2008年01月

2008年01月31日


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まだろくすっぽ育ちきっていない年端もいかぬ子供が、驚くほど巧みにコンチェルトの一つもきらめかせたりすると、所詮はガキ、とスガ目で見つつも、その実、もしや神童、とうろたえる。

半分は聴き手の横着な予断のせいだが、残りの半分は、オトナではよほど突出した《売り》がないとなかなか世の関心を引くことはできないけれども子供ならもしかすると聴き手の耳に下駄をはかすことができる、ともくろむ売り側の事情に由来する。

さすがに3〜4歳の幼児の演奏に耳を貸す暇人はいなかろうが、それでも10代前半の天才少年・天才少女のその手の「鮮烈デビュー」は後を絶たない。

というわけでこの言葉、毀誉褒貶半ばする《夢》の言葉だが、考えてみれば音楽は響きの芸術である。

成熟やら深みやらを裏打ちする《情感》は響きの上に作り上げた聴き手の妄想であり、響きの感性はそれとは別物、おそらく年齢にはよらない。

ならば《うまさ・味わい》で耳を縛りつけることをやめ、響きの感じ方に素直に耳を傾ければ、もっとトキメキに近い言葉になるかもしれない。

かつて高度成長が始まる日本にあって、幼くして周囲の大きな期待を集め、《世》に向けて飛び立とうとしたものの、その重圧に耐えきれなかったのか悲惨にも蹉跌してしまった渡辺茂夫というヴァイオリニストの物語は、「神童」とのつきあい方を改めて示唆してくれているようだ。

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パリの南にある風光明媚なオーヴェルニュ高原。

そこに生まれたカントルーブは、故郷の民謡を採譜し、27曲からなる民謡集を発表した。

それが「オーヴェルニュの歌」である。

そのうち幾つかにはパステル調の淡く繊細なオケ伴奏がつき、素朴なメロディに美しくも幻想的な背景を作っている。

その歌はどこまでも無垢で清らかだ。

これを書いて名を残したのがカントルーブならば、これを歌って名を残したのはダヴラツである。

このユダヤ系ロシア人のソプラノ、写真もなければ詳しい経歴もあまり知られておらず、今どこでどうしているのかも分からない。

だがこの曲を歌うためだけに生まれてきたような、清楚でチャーミングな歌いぶり、そして澄み切った歌声は、その名を静かにしかしくっきりと刻みつける。

「オーヴェルニュの歌」とダヴラツ、それは一世一代の名品と名唱の、幸福な出会いなのである。

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チクルスとはドイツ語だが、英語のサイクルに相当し、シリーズとほとんど同じ意味。

演奏会でよくある○○チクルスとは、マーラーならマーラーの作品のみを、一定期間に連続して演奏すること。

それは何かの記念とか継続した研究の発表というような特定の目的を持って行なわれ、それを全てこなせば、演奏者や聴衆にある種の征服感や達成感をもたらすというもの。

だがそれとは別に、チクルスの在り方にはもう一つの要素が絡む。

それは時代の嗜好の反映。

刻々と変貌を続ける現代社会は新たな刺激を求め、CDやオーディオ装置の普及、オケの技術の向上などとも絡んで、今まであまり採り上げられなかった作品にもスポットが当たるようになった。

かくしてベートーヴェンだブラームスだという時代は終わり、マーラーやブルックナーが、こうしたチクルスの主役となった。

しかしそれもすでに下火。

次はメンデルスゾーン?

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ふと音がしていることに気がついてその音に耳を澄ましたら、思いがけなくも身体にスルスルしみ込んで気分が抒情的になり、目に映る風景がキラリ別物のように見え始める。

例えばそんな経験をしたことはないだろうか。

環境音楽とは、ある環境に組み込まれ、そこにある他のあれこれと共に見聴き感じることによって感性に作用し、その場の居心地を作り出す、そんな音楽のことである。

《聴く》音楽ではない。

いわば《聴こえる》音楽である。

始めも終わりも意識されることはない。

特定のストーリーがあるわけでもない。

ただ響きを聴いて響きに感じる。

コンサート・ホールやステレオ装置の前でじっと音と対峙する、といった従来のあり方とはまったく異なる音と聴き手の関わり方を志向した、新たな《音楽体験》のかたちである。

芦川聡と吉村弘の共同制作になる釧路市立博物館の音楽は、日本におけるその美しき草分けである。

というわけで、CDで環境音楽を聴くなどナンセンス。

あえて聴くための音楽は挙げない。

ぜひその場所に行って体験してもらいたい。

吉村弘「都市の音」(春秋社)に代表的なものが紹介されている。

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重音奏法とは、一つの楽器で同時に複数の音を出す演奏法のこと。

単音の澄んだ響きとは対照的に、ザラリと輝きのある刺激的な音がするため、「ゆるぎない秩序」に奉仕するというよりは、むしろ、カッと熱くエモーションに火をつけたり、逆にフワッと緊張からさめてどことも知れぬ日常をワープさせたりと、耳の美的安定状態に穴をあける。

楽器にもよるが、概して安定して音を出すことが難しく、しばしば「超難度D級キメワザ」として使われる。

最もポピュラーで耳について直接的に背筋を刺激するのは弦楽器である。

《情熱的》なフレーズには必ずといっていいほどこの響きが貼り付いている。

さらに困難の度が増すのは管楽器である。

もともと楽器が重音を奏するように作られていないから、音楽的に手なづけて音を出すのは至難の業。

倍音を美しく響かそうとすればするほど超絶的技術と神経を必要とする。

音を出すのは簡単だし響きも単独ではどうということのないピアノでも、長いパッセージを素速く重音でつなげてレガートで炎のように突進するという驚異の荒技を用いると、突き上げるような興奮を掻き立てる。

重音は音楽のツボなのである。

突出してエモーショナルな例として、武満徹の「ディスタンス」におけるホリガーのオーボエの肉体とひとつながりになったような響き、そしてバッハの無伴奏におけるムローヴァのヒンヤリとして《氷の微笑》よろしくゾクと艶やかなヴァイオリンの響きを挙げておこう。

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classicalmusic at 15:58コメント(0)トラックバック(0)クラシック音楽用語解説 

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「より高く、より速く、より遠く」はオリンピックだっただろうか。

「より速く、より正しく、より美しく」、ハイフェッツ(1901-87)とは、そうしたヴァイオリンの演奏技巧を徹底的に追求したウルトラ・ヴィルトゥオーゾである。

聴き手の感嘆が追いつかぬほど、次々と繰り出されるシャープな技は、ほとんど人間の行為としては極限的で、一切の身振りを捨てたその音楽は、無類の潔癖さと、一陣の風のような独特の軽やかさを持つ。

それらは他の追随を許さぬどころか、むしろ諦めさせるほどに圧倒的。

まさに神である。

しかし「技術は音楽のしもべ」なんていう妄想を痛快に引っ繰り返したそのスタイルは、音楽に学問や教養を求める人にはあまり受けがよくない。

ハイフェッツとは、呆れるほどに巧いのになぜか尊敬されないという、気の毒な神である。

その驚きの演奏は上記のCDでご堪能下さい。

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classicalmusic at 11:36コメント(0)トラックバック(0)クラシック音楽用語解説ハイフェッツ 

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ポイントとは、ミニマル音楽の元祖、フィリップ・グラスがプロデューサーを勤める新興レーベル。

「現代音楽を楽しんじゃいましょ」でも「これぞ最先端現代芸術!」でもない。

ミニマル手法とロックやポップや民族音楽など耳に覚えの響きが出会って、あれ?と引っ掛かりつつも、へぇぇ、と面白いいわばクロス・オーヴァー・ジャンルの実験的エンターテインメントとでもいった作品をリリースしている。

まだタイトル数は多くはなく、最近流行のファッショナブルな現代音楽レーベルとは違って、必ずしも聴きやすい作品ばかりではない。

グラスの自作はもちろん、ブライヤーズの怪作やら、モランのロック・オペラやら、グラスの音楽的嗜好がハッキリとそのラインナップに現れていて、ちょっとマニアックで、どこか1970年代の匂いのするユニークな色がある。

ロック・ミュージシャンであるデヴィッド・ボウイやブライアン・イーノの作品を、ミニマル手法を使ってオーケストラにトランスクリプションしたグラスの「ロウ・シンフォニー」や、猟奇現象を題材にした前記モランの「マンソン・ファミリー」が、とりあえずその色を代表している。

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classicalmusic at 11:18コメント(0)トラックバック(0)クラシック音楽用語解説 

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簡単に言えば、《絶対音楽》とは「ナントカ組曲」とか「ナントカ風景」ではなくて、「交響曲第○番」とか「ピアノ・ソナタ第○番」というものである。

つまり、具体的な描写や物語によらず、抽象的な音の動きのみによって潔癖・純粋に作られた音楽のことをいう。

《型》で聴かせる音楽と言ってもいいかもしれない。

ただこの《絶対》といういささか力み返った言葉には「無条件」とか「純粋」、そして何より「他との比較を絶する」という意味があるため、何となくこの手の音楽には権威・王道・名門といった格調高いイメージがつきまとう。

しかしこれは、絶対音楽を量産し、この分野での評価が作曲家としてのステイタスにつながっていた時代の価値観を引きずっているに過ぎない。

今となっては敬して遠ざけられる存在である。

バッハの「フーガの技法」、ハイドンの弦楽四重奏曲、ベートーヴェンの交響曲などが代表的。

ベートーヴェンならセルやガーディナーの演奏。

いずれも余分な色づけがなく、精緻な仕上がりを聴かせる。

バッハには、コープマンの生き生きとした演奏がある。

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微分音とは、ミとファの中間の音、というように、半音の間隔で並ぶ通常の西洋音階の音から少しだけズレた高さを持つ音のこと。

そのズレ幅によって、例えばそれが半音の半分の音程である場合は《四分音》などと呼ぶ。

平均律に慣れた耳には、どうにも収まりが悪くて気持ちの悪い音だが、ブルース系アメリカ黒人音楽のブルーノートやイスラムのコーランの朗唱などに聴くその音は、何やら妖しくも遥かな気分を誘う。

響きの面白さから現代作品でもしばしば用いられ、四分音ピアノというとんでもない代物を作って演奏してしまった例もある(「ヴィシネグラツキー:四分音シス」)。

生理にしみ込む不思議な音である。

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輪郭とは、物の外形を表す線のことである。

音に絵のような平面的な形があるわけではないが、メロディやフレーズの動きがクッキリと流れを作り、響きがいつまでもクリアに整理された、例えばジュリーニが指揮したような演奏を聴いていると、どこにホログラフのような響きが形を作って浮かび上がってくるように感じることがある。

この言葉は、そんなヴィジュアルな印象を絵になぞらえた比喩であり、終わりから始まりに向けて全体を終始俯瞰しつつ、そこで鳴っている音を脈絡づけて楽しむという、クラシック独特の習性が生み出したイリュージョンである。

ジュリーニの演奏の中でも、例えばドヴォルザークの交響曲第8番「イギリス」にシューベルトの交響曲第4番「悲劇的」がカップリングされたCDなどは、そんなイリュージョンが、かなりハッキリと見えてくる。

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classicalmusic at 03:47コメント(0)トラックバック(0)クラシック音楽用語解説ジュリーニ 

2008年01月30日


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「何をシケたこと言ってんだよ。祭りだ祭りだ。パーッとやろうぜ!」となれば居ても立ってもいられない。

《血が騒ぐ》とはこのことか。

さながら瞬間湯沸かし器のごとく、カッときたら手がつけられぬほど、情熱的なぞ通り越し、狂熱的トランス状態に陥る。

照りつける太陽のもと、リズムは強烈、色彩ギラギラ、音楽は頭でも心でもなく、ひたすら野性的に肉体そのものを突きまくる。

ラテン的》とは、こんな本能的衝動を感じさせる演奏や作品に対して使われる。

デュトワがモントリオール響を振ったファリャの「三角帽子」は、作品もさることながら、ラテン的トランス状態をまざまざと見せつける代表例だし、アルゲリッチの「夜のガスパール」も同様に熱い。

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classicalmusic at 10:42コメント(0)トラックバック(0)クラシック音楽用語解説 

2008年01月29日


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とかく大きな楽器は扱いにくい。

おまけに響きが重たいから、どうしても音の表情がかったるくなる。

というわけで、ま、無理せずじっくりいきましょうか、などとついおっとりしてしまう。

そんな低音楽器の《持ち味》を離れ、チェロを実に豊かな表現力を持つ丁々発止のソロ楽器として認知させた巨人がこの2人。

カザルス(1876-1973)は、一音一音に激しい意志と情念を込めて、この楽器の深々と思索的な響きに感動の身振りを刻みつけた。

そしてその音でキナ臭い現実社会にゴリゴリと渡り合って孤高に至った。

ピアティゴルスキー(1903-76)は驚くほど軽やかに音を動かして、肉声に近いといわれるこの楽器の響きにしなやかでサラリ人懐こい快感の響きをもたらしが。

そして「百万ドル・トリオ」を結成し、誰もマネできないようなスリリングで聴衆の血を湧かせた。

神様として崇められるのは前者だが、聴いて楽しむという現世の《御利益》は実は後者にある。

カザルスの代表的演奏は、やはり自ら校訂し名曲として蘇らせたバッハの「無伴奏チェロ組曲」であるが、これは別項で述べたので、ここでは「鳥の歌-ホワイトハウス・コンサート」をあげておく。

ピアティゴルスキーは、ソリストとしてはやはりミュンシュの指揮による「ドヴォルザークのチェロ協奏曲」で持ち味を魅力的に発揮している。

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classicalmusic at 19:11コメント(0)トラックバック(0)クラシック音楽用語解説カザルス 

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米ソ冷戦の真っ只中、一人の若いアメリカ人ピアニストが、チャイコフスキー・コンクールで優勝した。

その名はヴァン・クライバーン

米ソ両国で圧倒的な成功を収めた彼は、アメリカにとっては冷戦を打開するための、願ってもない音楽による親善大使だった。

ソ連のコンドラシンの指揮で録音したチャイコフスキーの協奏曲のLPは、無邪気な愛国心によって飛ぶように売れたが、音楽でイデオロギーの対立が解消されるなら苦労はない。

甲斐のないプロパガンダに嫌気がさしたのか、彼は東西対立の激化と共にいつしか音楽シーンから消え去った。

それから20年余り経って、冷戦の終結に合わせるかのように復活し、「オレはプロパガンダじゃない」と、1996年の春には来日公演すら行なった。

なるほど、クライバーンは昔も今も《ピアニスト》である。

しかし、あるのは過去の記憶ばかり。

しかも世の中は大きく変化してしまった。

彼はいわば《今浦島》である。

なお、上記の栄光のLPはCD化されて発売されている。

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ズブの素人がオーケストラを指揮するのをテレビで見たことがある。

それはそれで面白かったが、オーケストラのアンサンブルはクシャクシャで響きも濁っていた。

一方、本職の指揮者が振れば、素人と同じように腕を動かしているように見えても、何故かオーケストラはキチンと進行し、響きもクリア。

これはまさにミステリーだが、この違いを生むものこそ指揮のテクニック、即ち《棒テク》である。

しかし、手の物理的な動きのみによってアンサンブルを整えたり音楽を表現するだけなら、《棒テク》としては片手落ち。

指揮者が相手にするのは、オケという人間集団である。

彼らに自分の望む音を出させるには、それ相応の駆け引きや説得力、そして統率力が要求される。

つまり《棒テク》とは、物理学と心理学の産物なのである。

マゼールやプレヴィンなどが現代の名手。

どちらかといえば物理学の大家である前者には、クリーヴランド管による「プロコフィエフ:ロミオとジュリエット」がある。

心理学の大家である後者には、ロンドン響による「ラフマニノフ:交響曲第2番」がある。

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特別な機会を除けば、オーケストラは室内で演奏するもの。

だからこの《室内》という言葉は、演奏する場所ではなく、オーケストラのサイズを意味している。

一般的には百名前後のフル・オケに対して、30名前後のものを指す。

こうしたオーケストラは古くからあったが、それはフル・オケの陰に隠れた、いわばマニアックな存在。

ところが最近はちょっと違って、室内オーケストラにも陽が当たる。

それは定食のようなフル・オケを使う作品が減ったり、古い作品を初演当時の小さな編成で演奏しようという動きが主流になったりしたためだ。

しかし同時に、金食い虫で小回りのきかないフル・オケに対する反動であり、オーケストラとしての生き残りを賭けた巧妙な戦略でもある。

そして今や、フル・オケと対等の地位を占めるに至った。

ともあれ、そのフレキシブルな形態は演奏にも反映し、イキのいいのが特徴。

オルフェウス室内管などが代表的な存在である。

サラ・チャンを迎えたヴィヴァルディ「四季」を収めたCDがある。

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2008年01月28日


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民族・宗教・時代を問わず、人の死には多少なりとも儀式がつきもの。

キリスト教(ローマ・カトリック)ではそれがミサとなり、その中に死者の魂を慰める音楽が挿入される。

その音楽を「レクイエム(死者のためのミサ曲)」と呼ぶ。

ただこの名は、単に「レクイエム(安息を)」という歌詞で曲が始まるからそう名付けられただけ。

どんなレクイエムでも、最初は確かに死者を追悼するような調子だが、そのうち「怒りの日」や「最後の審判」などによって懺悔させられ、最後は「楽園」で救済される仕組みである。

つまりは死後の世界の物語にして《オカルト》であるのがレクイエム。

とはいえレクイエムもさまざま。

いかにもの厳粛さと悲痛さを備えたモーツァルトのものが、レクイエムの典型的なイメージならば、清純な祈りと安らぎに満ちたフォーレの作品も忘れ難い。

しかしドラマティックな音響で《オカルト》を実感するなら、ベルリオーズとヴェルディ。

それぞれのうってつけのCDを挙げておく。

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天才巨匠ヴィルトゥオーゾ。

世に大名人の類あまたあれど、長く深く思慕と敬愛を勝ち得ることのできる演奏家は多くはない。

典型として分かりやすいのは「そこまでやるか」の軽業離れ業師。

でもこれはちょっとやそっとじゃ尊敬されない。

「月面宙返り」のように一瞬何が起こったのかわかあないけれど何だかとんでもなくすげぇ、と唸らせてしまうような《華》がそこにあること。

そして、その芸に長く生きること。

小父さん程度の年齢ではどうにもアクが強すぎる。

白髪禿頭、無邪気に老いて枯れてこそ愛らしくなる。

一方、決して派手な芸ではないが、楚々と端正な音がひそやかに耳を澄ませ、時に身をよじらせてジワリ信者を集めるケースもある。

これは究極《若死》によってその芸が断ち切られてしまうことで、もうこれっきりという哀惜感を強烈に募らせ、孤高の存在になる。

ピアノの世界には両者を見事に象徴する神様がいる。

前者はホロヴィッツ(1904-89)であり、後者はリパッティ(1917-50)である。

ホロヴィッツの「モスクワ・ライヴ1986」と、リパッティの「ブザンソン音楽祭における最後のリサイタル」という2つの優れたライヴ録音は、この2人のピアノストの音楽性と生理の違いがハッキリわかって面白い。

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生きているうちは《帝王》なんて呼ばれたりして、超俗物のウサン臭いイメージがつきまとっていたが、死んで生臭さが薄まるにつれて、カラヤンという男がとんでもなくぶっ飛んだ指揮者だったということが改めて見えてきた。

1995年最大の話題作「アダージョ・カラヤン」は、クラシック特有の気の長い《つじつま》にも、わかる人にだけわかるウンチクにもよらず、ただひたすた音の《すがた》の良さ、すなわち芸能的快感に基づいて音楽を作る、カラヤンの革命的に下世話な感性によって初めて成り立ち得たアルバムだった。

「アダージョ」はカラヤンの代名詞ではない。

一つの芸の切り口である。

名曲の《さわり》でしかないという卑屈さも寄せ集めの安直さも感じさせない。

いわばクリップを《歌舞伎十八番》よろしくとことん楽しませてしまうことのできる、カラヤンはおそらく古今不世出の指揮者なのである。

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classicalmusic at 16:45コメント(0)トラックバック(0)クラシック音楽用語解説カラヤン 

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《ズン・チャッ・チャッ》というお馴染みの3拍子のリズムに乗って、流麗なメロディが歌われるワルツ。

でもヨハン・シュトラウスのワルツを聴くとどこか違う。

弾むような、また跳び上がるような軽やかさがあるのに気づくだろう。

これがウィンナ・ワルツ

その秘密はズン・チャッ・チャッが均等ではなく、最初のチャツが前につんのめり、アクセントが付けられていることにある。

もちろんメロディは流麗甘美で、独特のコブシを持つ。

典型的なものは、J・シュトラウスの「美しく青きドナウ」や「ウィーンの森の物語」。

19世紀ウィーンの舞踏会で大流行したこれらの作品は、洗練と爛熟の果ての貴族趣味、そしてそれと表裏一体の享楽的・頽廃的な要素を持つ。

まさしく《バブルの産物》。

それでもラヴェルの時代まではまだ宴の余韻があった。

しかし、現代人にとっては、もはや《スーヴェニール》と化している。

カラヤンがたった一度だけウィーン・フィルのニュー・イヤー・コンサートを振った録音が残されている。

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クソマジメでもツッパリでもないが、手放しでエンターテインメントとヒラヒラしているわけでもない。

カタリスト・レーベルが作るCDには、知的好奇心をくすぐる現代アートのニオイを漂わせつつも、決して耳当たりのよさを逸脱しない「ソフト・コンテンポラリー」とでもいった軽やかさがある。

例えばイギリスのマクミランやマートランドの作品集には、ちょっと聴くと耳慣れたよな音の向こうに妙にザラッと毒があるし、名だたる《現代音楽》作曲家ケージの作品集には、逆にサラサラとした親密さがある。

そうかと思えば、メキシコのレブエルタスの実に《大衆的》でありながら、過激な斬新さを持つ音楽に陽の目を当てるなど、知と快感が柔らかく同居しているのである。

ケージ40年代のプリペアド・ピアノための実にインティメイトな作品を中心に集めた「ある風景の中で」や、前述のマートランドの、音はポップはミニマルしているが、トスカニーニよろしく、やたらピリピリと演奏に気合いの炸裂した「ファクトリー・マスターズ〜バー」に、レーベルの色を聴きとることができる。

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2008年01月27日


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響きは隅々までスッキリとすわりがよく、抒情は濃すぎず熱すぎず、あくまで品よく耳をなで、音楽は折り目正しく小気味よく起承転結を辿って、キチンとあるべきところに落着する。

そんな、モーツァルトやハイドンのような、でも決してそこまで突出して耳を驚かせることはない作品や演奏のスタイルに対し、大晦日に演歌を聴くように余裕と安心と根深い愛着とをもって使われる、実はひそかな褒め言葉である。

ロマンの時代の息遣いを持ちながら、均整のとれた上品な佇まいのあるメンデルスゾーンの音楽は、《古典的》の一つの典型。

「八重奏曲」をウィーン八重奏団の演奏でどうぞ。

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あたりは暗闇にしてひっそりと静まりかえっている。

夜露の滴が梢を濡らし、かすかな空気の揺らぎと共に何かがうごめく。

東の方にはほんのりと陸と空の境が現れ、小鳥たちの囀りが遠くに聴こえる。

その声が次第に大きくなると、虹の懸け橋の向こうに、輝かしく壮大な陽が昇る。

ラヴェル「ダフニスとクロエ」の「夜明け」はこのように始まる。

標題音楽とは、音によってこうしたさまざまな現象を描写したり、特定のストーリーを持つ音楽のことをいう。

つまり音による絵であり、寓話である。

作品にその内容を象徴するようなタイトルが付けられている場合も多い。

そのため音楽の内容は具体的・写実的で、分かりやすさとサービス精神が身上である。

しかしそれゆえか、音そのものを抽象的に組み立てていく「絶対音楽」に比べ、愛されてはいるが何となく軽く見られがち。

いささか損な存在である。

ベルリオーズの「幻想交響曲」、デュカスの交響詩「魔法使いの弟子」などが代表例。

いずれもデュトワ指揮モントリオール響で聴きたい。

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ロマンや妄想がブクブクと膨れあがって調性という秩序を食い破り、音楽の形が果てしなく《自由》になり始めた時、旗頭のシェーンベルク先生、自由もいいけどやっぱり何かルールがないと先行きどんづまりじゃねぇか、など新規事業家よろしく覇権戦略めぐらして新たな秩序を仕立て上げ、多くの継承者を得ることに成功した。

その音楽は、1オクターヴ内の12の音が重複しないで1回ずつ登場するよう並べられた音の列が、前後ひっくり返されたり上下逆さまにされたりしてつなぎ合わされて構成される。

後の音の長さや強さなどの要素にも適用され複雑に組み合わされるようになったが、それら単位となる音の列が持つ性質が遺伝子のDNAのように音楽全体の構造や性格を決定することから、総じて音列音楽と呼ばれる。

ウェーベルンの「交響曲」やメシアンの「音価と強度のモード」、ブーレーズの「ル・マルトー・サン・メートル」などに、個々の音が独立してキラリと色を発するこの手法独特の響きの感触が聴ける。

自ら作曲するだけあって、音列音楽の演奏に関しては、ブーレーズが独壇場ともいうべきうまさを発揮する。

「ウェーベルン作品全集」が廃盤なのは残念だが、自作の「ル・マルトー・サン・メートル」など、響きがクールに冴えて耳をそば立てさせる。

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神様仏様カラス様。

亡くなってすでに40年が過ぎる(1923-77)というのに、この歌姫の名前は、生き霊のごとく多くのオペラ・ファンに取り憑いている。

その強烈で威圧的なまでにコントロールされた歌声そのものの魅力もさることながら、どこかエキゾチックで神秘的な美貌やスラリとなまめく姿態、そして大富豪オナシスとのスキャンダラスな関係などなど、その存在のすべてにわたって衆目を集めずにおかぬ、いわば正真正銘のスターであった。

今、時間を経て《斜め》から聴けば、声はキレイなんだけどヒステリックなほどとんがっているし、完璧なまでの役作りも余りにはまりすぎていてどうかすると鼻についてくる。

しかし、カラスはそういう「歌い手」ではない。

もっといかがわしいほどに思いや感情を預け、下世話に向き合って初めて金縛りにあう。

そんな類の至芸をあやつる異能者芸能者なのである。

その魔力の妖しさは、どこかあの日本の大スターを思い出させる。

代表的録音は、オペラにあまたある。

が、ここではベスト盤「Maria Callas - La divina」を、その芸その毒気に耳を慣らすウォームアップ・メニューとして紹介しておく。

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classicalmusic at 16:27コメント(0)トラックバック(0)クラシック音楽用語解説カラス 

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バイエルやらチェルニーやら、練習曲といえば、楽器をうまく扱えるようになるためのトレーニング用に作られた曲のことで、おおむね一つの音の動きのパターンが執拗に繰り返される、いわば《無味乾燥》の代名詞。

おおよそ聴いて面白いものではない、筈であるが、腕に覚えのある作曲家たちには、いささか違ったふうに映った。

つまり、たった一つの演奏技術を使って作る、という《制約》があるということは、限られた条件の中からいかに豊かな響きや可能性を引き出せるかという、作曲の「腕試し」の場でもあるということ。

目を光らせつつ、密室で技の粋を凝らしたか、その作曲家の音のセンスを透析して結晶させたような、実に玄人受けのする作品が残されている。

ショパンの二つの曲集とドビュッシーの「12の練習曲」はその突出例。

ドビュッシーの仕掛けた響きのからくりを確かめつつ、その瞬間瞬間に、その場でひらめいた、といった風情で反応し、音を動かすアースの演奏が面白い。

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classicalmusic at 15:57コメント(0)トラックバック(0)クラシック音楽用語解説 

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まるで外国のオケのような名前だが、「サイトウ」とは、小澤征爾をはじめ多くの指揮者や弦楽器奏者を育てた名教師で、桐朋学園の創立者の一人でもある齋藤秀雄のこと。

齋藤自身は指揮者でもありチェリストでもあった。

その教えを受けた音楽家たちが集まり、師の業績を記念して、限られた期間だけ活動するオケがサイトウ・キネン・オケ。

何せそうそうたるソリスト集団、巧くて当たり前だが、この名前が「齋藤記念」ではなくカタカナであるところに、世界のコンサート・サーキットで一旗あげようという、願いとも自負ともつかないものが込められている。

そしてここまで育ててくれた齋藤秀雄は、メンバーにとって唯一無二にして絶対の存在であり、オケは濃厚な師弟愛の賜物なのだ。

「サイトウ・キネン・オーケストラ/グレイテスト・ヒッツ」というCDがある。

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classicalmusic at 12:28コメント(0)トラックバック(0)クラシック音楽用語解説小澤 征爾 

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アーゴ(argo)とは、イギリスやアメリカの、いわゆるポスト・ミニマルと呼ばれる作曲家たちの作品を積極的に紹介して、モダン・ミュージックを《快感》してしまおう、と仕掛ける、現代音楽専門レーベル。

作曲家ではマイケル・ナイマン、演奏家ではバラネスク・カルテットがレーベルを代表する存在であるが、「イエロー・ページズ」などのマイケル・トーキーのアルバムが、むしろそのコンセプトを端的に音に体現しているかもしれない。

ヴァイタルなビート感、カラフルなサウンド、そして決して考え込んでしまわない、普段着のようなどこか身近で気安い響きの意匠。

それら体育系よろしき直な分かりやすさが、聴き手の《モダン》に対する構えの横をすり抜ける。

しかも一方でケヴィン・ヴォランやアイスブレーカーといった《硬派》の作品もリリースして、したたかに《バランス》を保つことも忘れない。

「ダンス・ミックス」というコンピレーションは、まさにそんなレーベルの特質を象徴したようなCDである。

バラネスクQの「ストレンジャー・ザン・パラダイス」も、クロノスQのように「しかけてます然」とはせず、どこかスルッと楽しんでいる風情がいかにもアーゴらしい。

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2008年01月26日


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自分の腕を頼りに物を作る人のことを職人というのなら、作曲家や演奏家だって職人だ。

だからその行為のことをことさら「職人的」などと言うのも変な話だが、この言葉はおよそ三通りの使われ方をされている。

まずは「品質保証」的意味合い。

寸分の狂いもなく精密部品を組み合わせていくような技の確かさを示す。

もう一歩踏み込んで、品質は保たれているが、それ以上でもそれ以下でもないという、ある種の物足りなさを表現しているケースもある。

この場合、職人よりも芸術家の方が偉いという含みがあり、その仕事の質の高さは認めつつも、「アンタはそこまでの人よ」と暗に言っている。

また自ら「俺は職人的だから」と言う場合は、一見謙虚でいくらかスネているように見せて、その実、自分の技に対する強烈なプライドが潜んでいる。

ところで作品も演奏も「職人的」の極みというものがある。

それはドラティ指揮ロイヤル・コンセルトヘボウ管のバルトーク「管弦楽のための協奏曲」。

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トーン・クラスターとは、読んで字のごとく音のかたまり。

ピアノを肘で叩くように、ある音域内の隣あった音を、隙間なく積み重ねて鳴らすこと。

尖鋭で強烈な印象をもたらす音として前衛音楽で盛んに用いられた、1960~70年代を代表する響きのひとつ。

究極の不協和音、と言うよりは自然音や打楽器のように、複雑な響きのかたまりとして耳に働きかけてくる。

ペンデレツキとリゲティは、このクラスター技法を積極的に使った作曲家である。

「アトモスフェール」に代表される、デリケートに響きが敷き詰められたようなリゲティ独特のクラスターは、「Bernstein Century - Music of Our Time」で体感できる。

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オスティナートとは、例えば「ゴジラ」のテーマ音楽のように、同じリズムやメロディの形を持ったフレーズまたは音のパターンが延々と繰り返される作曲手法のこと。

あまり上品に洗練された作品に使われることはない。

もとより単調さは覚悟の上である。

土俗的とか野性的などと形容される音色とともに用いることにより、その強烈な響きによる繰り返しで頭をシビレさせ、下半身をグイグイと刺激して体を興奮状態に駆り立てて、どうかすると呪術的にすら高まって感覚をトランス状態に追い込むという他の手法にはないエグイ効果が得られる。

これほどさようにこの手法、近代の代表的な手法ではあっても、いわばキワモノ刺激物。

《食える》作曲家は限られる。

代表的な作品としてはオルフの「カルミナ・ブラーナ」、バルトークの「アレグロ・バルバロ」、ストラヴィンスキーの「詩篇交響曲」など。

日本では前記「ゴジラ」の伊福部昭や芥川也寸志が典型的な作品を残している。

オルフにはプレヴィン指揮ウィーン・フィルの不似合いなくらいに美しい演奏が、伊福部は広上淳一指揮日本フィルによる、初期の民俗的情動を湛えた作品集がある。

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トスカニーニは、20世紀を代表するイタリアの指揮者(1867-1957)。

「ドミソはドミソ」というタイプの典型で、音符にまとわりついたり、行間に潜んでいたりする諸々の《情》にサッパリ関心を示さない。

テンポは速めでほとんど揺らさず、棒も簡明率直。

その演奏は定規で引いた線のよう。

こうしたドライな客観性は、当時ロマンの海で溺れかかっていた音楽を地上に引き上げるのに大きな力を発揮すると同時に、機能・効率主義といった時代の流れと結びつき、20世紀後半の演奏の一大潮流となって多くの信奉者を生み出した。

また「トスカノーノー」と言われるほどそのリハーサルでの暴君ぶりは凄まじく、完全主義的性向とも相まって強烈なる罵詈雑言が飛びかったとか。

端正な枠組みの中にこうした癇の強いキャラクターが盛り込まれたその音楽には、額に青筋の立ったような独特のピリピリとした緊張感がある。

NBC響とのベートーヴェン「交響曲第5番」や、レスピーギ「ローマ三部作」の録音は、その格好の証左。

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2008年01月25日


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必ずしも《水準》に明確な線引きがあるわけではない。

とりあえず最後までスルリ聴き通すことはできて強い抵抗を感じさせることはないけれど、どこかイマイチ物足りない。

そうした不満足感が言葉の背後にしばしば顔を覗かせる。

これはむしろ、そんな含みを持つ感覚的な言葉である。

考えてみれば、いやしくもプロの音楽家に《水準》を云々するのだから、これほど失礼で偉そうな言葉はない。

にもかかわらず何やら当たり前のようにこうした評言がまかり通っている。

つまり作品の演奏には常に正解モデルがあり、その《上》にいかに個性が積み上げられるかで演奏の質が測られる。

実はそんなクラシック音楽における習俗を典型的に表わした言葉でもある。

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弦楽器や管楽器は、いわば旋律を奏でるためにできている楽器である。

だから、西洋伝統音楽最大の成果である、複雑な複数の旋律の動きの絡みも、豊かで微妙なハーモニーのアヤ錦も、本来一つの楽器では十全に実現することはできない。

ところが、バッハがヴァイオリンやチェロ一本だけで、音の《隙間》を情感で埋め、かすかに漂う感情の機微を音の動きで縫い合わせた、西洋音楽世界の精髄と言うほかない世界を創り上げてしまった。

というわけで、その「無伴奏ソナタとパルティータ」および「無伴奏チェロ組曲」が、古今比類のない孤高の名作として認知されるに及んで、「無伴奏」はクラシック音楽の《精神性》あるいは《奥深さ》の象徴となった。

近代に至って、バルトーク及びコダーイがこの世界に正面から体当たりし、ドビュッシーがからめ手から別の世界を作り上げようとした。

しかし、依然として「無伴奏」のまわりには何やら近寄りがたいオーラが取り巻いている。

有名な「シャコンヌ」を含むバッハの「無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ」は、クレーメルの演奏が極めてシャープ。

コダーイの「無伴奏チェロ・ソナタ」はシュタルケルの演奏が極めつきともいうべき説得力を持っている。

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ヘテロフォニーとは、複数の奏者がお互いに入りのタイミングをずらしたり、装飾音をつけたりフェイク(メロディを崩しての演奏)したりと、それぞれ違うやり方でもとの形を変えながら同じメロディラインをたどっていく合奏のやり方や曲の作り方のこと。

最もプリミティヴな民族音楽はこの形をしているし、素人が声を合わせて偶然そうなることもある。

しかし細部の違う《同じもの》が互いに反応しながらより合わさるように進んでいくその響きには、訓練された音楽家たちがやると他の種類の音楽では得られないようなスリルがあり、時には呪術的にさえ聴こえる。

アジアや中近東の楽器伴奏の歌は多くこの形で演奏される。

大規模なものでは、インドネシアのガムラン音楽も、極めて高度で精緻な一種のヘテロフォニーと言えるかもしれない。

即興的な性格が強いせいか、西洋クラシック音楽にはその例が少ないが、中世の歌曲の伴奏と歌の関係はこれに近い。

現代では西村朗が、この手法の《濃密な》部分にこだわって曲を書いている。

「エイヴィアン[鳥]」と題されたCDには、そうしたコンセプトのもとに書かれた作品が集められている。

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中心となる音と他の音との音程関係や、フレーズが終わるときの決まった音の動き方などの、グレゴリオ聖歌に見られる12の特徴的なパターンは「教会旋法」と呼ばれる。

聖歌自体を聴いてその各々のニュアンスの違いを聴き分けるのはほとんど暗号のように難しいが、ドビュッシーやストラヴィンスキーなど、響きに鋭敏な近現代の作曲家たちが、調性音楽煮詰まり状況の中、その長調や短調の音の動きと似て非なるところを拾い上げ、調性から少し離れて、和音のつなげ方やメロディ・ラインに巧みに取り入れた。

そのお陰で、このはるか昔の音の仕掛けが、新しい感覚をもたらすものとして耳に響くようになった。

ドリア、リディア、などの古代ギリシャに由来するその名前からして何やらファンタジックで、調性音楽のやたらすわりのいい落ち着き払った響きに馴れた耳には、その音はビッシリと密集した都会から思いがけず広いところへ出たように、涼やかでノーブルに響く。

少々地味だが、シベリウスの「交響曲第6番」は、冒頭のドリア旋法の響きが極めて印象深い佳品である。

ベルグルンド&ヘルシンキ・フィルの演奏が美しい。

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フルトヴェングラーは、ラトルやアバドやカラヤンの前に、ベルリン・フィルの音楽監督を務めたドイツの指揮者(1886-1954)で、20世紀を代表する大物の一人とされている。

「振ると面食らう」と陰口をたたかれたように、その指揮ぶりは独特というよりも一種の暗号のようでわかりづらかったらしい。

主にベートーヴェン、ブラームス、ワーグナーといったドイツ音楽の本流で勝負していたが、その演奏はとにかく《情》のカタマリ。

行間の深読みにかけては、今なお他の追随を許さない。

燃えれば走り、落ち込めば限りなく失速する、このめくるめくテンポの変化と極端な音量の対比はドラマティックこの上なく、作品の構造よりも、ドロドロした人間の感情の方が生々しく抉り出される。

今でも繰り返し発売されるCDは熱烈な愛好者を生み続け、その存在はあたかも「教祖」のごとし。

彼がステージに出てくる足音まで録音したCDがあるほど。

バイロイト祝祭管を振ったベートーヴェンの「第9」が、代表的な演奏。

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classicalmusic at 13:59コメント(2)トラックバック(0)クラシック音楽用語解説フルトヴェングラー 

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アンコールとは、周知のとおり、コンサートのプログラムすべてが終了してから盛大な拍手とともにオマケあるいはデザートを演奏者におねだりすること。または、それに応えた演奏そのものを指す。

語の意味は「もう一度」。

しかしホントは、アンコールする、しない、はあらかじめ演奏者が決めており、拍手の多さとはさほど関係がない。

メジャーな演奏家によるコンサートなら、嵐のような拍手を振り切って「アンコールなんかしないもんね」という快挙もできようが、そうでない場合には、拍手が消えそうになると慌ててステージに出て「拍手が終わらないうちにアンコールしなきゃ」という笑えないハメに陥る。

すべてのストレスから解放された後の演奏であるためか、アンコールの演奏が一番よかった、などという例も少なくない。

「ホロヴィッツ・アンコール」という胸のすくような録音がある。

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ウィーンのムジークフェライン、ベルリンのフィルハーモニー、ニューヨークのカーネギーなど、世界の名だたるホールは音楽ファンの憧れの的である。

歴史と伝統に育まれ、幾多の大作曲家や名演奏家が活躍したホールで音楽を聴きたいという気持ち、これは全く素直なものだろう。

しかしそこは演奏会場であると同時に社交場でもあり、音楽を聴くことの他にも、そうしたホールに足を運ぶこと自体がステイタスを誇示し、ある種の感情を満足させるという点も見え隠れする。

これは演奏家にとっても同様で、こうしたホールに登場すれば、それだけで超一流という評価に結びつきやすい。

かくしてさまざまな分野のエクゼクティヴが、それぞれの思惑を秘めてホールにひしめくことになる。

そしていつの間にか、ホールに《格》のようなものが生まれていく。

それだけに、1995年に決行されたというカーネギーでのカラオケ大会は《画期的》である。

映像を見られないのは残念だが、バーンスタイン、ロストロポーヴィチ、スターン、ホロヴィッツ、F=ディースカウ、メニューインらが出演した、「カーネギー・ホール85周年記念演奏会」というCDもある。

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classicalmusic at 13:30コメント(0)トラックバック(0)クラシック音楽用語解説 

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この美しい言葉、作品名として使われた場合はシューベルトの最晩年の作品による歌曲集を指すが、一般には作曲家の最後の作品。

つまり《絶筆》を表すものとして使われる。

これは「白鳥は死の直前の一度だけ鳴く」という伝説にちなむもの。

どころがこの言葉、単に物理的な最後の作品を指しながらも、「あの白鳥ですら、自らの死期を悟れば、一世一代の美しい声で哀切の限りを尽くした歌を歌うんだから、ましてや作曲家とあろう者、その最後の作品はさぞや気高くも美しく、その創作を締めくくるにふさわしい偉大な傑作であろう」というような死への感傷と一方的な思いこみが潜んでいる。

しかし、すべての絶筆がそうとは限らないし、未完の作品も多い。

絶筆の例としては、バッハ「フーガの技法」、モーツァルト「レクイエム」、ブルックナー「交響曲第9番」など。

シューベルトはフィッシャー=ディースカウとムーアの演奏、ブルックナーはヴァント指揮北ドイツ放送交響楽団の演奏がいい。

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ある音の出し方、節のまわし方をすることによって、哀しみだの憧れだの深い精神性だのといった特定の気分がもたらされることがある。

そんな音の動きや表情を、芝居における仕草になぞらえて《身振り》と表現する。

この身振りは本来以心伝心と感じて楽しむものなのだろうが、国も違い時代も違えばなかなかそうもいかない。

勢い演奏者と聴き手の間に何らかの「約束ごと」が必要となってくる。

それを聴き取る能力は、しばしば、より深い感動を得るために身につけるべき知識教養として理解されている。

バッハの音楽におけるリヒターの指揮やチェンバロの演奏に、クラシック音楽の根っこにある《感動》の身振りを極めて典型的に聴きとることができる。

「マタイ受難曲」は、いささか芝居っ気が強すぎると思わせるほどに身振りが突出している。

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classicalmusic at 00:40コメント(0)トラックバック(0)クラシック音楽用語解説リヒター 

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アゴーギグとは、速度を速くしたり(アッチェレランド)遅くしたり(ラテンダンド)微妙に揺らしたり(テンポ・ルバート)して、音の表情に変化を与え、音楽に生き生きとした動きをもたらす技術のこと。

その昔、ロマンティックでおおらかな時代には、テンポを気分にまかせて大きく変化させることは当たり前で、それが演奏のスケールの尺度にもなったようだが、現代では、あまりに度が過ぎたものはアゴーギグとは呼ばれない。

むしろ、一定の速度感を保った中で、もっと精巧緻密に行われるウンチクの技を指す。

セルという指揮者は、精密機械のように見えて実は細部で巧妙にアゴーギグを駆使した演奏家であった。

モーツァルトの交響曲第41番「ジュピター」など、まさに精巧緻密なウンチクの精華である。

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2008年01月24日


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歌をうたうときに、音の高さが合わないとキーを変えたりすることがある。

このように音をいわば平行移動して演奏することができるのは、音楽作品に使われる12の音がすべて同じ音程で並んでいて、しかも1オクターヴ単位で循環しているからである。

このように隣り合う音が均等な音程になるような音の高さの決め方を平均律という。

このお陰で自在な転調が可能になり、調性音楽は発達した。

しかしこれはいわば実用的な目的のために人工的に標準化されたもの。

弦の長さの比で得られる物理的なピッチとは微妙にズレているために、響きの面からみれば濁りを含んでいわば《純粋さ》を犠牲にしている。

平均律によらない響きの豊かさ面白さは、例えば高橋悠治演奏の「ケージ:プリペアド・ピアノのためのソナタとインターリュード」に聴ける。


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ヴァイオリン2本にヴィオラにチェロという、音色的にはこの上なく地味な組み合わせだが、響きのバランスがよくスムーズに溶け合うため、その楽しみは長く「年取ったらやっぱり演歌だよ」的しみじみ味わいシブ知路線にあった。

しかし、クロノスやバラネスク・カルテットが登場してその様相が一変した。

長期安定状態にあったということはそれだけ楽しみの可能性が手つかずの状態にあったということ。

だから彼らの登場は、その旺盛な何でもやってみよう精神や他ジャンルとの積極的な交流といった実験的な姿勢そのものよりも、それが弦楽四重奏という枠組みを使っても違和感がないということの方に驚きと斬新さがあった。

最近ではシンセサイザーの自動演奏のように音の質が瞬時にスイッチするデジタルシャープな感触を弦楽四重奏でやってのけるハーゲン・カルテットのような超絶アンサンブルも登場。

しばらくは何が起こるか目の離せないジャンルである。

クロノスQの「冬は厳しく~弦楽四重奏の諸相Ⅱ」、ハーゲンの「ショスタコーヴィチ:弦楽四重奏曲」に、その典型的な音が聴ける。

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長い名前はしばしば省略されて愛称のように呼ばれる。

それは、書いたり話したりするときにいちいち大変だという現実的事情に由来するものだろうが、ある種の熱狂的ファンを持つカリスマ的演奏家の場合、しばしば何かの秘密結社の合い言葉、あるいは信仰のあかしのような色合いを帯びて使われる。

以下はその代表的なもの。不思議なことに指揮者以外ではほとんどない。

[フルヴェン]フルトヴェングラー

[クナ]クナッパーツブッシュ

[チェリ]チェリビダッケ(いずれもドイツの指揮者)

[フルワルメンクナ]指揮者を語る文章に最近見かけた極めつけ。フルトヴェングラー、ワルター、メンゲルベルク、クナッパーツブッシュをつなげて省略したもの。4人とも知よりは情の濃厚さで勝負する《偏愛》の象徴的存在である。

これほど偏愛の匂いはないが、長い名前を何らかの思い入れを込めて縮めて呼ぶ例もいくつかある。

[ロストロ]ロストロポーヴィチ(vc)

[ヤマカズ]山田一雄(指揮者)

[コバケン]小林研一郎

[ショスタコ]ショスタコーヴィチ(作曲家)

[プロコ]プロコフィエフ(作曲家)

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「第9」と言えばベートーヴェン。

相変わらず年末になると、この曲が全国各地で演奏される。

どうもこれは日本だけの現象らしいが、その理由は定かではない。

聴く人、あるいは合唱に参加する人にとって、ある種の達成感やみそぎ効果があるとか、切符がよく売れるので、オーケストラのボーナス資金になるとか、たぶん全部正しい。

しかし、ふだん何気なく聴いている「第9」も使われる楽譜に変化が生じてきた。

世の中が清潔指向・原典指向を強めるにつれ、以前のように他人が勝手にスコアをいじったりすることもほとんど見られなくなった。

だから、ベートーヴェンが書いた突拍子もないテンポの指定や、穴だらけの金管パート、ギクシャクと音が上下して演奏しにくい弦楽器パートも、書いてあるまま演奏することになる。

しかしこのやり方、余分な響きを落とすだけでなく、長い間に取り憑いた背後霊をも剥ぎ取って、実は痛快にして新鮮なのである。

であれば、ガーディナー指揮オルケストル・レヴォリュショネル・エ・ロマンティクの演奏が筆頭だろう。

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キリスト教では、キリスト受難の期間に当たる春の数十日間はいわば物忌み。

オペラのような享楽的な楽しみは慎まれる。

しかし、そうはいってもパッと華やかで劇的な音楽を聴きたい欲求は抑えがたい。

ならば、宗教的なお話で芝居っ気ぬきならバチは当たるまい、というわけで、物忌みの期間のオペラに代わる音楽劇として発展したのがオラトリオ

だから、筋はほとんど聖書にまつわるお話で、演技やら舞台の道具立てなど一切ないが、もとより《快楽》。

語り手を置いたり合唱をフルに活用したい音の動きで感情の動きを象徴したりと、あの手この手を使って聴き手の想像力を刺激する。

話は神妙なのに変にドラマティック、という独特のスタイルを持つ音楽である。

「ハレルヤ」のおかげでヘンデルの「メサイア」がやたら有名だが、宗教曲のわりにはいろいろ自由なことができるため、オネゲルやストラヴィンスキーなどモダンな作曲家たちにも気合いの入った傑作がある。

ヘンデルの「メサイア」はガーディナーの演奏が新鮮。

ストラヴィンスキーの「エディプス王」には白石加代子が語りを演じた、小澤/サイトウ・キネン・オケによる優れた演奏がある。

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演奏効果をねらうとは、ウケ狙いが見え見えの演奏の仕方や、曲の書き方を評して使われる言葉。

しばしば「空疎な」とか「深みがない」とかいった形容を組み合わせて否定的な意味に使われる。

しかしそもそも《ウケ》は芸能の最も重要な原動力。

聴衆の関心をつなぎ止め、秘技名技しのぎ削って耳を楽しませようとするのは、いわば音楽家の自然な欲求である。

だから、音楽家のセンスがズレてさえいなければ、《ウケ》からは最もヴィヴィッドなその時代の音が聴こえてくるはずである。

それに対して、何もそこまでやらなくても、とか、それだけかよ、といったいささかの《理性》を示したこの言葉には、本来刹那的でありながら、「それ以上のもの」に価値と感動を求めるというクラシック特有の欲求が、極めて端的に現れている。

チェルカスキーというピアニストは、例えば作品がベルクだろうがストラヴィンスキーだろうがメシアンだろうが、委細お構いなしに大見得切ってピアノを響かせようとする、いわば「演奏効果いのち」とでもいうべきアナーキーな演奏家であった。

チェルカスキーがHMVに録音した総集編など《理性》を超えて面白い。

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非常にアカデミックなハーモニーの教科書には、すべての音は「ド(ミソ)」に帰りたがる性質を持っている、などと書かれていることがある。

調性とは、そういう風に人間の耳が感じるように実に細心に作り上げられた、長調・短調と呼ばれるメロディの動きや和音の並べ方の仕組みのことである。

西洋クラシック音楽は、その仕組みから実に多様な、気持ちよく腑に落ちて美しく聴こえる響きを引き出し、磨き上げて、古今おそらく最も多くのシンパを獲得した。

また、その仕組み自体が非常にニュートラルで、修得するのに哲学的・神秘的な《奥義》の束縛がないため、ジャズやロックなどにも応用され、クラシックとはまったく別種の美感を引き出している。

ジャズのアレンジャーでありピアニストである、キース・ジャレットは、「ケルン・コンサート for ギター 」で、クラシックの素材を用いながら、まったく別種の響きの感触と耳への収まり方をもたらしている。

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ニ管編成とは、19世紀に定着したオケの標準的なサイズを表す言葉。

各2本の木管楽器(フルート、オーボエ、クラリネット、ファゴット)を備えているのでこう呼ばれる。

こうした初期の形態は、より華麗に、より劇的にというオケの高度成長期を迎え、楽器機能の発達とも絡んで、木管楽器が3本ずつの三管編成、4本ずつの四管編成を生む。

もちろん他の弦や金管楽器もそれに応じて増強される。

ただしこれらはごく基本的なスタイルで、演奏する作品により自由に楽器の追加や削除が行われる。

現在では四管編成が一般的で、大編成になればなるほど、ドカンと盛大に鳴らしたいのはヤマヤマ。

しかし本当の楽しみは、さまざまな楽器の組み合わせによる多彩にして微妙な色調の配合にある。

ニ管のモーツァルト「交響曲第35番 ハフナー」と四管のベルク「管弦楽のための3つの小品」を聴き比べてみるとその差歴然である。

モーツァルトにはセル指揮フランス国立放送管の、スッキリと響きの整理された演奏がある。

ベルクはカラヤン指揮ベルリン・フィルの演奏がダントツ。

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略してコンマス。

オーケストラの第1ヴァイオリンの首席奏者を指し、指揮者の音楽的発言を的確迅速にオーケストラ全体に伝え、逆にオーケストラの総意を指揮者に伝える重責がある。

いわば指揮者とオーケストラを仲介する司令官にしてオーケストラの《顔》。

加えて楽曲中のソロ(R=コルサコフ「シェエラザード」、ブラームス「交響曲第1番」、ドヴォルザーク「交響曲第8番」、R・シュトラウス「英雄の生涯」など)、アンサンブル・リーダーとしての指導監督、ステージ・マナーの掌握、トラブルの解決などなど、その仕事内容は極めて煩雑多彩にして負担が大きい。

その多くは男性だが、最近では女性の姿も見られ、この場合はコンサート・ミストレスと称する。

また複数のコンマスを在籍させるのが普通である。

なおコンサートでは指揮者が主導権を握っているように見えても、実際にはコンマスが仕切っている場合がないとはいえず、指揮者にとっては頼もしくも恐い存在である。

「シェエラザード」をシュヴァルベの妖艶なソロをカラヤン指揮ベルリン・フィルの演奏で聴いてみたい。

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