な影響を及ぼした経験だった。

一方ポリーニがイタリア弦楽四重奏団の演奏を初めて聴いたのは1954年で、ボルツァーノのブゾーニ・フェスティヴァルでの出会いだった。

ポリーニは当時まだ12歳だったが、この時彼らが演奏したドビュッシーの弦楽四重奏曲を、殆んど奇跡のような体験だったとインタビューで語っている。

そして彼らのアンサンブルが実現したのは1974年のことになる。

このドイツ・グラモフォンへの録音の1年後に彼らは解散してしまうので、まさに飛ぶ鳥も落とす勢いだったポリーニと、イタリア弦楽四重奏団が最後の輝きを放った歴史的なセッションでもある。

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classicalmusic at 12:02コメント(0)イタリアSQポリーニ 

2019年10月15日


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2007年頃に解散したピリオド楽器を使った合奏団ムジカ・アンティークァ・ケルンの最後の1枚になったディスクで、2004年にケルンで録音されている。

またこの企画のもうひとつのセールス・ポイントは、現在では自ら率いるバロック・アンサンブルと演奏したディスクをリリースしているスイスのリコーダー奏者、モーリス・シュテーガーをゲストに迎えていることで、テレマンのスペシャリストでもある両者の協演がこの曲集を一層楽しく、快活なものにしている。

8曲の四重奏曲が選ばれているが、ここでは客演のシュテーガーが加わる3曲がとりわけ華やいだ雰囲気を持っている。

彼は独特の節回しと自由な装飾音をちりばめて奏するアドリブ精神豊かな演奏家だが、それはリコーダーという楽器の庶民的な性質を活かして、高度な音楽作品にも最大限応用しているからだろう。

指揮とバロック・ヴァイオリン及びヴィオラを兼ねたゲーベルは、生き生きとした喜びの表現の中にテレマンの巧みな作曲技法を明快に伝えている。

この曲集の中ではトラヴェルソとヴァイオリン及びチェロと通奏低音のためのニ短調がテレマンの曲として扱われているが、この曲はヘンデル作としても伝えられている。

実際アクサン・レーベルからリリースされているパルナッスス・アンサンブル、クイケン盤ではヘンデルの『4声のコンチェルトニ短調』と表記されているが、曲想からしてテレマンの真作という古楽学者の見解のようだ。

トラヴェルソはフェレナ・フィッシャーが受け持っている。

残念ながらそれぞれの演奏家の使用楽器については明記されていない。

尚ピッチについてはa'=415のスタンダード・バロック・ピッチを採用している。

録音状態は極めて良好で、鮮明な音質、楽器間のバランスや分離状態も申し分ない。

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classicalmusic at 12:09コメント(0)テレマン 

2019年10月14日


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既にライバルのワーナーからベートーヴェンとブラームスの交響曲全集が廉価盤でリリースされていたためか、先を越されたユニヴァーサルも遅れ馳せながらグラモフォン及びデッカ音源をようやく纏めてくれた。

35枚というディスクの数からすればこのセットもバジェット価格だが、コレクション仕様のしっかりした箱物で、ライナー・ノーツも76ページと充実している。

巻頭にはふたつの興味深い書き下ろしエッセイ、ノルマン・レブレヒトの『フルトヴェングラーの失脚と栄達』とロブ・コワンの『あどけないディオニュソス』を英、独文で掲載している。

収録曲目、トラック・リスト及び録音データの他に対訳こそないが、巻末には作曲家別の曲目索引が付いているので、ディスクを検索する時に、何年にどのオーケストラを振ったものかが一目で判別できるようになっているのも親切な配慮だ。

フルトヴェングラーの演奏集は既にLP、CD、SACDなどあらゆるメディアで出尽くしているので目新しい音源は期待していなかった。

全体が4部分に分けられていて、CD1-3は1929年から37年までの早期録音集、CD4-16が1942年から45年までの戦時下の録音、CD17-33が1947年から54年までの戦後の録音集で、残りの2枚はボーナス・ディスクになる。

CD34が1926年のベルリン・フィルとのベートーヴェンの交響曲第 5番と51年のベルリン音楽大学での講演、そして最後のディスクは1954年ザルツブルク音楽祭でウィーン・フィルを指揮したモーツァルトの『ドン・ジョヴァンニ』全曲のDVDという内訳になっている。

尚戦後の録音は更にピリオド別に初期7枚と後期4枚のラジオ・レコーディング、3枚ずつのドイツ・グラモフォン及びデッカからのリリース盤に別れている。

『ドン・ジョヴァンニ』は比較的良い状態の映像で残されていて、音質も歌手陣の声を良く捉えていて秀逸。

解釈はごくクラシックで平明な勧善懲悪的な演出で統一されていて、現代においては幾らかありきたりかも知れないが、、それを補う実力派キャストの歌唱は当時としてはおそらく最高峰と言って良いだろう。

チェーザレ・シエピのタイトルロールはイタリアのバスの典型でもある、深く凛とした美声を駆使したカンタービレが特徴的だが、また舞台映えのする容姿とおおらかな演技にも説得力がある。

3人の女声、ドラマティックなグリュンマーのドンナ・アンナ、表情豊かなデッラ・カーザのドンナ・エルヴィーラ、軽快なベルガーのツェルリーナもそれぞれ対照的な性格を巧みに描き出している。

男声もコミカルなエーデルマンのレポレッロ、またここでは高貴で真面目な青年に徹するデルモータのドン・オッターヴィオや田舎者マゼットを好演する若き日のヴァルター・ベリーが充実した舞台を創り上げている。

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classicalmusic at 12:11コメント(0)フルトヴェングラーシエピ 

2019年10月13日


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トラヴェルソ奏者イェド・ヴェンツと創設以来長期間に亘って演奏活動を続けているオランダのピリオド・アンサンブル、ムジカ・アド・レーヌムの2人のメンバー、チェロのヨブ・テル・ハール及びチェンバロのミヒャエル・ボルクシュテーデによるユーハン・ヘルミク・ルーマン(1694-1758)作曲の12曲のフルート・ソナタ集で、ブリリアントからの2枚組の新譜になる。

ルーマンはストックホルムの宮廷楽壇で活躍したスウェーデン人の作曲家だが、作風は彼のロンドンを始めとするヨーロッパ諸国での研鑽を活かした、当時のインターナショナルな音楽観が反映されていて、こうした室内楽ではイタリア趣味とその様式を踏襲している。

トラヴェルソと低音の2声部で書かれ、このディスクではチェロとチェンバロの左手で低音部を重複させ、右手が和声を補う即興演奏になる。

ルーマンのロンドン留学時代にはアルカンジェロ・コレッリのリバイバル旋風が吹き荒れていて、イタリア風のシンプルなスタイルと華やかな演奏効果を狙った作品が持て囃された。

この曲集でもヴァイオリン・ソナタを髣髴とさせる技巧的なパッセージが随所に使われていて、ワン・キー・トラヴェルソでの演奏にはかなり高度なテクニックが求められる。

ヴェンツはかつてロカテッリのフルート・ソナタ集でその悪魔的な超絶技巧を披露したが、ここでは低いピッチを使用していることもあって、三者の息の合った流麗で屈託のないアンサンブルが秀逸だ。

当初ライセンス・リイシュー音源の廉価盤販売が専門だったオランダのブリリアント・レーベルは、ここ数年独自の企画によるオリジナル録音を次々にリリースするようになった。

その自由な選曲や演奏のレベルの高さ、音質の良さでも大手メーカーに迫るものがある。

彼らが力を入れている部門のひとつがバロック音楽で、このCDセットの録音は2014年暮れから2015年の初頭にかけて収録されている。

ルーマンの全12曲のフルート・ソナタ集の非常に優れた演奏集というだけでなく、数少ない選択肢のひとつとして古楽ファンには貴重なサンプルだ。

今回のヴェンツの使用楽器はオランダの名匠シモン・ポラックの手になる4ピース・ワン・キー・タイプのノースト・モデルでピッチはa'=398Hz。

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classicalmusic at 14:09コメント(0)ヴェンツ 
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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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