2009年01月

2009年01月31日


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30代のほぼ10年間をモンテ・カルロのロシア・バレエ団の指揮者として過ごすなど、自他ともに認めるバレエのスペシャリストであったドラティがその円熟期に残したこの演奏は、細部まで的確に構成された明快でシンフォニックな表現とバレエとしてのドラマをバランス良く合わせそなえている。

入り組んだリズム処理に、抜群の手腕を発揮するドラティならではの、あざやかな指揮ぶりに驚嘆させられる全曲盤である。

ドラティはいかにもヴェテランらしい、貫禄十分の名演を展開している。

この曲の交響的な性格をあますところなく生かしながら、構成的な美しさを尊んだ演奏だ。

ドラティの指揮は設計が綿密で、しかも演出と表情づけが実にうまく、「ワルツ」「バラのアダージョ」「パノラマ」などを聴くと、あの夢幻的な舞台の雰囲気が手にとるようによくわかる。

こうした表現は実際の舞台の経験が豊富なこの人ならではのもの。

豊麗なオーケストラの音色も、このグランド・バレエにふさわしく、メロディー・メーカー、チャイコフスキーの旋律美を存分に堪能することができる。

全曲を通じて、各場面の変化に富んだ描き方も秀逸で、まさに"バレエの神様"ドラティの面目躍如たる会心の演奏。

ドラティという指揮者の並々ならぬ底力のほどを、あらためて思い知らされるような演奏といえよう。

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classicalmusic at 12:49コメント(0)トラックバック(0)チャイコフスキードラティ 

2009年01月30日


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「スラヴ舞曲」全曲は、ノイマンとチェコ・フィルにとって日常的なレパートリーだけに、さすがに手慣れた演奏を聴かせる。

彼らが舞曲として肌で感じとっているものが、音楽の姿をかりて多様に表出されている。

この演奏は、どの曲も表情が生き生きとしており、緩急起伏のつけ方や、旋律の歌わせ方が実に自然である。

指揮者とオーケストラとが一体となって自国の大先輩の作品を、楽しみながら演奏している様子がありありと浮かんでくる。

チェコ人ならではのきわめて民族色の強いもので、熱っぽく激しい曲ではいかにも民族の血の躍動や、呼吸を感じさせるし、また第2番や第10番のような曲では、ボヘミア的な気分のあふれたメロディーの歌わせ方が素晴らしい。

オーケストラは、実によい音で鳴っており、録音も優秀だ。

ただ、ノイマンはここで独自の版選定を行い、細部のオーケストレーションについてはオリジナル通りではない。

彼がいわゆるヴィルトゥオーゾ時代の指揮者の流れを汲んでいるためだろう。

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classicalmusic at 20:27コメント(0)トラックバック(0)ドヴォルザークノイマン 

2009年01月29日


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リヒターのディスクを聴くだけでは、その圧倒的な演奏に感嘆するだけで気が付かなかったことだが、広く参加者を募っての合唱団を自ら組織して、それをつねに一定の極めて高い芸術性と歌の技巧をもった団体として保つことには、大変な労力と精神力が必要だっただろう。

またいくつものプロフェッショナルなオーケストラから選抜した腕の立つ音楽家たちを一つにまとめて、「リヒターの個性」をはっきりと刻印した演奏とすることも同じである。

今にして思えば、リヒターはそれをほとんど何のバックもなしに、たった一人で実現していたのである。

音楽的にも彼は「ライプツィヒのバッハの伝統」に育まれはしたが、それに安住することなく、彼の時代の最も先鋭的で根源的なバッハ演奏、解釈を選び取っていた。

リヒターの衣鉢をつぐバッハ解釈者が存在しないのも、彼が自らの身を削ってまでバッハにこだわりつづけたからだろう。

今日バッハ演奏は、オリジナル楽器の歴史的な演奏慣習の知識なしには問題にもならなくなった。

リヒターはこの時代には属していない。

だが、リヒター以上に現代楽器の多様な表現力をバッハ音楽の本質と結んだ音楽家は、彼の死後にも出てきていない。

折に触れてリヒターの演奏を聴いて、そのバッハの音楽への敬愛の心の洗礼を受けたいものである。

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classicalmusic at 07:19コメント(10)トラックバック(0)リヒターバッハ 

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トスカニーニは、若い頃からフランス音楽にも興味を持ち、特にドビュッシーの作品を最も高く評価していた。

だから、たとえば「ペレアスとメリザンド」をパリ初演の6年後(1907年)に、人々の反対を押し切って、ミラノ・スカラ座でイタリア初演を行ない、成功を収めるなど、ドビュッシー作品の演奏回数は多かった。

トスカニーニは「ドビュッシーの音楽は、雰囲気や情緒だけをとらえて表現しようとしたら、その本質的な美しさは絶対に引き出すことはできない。音の純粋で、綿密な構成を追求していくことによって初めて表現し得るもので、雰囲気や情緒はその結果として自然に出てくるものだ」と言っている。

交響詩「海」は、特に演奏回数の多い、トスカニーニの重要なレパートリーになっていた作品で、彼のドビュッシーに対する主張が最も端的、かつ如実に示された演奏であり、この曲の特色をこれほど明快に表現した演奏も少ないように思われる。

トスカニーニとドビュッシーは、ちょっと考えるとあまり結びつかないように思われるかもしれないが、ドビュッシーの音楽は音の綿密な構成を追求していくことによってその音楽の真の美しさを表現できる。

それがトスカニーニの演奏の特質に適合している。

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classicalmusic at 03:44コメント(0)トラックバック(0)ドビュッシートスカニーニ 

2009年01月28日


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衝撃的なモーツァルト演奏。

一般的なジュスマイアー版を使用せず、バイヤー版を用いたのが特徴で、モーツァルト時代の古楽器を使いながら、ワルターとは対照的な、すこぶるドラマティックで個性的な音楽をつくりあげている。

アーノンクールの演奏のインパクトは強烈で、激しい劇的緊張とコントラストの強い造型を全曲にわたって維持し、聴き手を引っぱってゆく。

それでいて外から味付けされた厚化粧的表現ではまったくない。

ことに金管楽器やティンパニの扱い方が独特で、冒頭から、そのすさまじさに驚かされる。

既に第1曲の「入祭文」から強烈で、ジュスマイアー版にはない金管に続くティンパニの強打は死者の眠りをさまさんばかりの異常な緊張力を漂わせる。

オリジナル楽器を使用しながらアーノンクールのつくり出す音楽は大変尖鋭なもので、この「レクイエム」も、ワルターのやさしさに充ちたものとは全く対照的な、現代の「レクイエム」として投げかける問題は大きい。

独唱、合唱とも力強い歌唱で立派だ。

アーノンクールの独特の解釈は、曲によって強い説得力をもつ場合と、戸惑いを感じさせる場合がある。

この「レクイエム」の演奏は、もちろん前者であり、こうしたユニークな表現も面白い。

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classicalmusic at 22:22コメント(2)トラックバック(0)モーツァルトアーノンクール 

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第140番「目覚めよと呼ぶ声あり」は、バッハのカンタータの中でもポピュラー・ナンバーのひとつであり、典型的なコラール・カンタータで、喜ばしい気分にあふれた曲である。

第4曲のコラール「シオンは物見らが歌うのを聴く」は、単独のオルガン・コラールともなっている。

マティス、シュライアー、フィッシャー=ディースカウという最高の独唱者を迎えてのリヒターの「目覚めよと呼ぶ声あり」は名演中の名演としてことに有名。

これに「マニフィカト」を加えたのだから、これはバッハの声楽曲入門の1枚として安心しておすすめできる。

リヒターの演奏は、彼のバッハに対する畏敬の念と思慕の深さを感ぜずにはいられない。

表現にも崩れはなくさすがだ。

ドイツ国内における現代楽器のバッハ演奏の中で、リヒターを超える演奏はついに現れなかったといってよい。

リリングはリヒターと対照的な立場にたったバッハ解釈者であり、リヒターにないイタリア風流麗さをもたらしたが、リヒターの峻厳そのもののバッハを冒すことはなかった。

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classicalmusic at 00:08コメント(2)トラックバック(0)バッハリヒター 

2009年01月27日


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新盤はウィーンのムジーク・フェラインザールでのライヴ録音で、きわめて劇的な熱演だ。

いかにもユダヤ人のバーンスタインらしく、テンポを遅めにとり、じっくりとうたわせながら豪快に表現していて、その大胆な演出力には圧倒されてしまう。

堂々とした巨匠的風格を、実に彫りの深い表現のなかに示している。

間もたっぷりととられており、表情が濃密だ。

第1楽章の冒頭から牧歌的な明るさと清澄な感覚美、第2楽章の悠然とした歩み、第3楽章の各部の対照の鮮烈さ、そして、終楽章における孤独に連なる哀愁感。

これはバーンスタインの演奏のなかでも、最も創造的な名演といえる。

ことに北欧の重く暗い気分を情緒纏綿と表出した、第2楽章は絶妙だ。また終楽章の雄渾な盛り上げ方も見事で、あたかもストーリーのある、一大交響詩でも聴くかのような気がする。

メンゲルベルクの再来を思わせるような、スーパー・ロマンティシズムを感じる。

旧盤ではバーンスタインが、まさに自己の感じたシベリウスを率直に表現したといえる。

やや陰影に乏しいものの、終楽章は骨組が太くてたくましく、どの部分をとっても明快な表現で個性的な音楽になっている。

「フィンランディア」はニューヨーク・フィルの響きの特徴がよく示され、大柄で力に満ちた音楽を聴かせる。

「トゥオネラの白鳥」も音そのものの明確な効果が印象に残る。

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classicalmusic at 18:19コメント(0)トラックバック(0)シベリウスバーンスタイン 

2009年01月26日


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ドビュッシーにとって最初の本格的な管弦楽作品である「夜想曲」は、水彩画風の独特の響きの魅力を持っている。

この曲の演奏では、生々しい表現は一貫して慎まなければならず、そして、いわゆるドビュッシー的な〈曖昧さ〉を保ちながら、射し込む光のような鮮やかさを全体の中に溶かし込まなくてはならない。

それを実現するのは極めて困難なことだが、バルビローリが発足間もないパリ管と残した録音は、そのなかで、最も納得いく演奏だ。

「雲」では、この指揮者が弦楽合奏に見せるカンタービレの美しさという特質が所を得て、鮮やかで雄弁な表情が穏やかに暗示される。

「祭り」も、決して派手すぎず賑やかすぎず、遅めのテンポで落ち着いた雰囲気を確保して進む。

中間部の行進のところでは一音一音ゆっくりと聴かせて距離感を表現し、あくまでも目前に迫るものではなく遠い風景として、大きすぎる音が出ないように注意深く奏して「シレーヌ」へと繋いでいる。

個性的だが、作曲者のイメージしたものは、このようなものだったろうと思わせる説得力のある演奏だ。

交響詩「海」では、弦楽器群を前面に出して、スコアに書き込まれた旋律をよく歌わせた演奏。

異常に遅いテンポだが、それを支えるパリ管の音は、あくまでも甘くソフト。

色彩感に乏しい棒さばきが少々退屈なので、最初に聴く演奏ではないが、この曲の旋律に馴染んでから聴くと新たな発見がある。

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classicalmusic at 21:34コメント(0)トラックバック(0)ドビュッシーバルビローリ 

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1969年5月9日、リヒターとミュンヘン・バッハ管弦楽団の来日公演のときのライヴ録音である。

あふれるようにみずみずしい演奏である。

リヒターには1961年のスタジオ録音もあり、それはきわめて峻厳な名演奏だった。

これはそのスタジオ録音ほどの芯の強さはあまり感じられないが、全篇にわたって、表情がゆたかであたたかな、人間愛にみちた音楽がつくられている。

このライヴにおけるリヒターの演奏は旧盤に聴かれる、魂を引き裂くような痛切な叫びはない。

構えのとれた、自在なバッハで、まるでリヒターの新しい面を発見したかのように感じられる。

演奏自体の密度の高さは旧盤に求められるだろうが、東京での緊張のひとときとしての、異常なまでの空間がひしひしと伝わってくる名演である。

その日本公演でまったく精力的にリハーサルと多くの本番をこなしたリヒターは、疑いなくこの時期が生涯の頂点だったといえる。

リヒターの張り詰めて峻厳な音楽作り、彼を信奉する合唱団員たち、与えられた機会に最上の歌唱や演奏で応えようと全力を尽くす独唱者たち、オーケストラの尋常ではない協調ぶりは強く心に残る。

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classicalmusic at 07:16コメント(0)トラックバック(0)リヒターバッハ 

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ブダペスト四重奏団による実に3回目の全集録音。

ブダペスト四重奏団は活動当時とかく"新即物主義の旗手"のように言われたが、いま聴くとつねに情感の張りつめた、むしろロマンティックな感動を伝える演奏を行なっている。

まろやかでバランスの良いアンサンブルの妙がまさに限りないブダペスト四重奏団の演奏は、これ以上ないほどにコクがあり、味わいの深さに於いて他者の追随を許すことのない熱演となっている。

ブダペスト四重奏団の演奏には寸分の隙もない。

アンサンブルが緊密で、細部にいたるまで神経がよく行き届いた演奏だ。

細かな表情にまで気を配り、しっかりとした構築美の中に燃えるような熱気をおいたり、のびのびとした抒情を盛り込んだりしているため、どの曲も聴き応えのあるものになっている。

構成もがっしりとしていて格調の高い演奏である。

特に、有名な第4番第1楽章のアレグロや第3楽章アダージョ・マ・ノン・トロッポなどの演奏は、この曲のもつ悲劇的な性格を見事に表出している。

これだけの全集でありながら、どの曲にも演奏にムラがないというのもさすがだ。

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classicalmusic at 00:01コメント(0)トラックバック(0)モーツァルトブダペストSQ 

2009年01月25日


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アルバン・ベルク四重奏団が、その創設以来20世紀の音楽に大きな関心と注意を払ってきたことは、どなたにもご存じだろう。

今や現代作品のみをレパートリーとする弦楽四重奏団もあるご時勢だが、古典から同時代のものまでを等しく高い水準でこなせる団体となると、やはり彼らをおいて他にはない。

そうした彼らの現代音楽に対する実力の程が遺憾なく発揮されたのが、20世紀最高の弦楽四重奏曲集であるバルトークの全集である。

彼らが満を持して取り組んだこの全集は同曲盤のなかでも傑出したものといってもさしつかえないだろう。

まずその第一の特色は、一音符たりとも疎かにしない精密な合奏力と、眼光紙背を貫くばかりに研ぎ澄まされた全く隙のない解釈である。

そこにはバルトークが作曲時に置かれていた極限状況をまのあたりにさせるような、厳しくも鮮烈な表現が満ち満ちている。

しかしそれと並んで忘れてはならないのは、やはり彼らが持つ音色である。

核心に切り込んでくる厳しいスタイルは、とかくすさんだ響きを生み出しがちだが、かれらの響きはアタックの強い、鋭い切れ味を持ちながら、決してしなやかさを失わず、どこまでも透明感と温かさを兼ね備えている。

それがこの演奏に人間的な温もりを与えている最大の要因だろう。

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classicalmusic at 00:28コメント(0)トラックバック(0)バルトークアルバン・ベルクSQ 

2009年01月24日


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第2巻はドイツ・レコード賞を受けた名盤である。

1972、73年の録音で1音1音を確かめ、その対位法の線の重なり具合を確認しながら弾いている慎重さと誠心が聴きものである。

グルダの演奏は、そのピアニスティックな発想がとても面白い個性的な名演になっている。

グルダのピアノという楽器の特色を存分に生かした演奏は、明快なタッチで生き生きとした表現が大きな魅力を放っており、表情豊かな表現も非常に魅力的で、フレッシュな躍動感もが印象深いものになっている。

グルダはしなやかな感性で、作品に秘められている表現の可能性をはっきりとつかみとり、それを響きで具現する能力をフルに発揮した演奏である。

彼はタッチと奏法によって巧みに音色と表情を変え、豊かな装飾音でアーティキュレーションを明確にすると同時に陰影を施し、1曲1曲を個性的にリアリゼーションしている。

「平均律」の世界の豊かさに、あらためて耳を開かされる思いのする演奏だ。

グルダ自身はこの演奏を「もはや聴かれたくない」ものと言っていたが、そんなことはない。

強靭な打弦と(グールドを思わせるような)微妙にコツコツと刻むタッチまで、グランド・ピアノの尊大さや音と響きの濁りを排除して、曲の成り立ちと魅力を明快に弾き表わした直截なバッハ演奏の魅力である。   

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classicalmusic at 13:57コメント(0)トラックバック(0)バッハグルダ 

2009年01月23日


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ヴァルヒャは、生涯に2回、バッハの「オルガン作品全集」を録音しているが、その2度目の録音から選曲されたものである。

盲人特有の鋭敏で繊細な感覚をもった、精巧な彫刻を見るかのような演奏で、作品全体を支配する崇高で宗教的な雰囲気を大切にしている。

バッハの作品の演奏に生涯をかけたヴァルヒャの演奏は、演奏様式において流れの速い今日でもなお重みを持つ。

ヴァルヒャは伝統的な風土の中でこの作曲家の作品に、精神的にきわめて肉迫し、バッハの音楽をいわば内面から響かそうとする。

この演奏はその表現のスケールの大きさとともに、今日でも忘れられるべきではない大切な位置を占めている。

ヴァルヒャは伝統の忠実な継承者であり、演奏はそこから出ることはないが、誠実で真摯な姿勢は立派で聴き手の共感を誘う。

自身の音楽的資質に根ざし、全身全霊を傾けてバッハに迫っていくヴァルヒャの姿を、このディスクは伝えてくれる。

「トッカータとフーガ ニ短調」や「幻想曲とフーガ」などを収めた選曲も良く、楽しめるアルバムになっている。

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classicalmusic at 18:38コメント(0)トラックバック(0)バッハヴァルヒャ 

2009年01月22日


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ヴァルヒャのバッハは、オルガン作品と同様の生真面目な表現で一貫しており、聴けば聴くほど味の出る魅力がある演奏と言えよう。

バッハ音楽の正統的な演奏で、精神的に深い音楽をつくりあげている。

実にしっかりとした構成感を持った演奏で、造型の強さがあり、その深々とした呼吸はヴァルヒャならではのものだ。

バッハの作品の立体的な構造が、明確なアーティキュレーションとアンマー・チェンバロの豊かな響きによって、あざやかに浮かび上がってくる。

もちろんヴァルヒャのバッハの音楽に対する共感もダイレクトに伝わってくる。

ヴァルヒャは安定したテンポの上に、高ぶることなく淡々とバッハの世界を築きあげてみせる。

そのなかに、ある種の威厳が感じられるが、それが大家の風格というものだろう。

バッハの楽想はヴァルヒャによって、多彩な生命を吹き込まれ、開花する。

見事なリズム、精巧な音の綾、とうとうと流れる動力的なテンポなど、音楽的純粋さは何もいうことがない。

20世紀の古典的バッハ解釈をゆるぎなく示す名演であり、あらためてヴァルヒャの偉大さを実感させる。

今日の常識では全く問題がない訳ではないが、バッハ演奏の1つの典型として記録に値する。

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classicalmusic at 18:23コメント(0)トラックバック(0)バッハヴァルヒャ 

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この《ゴルトベルク変奏曲》は、さまざまなピアニストたちによる才気溢れる名演が軒を連ねており、それらを聴き比べながら味わうことは、私たちがこの作品を鑑賞する際の大きな楽しみといってよいだろう。

しかし、強い個性やユニークな創意を特色とした名演とは反対に、自然で癖のない名演をどうしても求めたくなることがあるのも、私たちの当然の欲求であろう。

このヴァルヒャ盤は、そうした時に私に最高の喜びを与えてくれる演奏である。

ヴァルヒャの多くのバッハ録音の中でも、「ゴルトベルク変奏曲」は注目すべき1枚だろう。

例によって生真面目な、そして実に綿密な演奏を聴かせる。

ヴァルヒャの演奏には意外性がないので、少し慣れるとどのように弾き進んでゆくかが予想できるのだが、それにもかかわらずこの長大な曲を、少しも飽きさせずに聴かせるところにヴァルヒャの優れた力があるのだ。

ヴァルヒャは、作品をじっくりとかみしめながら、オーソドックスで衒いのない語り口に深い情趣を滲ませた演奏を繰り広げている。

傾向としては明らかに地味な部類に属するこの演奏は、強烈なアピールや目を引く特徴などを有しているわけではないが、その誠実で折り目正しい表現は、ヴァルヒャの作品に対する深い愛情や理解を感じさせるものであり、聴き手に本物の演奏に接した満足感を与えてくれるのである。

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classicalmusic at 05:13コメント(0)トラックバック(0)バッハヴァルヒャ 

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クリスティアン・ツィマーマンは史上最年少の18歳で1975年のショパン・コンクールに優勝し、一躍その名を知られたポーランドのピアニスト。

ツィマーマンのピアノは高度に磨かれたテクニックとロマンティックな抒情性にあふれた表情の美しさが魅力といえる。

これが初めてのシューベルトであるツィマーマンの演奏は、1曲ごとによく磨きがかけられており、みずみずしい歌にあふれたロマンティックな情感とともに劇的な性格も陰影豊かな音で鮮明に表現していて深い余韻を残す。

D.899の4曲は性格的小品として、D.935の4曲はソナタのような趣を生かして表現しており、シューベルト晩年の作といわれる8曲の《即興曲》に対する深い理解を感じさせる演奏である。

鮮やかなテクニック、明快なタッチ、やわらかい色調の音、豊かな情感、ふくよかな歌を通して、心こまやかに豊かな楽想を紡ぎだしている。

タッチの明快さと豊かな張りは、さすがに第一級のアーティストで、それが身ぶりの大きさへと向かうのではなく、音楽をできるだけきめ細かく表現しようという、細心さの方へ向かっているのがツィマーマンらしい。

シューベルトとしては意外なほどアクセントの利いた、メリハリの豊かなフレーズもあって、ツィマーマンのはっきりとしたシューベルト観がうかがえるのも興味深い。

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classicalmusic at 00:00コメント(0)トラックバック(0)シューベルトツィマーマン 

2009年01月21日


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1975年、18歳のときに、ショパン・コンクールで優勝して注目を集めたツィマーマンは、作品を自己のレパートリーとして定着させるまでにも、また録音に際しても、かなり慎重な態度を貫き、常に自己を見失わない姿勢を保ってきた。

このディスクは彼にとって9年ぶりのショパン・ソロ・アルバムだった。いかにも力を入れこんだ感じのホットな演奏が聴ける。

ツィマーマンの比較的新しい録音のバラード集は、これまでよりいっそう表現の幅が増し、奥行きが広くなったと思う。

本当にじっくり腰を落ち着けて演奏していると同時に一つ一つの楽想を思い切り表現しており、それが音楽の大きな流れを生み出している。

ツィマーマンは細部を緻密に仕上げながら、作品のロマンティシズムやそれぞれの《バラード》の持つ物語性に対する解釈を明らかにしている。

いずれも実に緻密で、しかも音楽の自然な流れよりも細部へのこだわりを優先させているとさえ感じられる演奏だ。

ツィマーマンは細部を再検証することで、新しい表現を生み出そうというのだろう。

そのようにあつかわれた細部は、すべてキラリと光を放つ。

そして、スリリングな場面を散りばめたドラマティックな展開を見せて聴かせどころを作り、聴き手の感情に鋭く訴える。

現代的なマニエリスティックな演奏ともとれるが、滲み出る豊かな才能が実感されるし、響きの作り方の美しさにも息を呑む思いがする。

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classicalmusic at 00:32コメント(0)トラックバック(0)ショパンツィマーマン 

2009年01月20日


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ヘルムート・コッホ(1908-75)の晩年の録音のひとつ。コッホの実に3度目の録音。

コッホには1960年の旧録音もあるが、独唱の質がより高い新録音を選びたい。

コッホが亡くなって既に30年以上になるが、この「天地創造」は、彼の残した多くの録音の中でも断然光っている。

これは素朴な中に古典的格調の高さを見事に示した会心の演奏といって良い。

ハイドンの音楽の古典的な格調の高さを、ごく自然にひき出した演奏である。

実直なハイドンだ。昔ながらのドイツのオラトリオといった気概が全曲にわたって流れている。

とくに演出的工夫を凝らしてあるわけではなく、コッホは何の飾り気もなく、創造の日々としてここに描き出す。

それだけに天地創造の敬虔な驚きと喜びが素朴に聴き手の心に伝わってくる。

ドラマだからといって、決して過度にドラマティックにならず、また派手さもねらわず、ただ淡々とすすめながら、深々とした呼吸で、内面的に深みのある音楽をつくりあげている。

全体を室内楽的にまとめており、独唱陣ではソプラノのヴェルナー、テノールのシュライアー、バスのアダムなど、いずれも充実したハイドンを聴かせてくれる。

シュライアー、アダムのソロは、カラヤン盤の独唱たちに比べると、一歩引いた客観的ともいえる歌唱をしているが、コッホの端正な表現にはむしろ適合しておりバランスが良い。

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2009年01月19日


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サヴァリッシュの音楽は、どちらかといえば"理"が勝って、情的部分の稀薄が時には気になるが、ここではサヴァリッシュの円熟といおうか、情感の広がりがスラヴ的聖母哀傷の世界を見事に描き出している(スターバト・マーテル)。

これはおそらくチェコ・フィルの音質がものをいっているせいもあろう。

歌手ではベニャチコヴァーが素晴らしく、ドヴォルスキーもオペラの世界を遠く離れた真摯な歌いぶりだ。

「レクイエム」でのサヴァリッシュは、この作品の中に漂うスラヴ的悲傷の世界を見事にすくい取っている。

オケと合唱と指揮とが一体化してドヴォルザークの悲しみを共にしている。

ソプラノのベニャチコヴァーの真摯な歌いぶりも感動的である。

テノールのモーザーは無理のない歌いぶり、バスのローテンリングも清潔な歌唱を聴かせる。

骨組といい、情感といい、これはサヴァリッシュの円熟ぶりをうかがわせる名演である。

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2009年01月18日


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1915年、ラフマニノフがアメリカに亡命する直前に初演された作品。

キエフのズナメイおよびロシア正教の聖歌に由来する聖歌に基づいた宗教音楽で、すこぶる壮大な規模をもっている。

ロストロポーヴィチの初の合唱指揮アルバムであった。

いかにもロストロポーヴィチのロシア人としての血の躍るような、ロシア的情感の濃厚な表現である。

ロストロポーヴィチの指揮は、力感あふれる重厚さと、ラフマニノフ独特の濃厚なロマンティシズムを兼ね合わせ、全15曲を変化のあるまとめ方をしている。

あの手、この手で曲に変化を与えようとする、ロストロポーヴィチのサービス精神が熱いほど伝わってくる演奏だ。

独唱のふたりも、りっぱなうたいぶりで、合唱団の洗練された合唱で、充実した演奏となっている。

合唱の精緻さという点では他に優れた演奏もあるが、ここには生命の祈りと讃歌がある。

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classicalmusic at 22:39コメント(0)トラックバック(0)ラフマニノフロストロポーヴィチ 

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ミルシテインが最も得意としていたレパートリーである。

特にドヴォルザークはいかにも彼らしい自由なファンタジーと、豊かな旋律の美しさに彩られた作品だが、その反面造形的な統一感に乏しく、それが演奏の難しさともなっている。

ミルシテインは都合3回もドヴォルザークのヴァイオリン協奏曲を録音し、特別な愛情を表明しているが、やはり全盛期のスタインバーグとの協演が最も良い。

ミルシテインらしい端正で、気品に満ちた演奏である。

彼はこの両曲をフリューベック・デ・ブルゴスと再録音しているが、美しく研ぎ澄まされた表現と、情緒に溺れることのない端正なロマンと歌が洗練された感覚で織りなされたこの演奏は特にすばらしい。

2曲ともミルシテインの最も得意とするレパートリーだが、特にドヴォルザークはその音楽に充分共感を抱きながらも、センティメントやロマンティックな情感に溺れることなく、実に端麗に曲を再現しているのが見事である。

ドヴォルザークの朴訥な語り口はほとんど無視された格好だが、音色の多様さ、正確無比なアーティキュレーション、どんな難フレーズも軽々と飛び越えていく自在なテクニックは、やはり大家の風格にみちている。

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classicalmusic at 04:57コメント(0)トラックバック(0)ドヴォルザークミルシテイン 

2009年01月17日


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ブラームスらしい味わいをじっくりと追究した演奏。

どっしりとしたリズム、ゆったりとしたテンポにアラウの主張がはっきり示されており、ブラームスの重厚な味わいが雄渾に再現されている。

ルバートを多用し、スコアに書かれたすべての音を生かそうとするかのようだ。

腰の強いタッチや心からの歌も大変美しい。

内にこもってしまう作曲者の性格が他の誰よりも表出されており、おそらくブラームスが一番喜ぶ演奏ではないか。

ただし外面的な演奏効果より内面の秩序を重んじているため、演奏全体の印象は地味で、音色自体の魅力に欠けるため、アラウの求めるコクがいまひとつ表に出て来ず、地味すぎる音楽になってしまった。

それに時として、テンポの動きやハーモニーの生かし方に硬さが伴うのが残念。

しかし独特の充足感を誇っている。

ハイティンクの指揮もコンセルトヘボウの渋い音色と厚みを生かしつつ、ブラームスを内面から表現しており、アラウにぴったりの共演ぶりだ。

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classicalmusic at 00:00コメント(2)トラックバック(0)ブラームスアラウ 

2009年01月16日


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20世紀の弦楽四重奏曲を透徹したスタイルで明晰に演奏して、一時期を画したラサール四重奏団が残した唯一のベートーヴェン。

ラサール四重奏団の演奏は、まさに完璧としか形容できないほど突き詰められた表現の中に、良い意味での冷たいリリシズムが溢れ出る名演といえる。

ラサール四重奏団はいっさいの先入観を排除して純粋に音楽を追求する。

これは彼らが新ヴィーン楽派の作品でとった解釈で、ベートーヴェン後期の音楽が少しの思い入れもなく明晰に再現されている。

機能的に優れたところから美感が生まれることを実証した演奏だ。

彼らが得意とした20世紀の作品と同様シャープで精緻な演奏ぶりが際立ち、楽譜の深い読みに基づく作品へのアプローチが巧妙で、説得力があり、20世紀音楽に優るとも劣らぬ出来である。

力感みなぎってたくましく、切れ味の鋭さを感じさせる。だが、うるおいの乏しい"技巧のための技巧"を前面に押し出した演奏とは似て非なるものだ。

ヨーロッパの四重奏団とは異なる感性に立脚しているものの、作曲家晩年の情念を感動的に表出している。

楽譜を深く読み、作品を忠実に再現していこうとするラサールのあくなき努力が見事に結実した、誠実にして、清新なベートーヴェンである。

チェロが途中で交代しているが、この録音をラサールの代表盤のひとつに加えることに反対する人はまずあるまい。

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classicalmusic at 07:58コメント(0)トラックバック(0)ベートーヴェン 

2009年01月15日


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ラロは昔はなぜか4楽章版で演奏した。カットされた第3楽章はとても魅力的な部分なので不思議だ。

ハイフェッツ盤は、第3楽章がカットされていることや、モノーラルでオケの響きなどが少し不明瞭な点が惜しまれるが、演奏内容だけを考えるともはやこれ以上は望むことができないほどで、ハイフェッツの情熱的で切れ味の良いソロが聴き手を唸らせる名演になっている。

録音は古いが、こうした曲を弾かせてハイフェッツの右に出る者はいない。

それは単なる技巧や解釈の問題ではなく、彼の中に色濃く流れる後期ロマン派的な気質が曲の目的とするものと見事に一体化しているからである。

完璧なテクニックを駆使して、シャープでスマートに作品を語り継いでいく彼の演奏は、たぎるような情熱や濃密な情念にも少しも欠くことはなく、それは、これがほとんど理想的な名演であることをはっきりと印象づける結果を生んでいるのである。

ここに示されたハイフェッツの表現は、相変わらず非の打ちどころのないテクニックの冴えと、しなやかな語り口を際立った特色としているが、一方では熱っぽい表情やロマンティックな感情移入などを随所にみせており、このエキゾティックな名作の魅力を余すところなく描き切っている。

終楽章の巧さなどベラボーなもので、かつて有名だったフーベルマン(SP)も、ハイフェッツにはかなわない。

この曲の一つのドキュメントだろう。

完全全曲版ではないが、この作品の代表盤としての評価を今後も保ち続けていくことだろう。

ヴィエニャフスキの驚くほど裾野の広いリリシズムの世界も、ハイフェッツの巨匠たるゆえんを、いやがうえにも伝えるものだ。

ヴァイオリンを少しでも弾いているひとには必聴と言っておこう。

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classicalmusic at 00:09コメント(0)トラックバック(0)ハイフェッツ 

2009年01月14日


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数あるこの曲の名盤の中でも際立ったものであり、アバドのイタリア人気質が、よい意味で最良に発揮された演奏である。

アバドはこの大曲の骨格をしっかり踏まえ、その枠組の中で精緻な音づくりをしている。

細かい部分にも配慮の行き届いた繊細なニュアンスの歌心があり、イタリア人アバドを久しぶりに思い出させてくれる。

全篇にわたってこの指揮者の冷静な眼が光った演奏で、どのような激しい曲想になっても、決して音楽のバランスをくずさず、巧みな抑制をきかせながら存分に旋律をうたわせている。

カラヤンが緻密な設計でまとめているのに対し、アバドは各部の自然な流れを大切にしているのが魅力だ。

スカラ座管弦楽団、合唱団共、アバドの巧みなまとめぶりによってまさに生きた音を聴かせる。

ことに「怒りの日」は劇的にまとめている。

独唱陣も素晴らしく、特にドミンゴが美しく聴かせる。

いたずらに劇的効果を狙わず、作曲者への誠実な姿勢に貫かれたこの演奏を凌駕するディスクはそう簡単に現れまい。

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classicalmusic at 04:08コメント(0)トラックバック(0)ヴェルディアバド 

2009年01月13日


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ここでは、プリンツのクラリネットが聴きものである。実にふっくらとした柔らかな音色で、たっぷりと旋律を歌わせている。

クラリネット特有のいくぶん暗い気分をこれほど見事に表出した演奏というのも珍しい。

プリンツはどちらの曲でも遅めのテンポでたっぷり歌わせ、ウィーン情緒のある演奏を繰り広げている。

いくぶんテンポを遅めにとり、旋律をたっぷりと歌わせたウィーン情緒にあふれた美麗な演奏である。

モーツァルトでは弦楽器も柔らかくふくよかな音色で、クラリネットと見事に融合している。

ウィーン情緒という点では、モーツァルトが傑出しているが、ブラームスでの悲しみを抑えたような表現も捨て難い。

両曲でも弦とクラリネットの対比と融合が見事で、変奏曲の変化がまことに美しく絶妙だ。

ブラームスの方の弦楽器も柔らかく艶やかで、クラリネットとうまく溶け合っている。

なかでも第2楽章と終楽章は圧巻である。

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classicalmusic at 00:00コメント(2)トラックバック(0)モーツァルトブラームス 

2009年01月12日


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デイヴィスはシベリウスのスペシャリストで、これが2度目の全集である。

デイヴィスの最新録音の全集は、悠然とかまえてシブくきめた紳士の風情。

均整のとれた造形のなかに、美しい響きの丹念な音楽が築かれてゆく。

そのため細部まで洗練とゆとりがあり、有機的に作品をまとめている。

第2番のフィナーレなど神々しくさえ聴こえるのだ。

デイヴィス独特の豊かな息づかいやゆったりとした旋律の歌わせ方が曲にスケールを与え、やさしさと力強さが同居した演奏になった。

呼吸が深くゆったりとした音楽づくりだが、決してだれることのないのは指揮者の裁量とオーケストラ、特に管楽器のすばらしさによるものと見た。

気高い雰囲気を漂わせるロンドン響の音色もプラスに働いており、特に木管楽器の憂いを帯びた音がアクセントになっている。

第5番ではむろんそのことが根幹となるが、演奏に運動性が目立つのは興味深い。

異色の表現というべきだろう。

演奏効果を狙う派手な演奏の対極に位置する自然で格調高い演奏によって、シベリウスが、ひとつの優れた交響作品としての普遍性を獲得している。

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classicalmusic at 11:54コメント(0)トラックバック(0)シベリウスデイヴィス 

2009年01月11日


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パガニーニの「カプリース」には、アルペッジョ、3度、6度、10度の重音、ダブル・トリプル、左手のピチカートなど、ヴァイオリン演奏のあらゆる技術が盛り込まれている。

ミンツにとってパガニーニの無伴奏曲は、うってつけの作品だろう。

ミンツのこの曲は彼がさっそうとデビューしてまもないころの録音で、若々しい輝きに満ちている。

達者なテクニックで物怖じしない元気さ、たくましさで弾ききっている。

音色の美しさと技術の高さは、若手として、こんにち聴き返しても出色のものがあろう。

流麗すぎて魔術的な迫力には欠けるかもしれないが、ミンツのはつらつとした演奏は好むところ。

技巧の高さは定評もので、まずその安心感がある。

すっきりしすぎているかも知れないが、さっそうとして、丁寧な弾きぶりにも好感がもてる。

第1番でミンツはまるでプレストのようなスピードで弾きとばし、第5番ではあたかもオートマティックな機械で弾くかのごとく、力強く再現している。

おそらくパガニーニも予期しなかったであろうほどの技術的完成度をこの2曲で示している。

とてもさわやかなパガニーニだ。

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classicalmusic at 01:02コメント(0)トラックバック(0)パガニーニ 

2009年01月10日


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クレメンス・クラウスは、オーストリア帝国のヨハン・サルヴァドール大公と、女優のクレメンティーヌ・クラウスのあいだに生まれた庶子であった。

つまり爛熟のウィーンの申し子のような存在で、彼が振るウィンナ・ワルツには、宮廷舞踏会の雰囲気が感じられると評された。

だがこのCDに聴かれる演奏は、テンポが速く颯爽としていて、むしろ後のボスコフスキーのワルツに近い。

いわゆるノスタルジックなムードは、ロベルト・シュトルツやエドゥアルト・シュトラウスの指揮に、より濃厚に感じられた。

クラウスのワルツは感傷味を排したエレガントそのものの演奏で、どこまでも気品の高い貴族趣味が身上でもあった。

特にヨーゼフ・シュトラウスの《オーストリアの村つばめ》や《わが生涯は愛と喜び》などでの独特のリズムさばきと旋律の歌わせ方には、まさに宮廷趣味を彷彿とさせるものがある。

また同じヨーゼフのポルカ《とんぼ》では、とんぼが羽ばたきながら静止する姿を実に洒落たリアルさであらわしているのも、クラウスならではの芸といえる。

彼のワルツは都会的な洗練味を売り物にしているが、それは崩壊間近なオーストリアの宮廷的なエレガンスだった。

こうした上品で、やや取り澄ましたコケットリーは、戦後生まれの指揮者には望むべくもない資質だろう。

ただ意外にセンティメンタリズムと縁のないのは、クラウスが高貴の出だったからだろうか。

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classicalmusic at 23:05コメント(0)トラックバック(0)シュトラウスクラウス 

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"モーツァルト弾き"の女流演奏家のトップともいえるハスキルが、亡くなるわずか1ヵ月前に録音した不滅の名盤である。

高雅な詩情と玲瓏な音色をもったハスキルのピアノと、きわめて激しく劇的なマルケヴィチの棒が生み出した、白熱的な名演である。

両者の音楽性はそれぞれ異なっているものの、お互いが十分に理解しあって演奏しているだけに、両者は不思議とよく溶け合っており、寸分の隙もない表現となっている。

ニ短調でのハスキルは、彼女としては比較的表情を大きくつけて弾いている。

カンタービレの優しく温かい味とか緩急の間の美しさとかは彼女ならでは。

高い気品と豊かな"歌"をあわせもちながら、この作品全体にただよう哀感を、これほどまでに纏綿と表出した演奏というのも珍しい。

ハスキル最晩年の孤高の境地といったものが感じられる演奏だ。

ハ短調は他のピアニストのように劇的に構成していないが、ピアノをよく歌わせ、高雅な憂いの情を匂わせながら、すっきりとまとめていく手並みが絶妙である。

ハスキルの彫りの深い表現は感動的だし、また、第1楽章のオーケストラの提示部からして、マルケヴィチの棒は情熱的で、全体にただよう暗鬱な気分を見事に表現している。

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classicalmusic at 14:59コメント(0)トラックバック(0)モーツァルトハスキル 

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フルトヴェングラーのチャイコフスキーは珍しく、この他には第5,6番があるのみ。

第4番と弦楽セレナード(抜粋)共にこれが唯一のスタジオ録音である。ライヴ盤もたしか出ていなかった。

第4番は劇的で重厚、ドイツ風の演奏様式が、作品の本質を衝いている。

この内容的な表情と幻想的な広がりは、人間の心の苦悩をそのまま表しているようで、チャイコフスキーの内面に共感したこのような演奏は滅多に聴くことができない。

神経がこまかく働いた情緒的な演奏で、チャイコフスキーが与えた運命的な標題を迫っているようにさえ感じられる。

合奏は完璧に近い。

この演奏を聴いていると、曲中に躍動する意欲が圧倒的に迫ってくる。

フルトヴェングラーが纏綿たる抒情味を充分に発揮した場合で、そこにミュンシュのとはおのずと違った特徴が感じられるのである。

弦楽セレナードの2曲は、やはりコクと深みのある表情で、ウィーン・フィルの弦の美しさを満喫させてくれる。

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classicalmusic at 00:02コメント(0)トラックバック(0)チャイコフスキーフルトヴェングラー 

2009年01月09日


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シカゴ・オーケストラ・ホールとカーネギー・ホールで行われた演奏会形式上演のライヴ録音。

パヴァロッティ初のオテロとして注目されたもの。

何しろオテロ役は、テノールの難役中の難役といわれていて、かつての名テノール、デル・モナコや、近年ではドミンゴなど、オテロ役を演じることのできる歌手は、きわめて少ない。

このディスクはパヴァロッティが初めて挑戦したオテロが聴きもので、彼の軽やかな声が、細やかでいきいきとした感情と性格をもつ人間を歌い出すことに成功しており、そこには音色と内容への慎重な配慮がうかがわれる。

演奏会形式の上演のため、純粋に歌唱のみに意識を集中することができたのが功を奏したのかもしれない。

テ・カナワのデスデモナは、彼女としては無難な出来だ。

ショルティの指揮するイタリア・オペラには、確固たる造形性に支えられた強い説得力があり、鋭敏な指揮に見事に反応して血肉を与えていくシカゴ響も名演だ。

シカゴ響の磨き抜かれた美音に圧倒され、名将ショルティと強力無比の軍団の到達点がこれだったのかと、感動さえ覚えてしまう演奏である。

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classicalmusic at 00:00コメント(0)トラックバック(0)ヴェルディショルティ 

2009年01月08日


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アルゲリッチ、チョン・キョンファ。当代2人の女流天才は、ともにチャイコフスキーのコンチェルトを得意としてきたが、チョンの方は1980年代から脱皮し、むしろベートーヴェンやブラームスに名演を示すようになったのに、アルゲリッチの方は相変わらずチャイコフスキーだ。

CDもスタジオ録音あり、ライヴありだが、そのすべてが他のピアニストを圧してすばらしい。本当に珍しいケースといえよう。

その数多いディスクの中で、むりやりに優劣をつけるとすれば、ピアノ演奏だけを採れば1980年のCDアコード盤、オーケストラや録音を含めた総合点がいちばん高いのは、この1994年ライヴである。

すでに50代に入った彼女だが、円熟とはまったく無縁、縦横無尽に暴れまくっている。

その熱い息づかいや感情の波立ちがマイクを通して如実に伝わり、傍若無人、奔放を極めた自在感に、絢爛たるテクニックと瑞々しいまでのタッチが応える。

アルゲリッチのピアノは情熱にあふれ、鋭い閃きを放ち、相変わらず凄い迫力を伴った演奏だが、コンドラシンとの共演盤と比べると角が取れて円みが加わり、より心地よい流れを作っている。

アバドの雄弁な表現とフレキシブルな対応も、彼女のソロを引き立てる。

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classicalmusic at 04:23コメント(0)トラックバック(0)アルゲリッチアバド 

2009年01月07日


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アシュケナージの円熟を示す名演集だ。どの曲も磨き抜かれた音色で、ロマンティックに仕上げた演奏であり、人肌の温もりとしっとりとした叙情をたたえた秀演である。

アシュケナージの演奏は、これまでと変わらぬ純音楽的表現の高さと円熟味を示しており、今日のシューマン演奏のきわめてすぐれたスタンダードを示す。

隅々にまで、神経のよく行き届いた演奏で、すこぶる繊細な音楽をつくりあげながら、シューマンのロマン的表現を過不足なく、率直に具現している。

ここでのアシュケナージはシューマンの音色の限りなくよき理解者であって、およそ作品として書かれたものの何ものをも見過ごさず、また何ものをも付け加えようとはしない。

表現様式における装飾性は完全に切り捨てられており、シューマンの音楽の本質に迫っている。

彼のシューマンからは気負いや熱中は感じられず、むしろ淡々としているが、それでいて味わい深い。

曲それぞれ、楽想それぞれの性格や気分を充分に生かしきった演奏で、タッチの質、強弱、アーティキュレーションの細やかさが、各曲の各部分にくっきりとしたプロフィールを与え、全体の設計も見通しもよく行き届いている。

ピアニストとして最も脂の乗ったころの演奏で、聴き手に誠実で清潔感の溢れた音楽性と、さらにはるかなるものへの憧れの気持ちを感じさせる。

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classicalmusic at 00:00コメント(0)トラックバック(0)シューマンアシュケナージ 

2009年01月06日


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一際ユニークな全集だ。

第1番は非常な名演で、第1楽章の速いテンポと小気味良いリズムは、天才的な即興の閃きを示す強弱や小味な弱音効果の多用とともに、あたかもモーツァルトのような自在感をもって自然に流動してゆく。

ゴルシュマンの指揮も生命力に満ちた素晴らしい演奏だ。

グールドは第2番を美しい音で、若き日のベートーヴェンの強気で、衝動的で、しばしば生意気でさえある持ち味を見事にとらえて弾いている。

バーンスタインもその線にそったサポートをして、始めから終わりまで味わい深く聴かせている。

第3番は遅いテンポで、じっくりと楽章の変化を描き出してゆくが、やや明確すぎる点がなくもない。

第4番はきわめて個性的な演奏で、演奏の外面だけをとると、19世紀末のロマン派に逆行したような錯覚を起こすほどだが、グールドの場合はむしろ自然に響いてくるから不思議だ。

「皇帝」も素晴らしく、猛烈に遅いテンポの演奏は、一瞬回転速度を間違えたかと錯覚させるが、その魅力にかけては人後に落ちない。

グールドのテンポは遅く、特に第1楽章冒頭のルバートや終楽章のテーマはユニークである。

左手を英雄的に鳴らして実に堂々たる迫力を聴かせる素晴らしさ! 細部までじっくりと心をこめぬき、音のひとつひとつをていねいに吟味し、展開部ではさらにテンポを落として浸る。

しかも全体の型は決して脆弱にならず、深々とした抒情とリズムの冴え、乾いた響きの音色は、最もアイロニカルな名演だろう。

この演奏に「皇帝」を聴こうとしたら何も得られない。

しかし、「作曲家の意図」からも固定イメージからも離れ、響いた音そのものに即して耳を働かせていくと、作品から徹底して響きの抒情を聴き取り"うた"の瞬間を掬い取ったこの演奏は、とてつもなく面白い。

ストコフスキーの指揮も見事で、これだけよく歌い、金管を壮麗に鳴らした「皇帝」も珍しい。

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classicalmusic at 04:02コメント(0)トラックバック(2)ベートーヴェングールド 

2009年01月05日


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1981年3月7日に急逝したコンドラシンとアルゲリッチの唯一の共演盤。

アルゲリッチがコンドラシンと共演したライヴ録音は、アルゲリッチの奔放な情熱が存分に発散された熱っぽい演奏であり、そのライヴならではの生々しい雰囲気と緊張感にあふれた演奏が聴き手を圧倒する。

速めのテンポをとりながら、女性とは思えないような、たくましく力強い表現をおこなっていて、アルゲリッチの即興的な芸風がいっそう鮮明に表れている。

アルゲリッチのピアノは、たんにライヴだからということだけでなく、多彩な表現力をもっており、その生々しいまでの感性の冴えはなんとも素晴らしく、力強さの点でも不足はない。

その閃きに満ちたピアニズムが、聴き手を巻き込んでしまう。

第1楽章序奏部は硬質のタッチが音楽にぴったりで、和音の鳴らし方も素晴らしいが、まことに表現が多彩で、一見気分のままに流れているようにみえて、実はスコアの意味をよく知りつくしている。

第3楽章も目のくらむような表現で、曲の終結では最高のスピード感で全体をしめくくる。

アルゲリッチの持ち味が強く前面に押し出された熱演のひとつである。

コンドラシンの指揮はどっしりとしていて力感あふれるもので、いきり立たず、しっかりとアルゲリッチを支えているところがよく、しかも壮大で力があり、切れもよく申し分ない。

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2009年01月04日


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いずれも秀演で、モーツァルト解釈家としてのスウィトナーの存在を強く印象づける。

いずれも典雅でふくよか、明快な印象を与える演奏は、現代における最も円満なモーツァルト集成といってよい。

スウィトナーのすぐれた音楽性を示した演奏であり、妥当なテンポと典雅な表情、柔らかい旋律線と爽快なリズムが渾然一体となって、実に端正に音楽をつくっている。

シュターツカペレ・ドレスデンの古雅で晴朗な響きと完全に息の合ったアンサンブルの美しさは、他には求められない魅力であり、モダン楽器による現代のコンサート・スタイルの演奏としては第一級の表現だ。

オケがすばらしく優秀なので、速めのテンポをとった「ハフナー」第1楽章など唖然とするほど見事なアンサンブルを聴かせる。

室内楽風に編成を小さくしているので音の透明度が高く、アンサンブルの細部まで透けて見えるようだ。

しかも木管などしっとりとして味わい深く、あらゆる意味でモーツァルトの美しさを満喫させる名演といえよう。

特に第32番と第34番は、精彩にみちた表情でさわやかな音楽をつくっている。

第40番の素直な造形、作品の比類ない精緻な美しさを無理なく示した表情、また古典的な透明感を的確に表出した「ジュピター」、それぞれが指揮者とオケの純粋な音楽性の賜物といえよう。

サウンドは味わい深く、しかも全てがよい意味での良識と中庸を感じさせる表現だ。

はつらつとしたリズムによる流動感の豊かなモーツァルトである。

かつての大指揮者たちのスケールの大きさはないが、古典主義的な作品の様式を素直に受けとめ、あるがままを描いており、全体はきわめて音楽的だ。

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classicalmusic at 11:23コメント(0)トラックバック(0)モーツァルトスウィトナー 

2009年01月03日


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ブダペスト弦楽四重奏団は1917年に結成され、27年にヴァイオリンにロイスマンが入って以来世界最高の四重奏団として活躍、戦後アメリカに移って1955年から最後の黄金期に入り、ちょうど開発されたステレオ録音によって多くの名演を残すことができた。

このゼルキンとのブラームスの五重奏曲は、同時期に録音されたブラームスの四重奏曲全集や、ヴィオラにトランプラーが入ってのモーツァルトの弦楽五重奏曲の名演と共に、この四重奏団の代表的な録音とされている。

ブラームスのピアノ五重奏曲はシューマンの同じ五重奏曲と同様に、ピアノと弦が同等に重要な作品で、逞しい力動とロマン的な情緒が演奏に色濃く表れないと面白くない。

ゼルキンは長い期間ブッシュと組んでアンサンブル・ピアニストとして演奏してきた。

このブラームス作品では、そのキャリアが見事に生かされている。

ゼルキンとブダペスト四重奏団が一致協力して生み出すブラームスの重く、苦い感情表現は、さすがにどっしりと根が張っており、リアリティがある。

ブダペスト弦楽四重奏団の緊張感溢れる響きのなかで、ゼルキンのピアノが躍動するその熱演は、現在のクールな四重奏団とピアニストでは望めない厚い密度でもって聴き手を作品の内部へと導いてゆく。

なにかに憑かれたようなブラームスの激しい感情が、とりわけ第4楽章のフィナーレで聴かれるが、その激しさの中に決して晴れることのない胸のつかえがクローズアップされ、聴き手に強く訴えかけてくる。

名クヮルテットと名ピアニストが組んだ、まさに理想的な名演だ。

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classicalmusic at 04:56コメント(2)トラックバック(0)ゼルキンブダペストSQ 

2009年01月02日


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オルガニストではなく指揮者コープマンの小柄な体躯から迸るエネルギーは尋常ではない。

どこまでもモーツァルトであって、それでいて前衛的な現代音楽の趣を感じさせるところがある。

ピノックやガーディナーやブリュッヘンやホグウッドにはない魅力が溢れる。

第39番は少人数の古楽器演奏で、テンポの速い、すっきりとした運びだが、そのなかにセンス満点の遊びがあって愉しい。

金管のアタックはフレッシュだし、リズムは飛び跳ね、弱音は静謐、超スピードのメヌエットを経て、フィナーレのコーダにはスコアにはないティンパニが!

第40番は曲のもつ異常さはそれほどでもないが、最上の古楽演奏が培った演奏様式の生み出すテクチュアの明晰さでは随一。

ある意味では古典派音楽の様式をグロテスクなまでに解体した作曲者のテクストが鮮明になり、曲の人工的な側面を伝えてあますところがない。

コープマンの視点は3つ、ダイナミックな表現の起伏、作品がもたらす自由さ、そしてアヴァンギャルド的大胆さである。

それは「ジュピター」に見事に集約されており、瞬間瞬間にドラマを見る面白さが連続、息もつかせない、生身の作曲者像を追求した熱演だ。

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classicalmusic at 00:30コメント(0)トラックバック(0)モーツァルト 

2009年01月01日


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ショパンは古今の名ピアニストたちの録音がある名曲だけに、決定盤を絞るのも難しかったが、現在、この協奏曲の双璧と思えるのはアルゲリッチの最初の録音とツィマーマンの再録音である。

ツィマーマンの指揮も兼ねた2度目の録音は、管弦楽も含め非常に濃密な感情表現が衝撃的であり、ショパン演奏の新しい可能性を拓いた演奏といえるのに対し、アルゲリッチがアバドと共演した録音は、あえてオーソドックスな表現といえると思うが、作品に鋭く踏み込んだアルゲリッチならではの直截な表現がすばらしい。

アルゲリッチにはデュトワとの再録音のほか、スリリングなライヴ録音もあり、それぞれ魅力的な演奏を聴かせてくれるが、作品への本質的なアプローチにはあまり変化はない。

全体的な完成度の高さでデュトワとの共演がすぐれていると思わないでもないが、しかし、アバドの演奏にみなぎる若々しい情熱の発露は、この協奏曲のかけがいのない魅力となっている。

リストはアルゲリッチが自己のすべてをそこに結集したと言える白熱的な快演であり、そのスリリングで奔放な表現は、聴き手の神経をしびれさせてしまうような強烈なアピールを生んでいる。

この演奏では、彼女の対処のすべてがぴったりとツボにはまっている。

世界の檜舞台に飛翔していた若々しいアルゲリッチとアバドならではの名演といえるだろう。

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classicalmusic at 00:04コメント(0)トラックバック(0)アルゲリッチアバド 
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