2012年10月

2012年10月31日


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アリス=紗良・オットの初の協奏曲録音であるが、とても20歳のピアニストとは思えないような威風堂々たる名演だ。

アリスとヘンゲルブロックはこの手垢にまみれた2曲を洗い流し、ヴィルトゥオーゾ性よりも音楽としての魅力を引き出す。

チャイコフスキーのピアノ協奏曲は情熱と、ロシアの情念、ドイツの剛直さを兼ね備えた名演であり、ミュンヘン・フィルの重厚なサウンドとも相まって理想的な仕上がりで、満足できる出来映えだ。

特に、第1楽章冒頭のホルンの朗々たる旋律の後に続く、女流ピアニストとは思えないような強靭な打鍵は、聴き手を圧倒するのに十分な迫力を有している。

特に、低音の残響の響かせ方など、はじめて耳にするような新鮮さだ。

それでいて、チャイコフスキーならではの抒情豊かな旋律も、繊細であたたかなタッチで弾いており、その硬軟併せ持つバランス感覚が見事である。

カデンツァにおける、卓越した技量に裏打ちされたゆったりとしたテンポによる重厚な演奏は実に感動的で、アリスのピアニストとしてのスケールの大きさを感じさせる。

第2楽章の繊細な抒情も美しさの極みであり、終楽章も、例えばアルゲリッチのようにアッチェレランドをかけたりすることはしていないが、強靭な打鍵にはいささかも不足はなく、それでいて、どんなに力奏しても気品を失うことがないのは、アリスの最大の長所と言えるのかもしれない。

リストのピアノ協奏曲も、重厚さと繊細さのコントラストが見事な秀演と評価したい。

特筆すべきは録音の素晴らしさであり、ピアノの音が実に鮮明な音質で捉えられているのは大変嬉しい限りだ。

これからの活躍が楽しみなピアニストの一人ではないだろうか。

アリスという美貌の若きピアニストの前途洋々たる将来性に今後も大いに期待したい。

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2012年10月30日


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チャイコフスキーの交響曲第7番とロストロポーヴィチの祖国帰国公演のライヴを組み合わせた何ともマニアックなCD。

チャイコフスキーの第7番は、作曲者の死後に補筆完成された作品である。

第6番に先立って作曲していたが、作曲者が気に入らなくなって破棄した楽譜を編集したいわくつきのものである。

ピアノ協奏曲第3番にもその片鱗が見られるが、交響曲の形で聴いてみると、さすがに第6番の高みには到底及ばないものの、チャイコフスキーならではの美しい旋律に満ち溢れた作品であるということはわかる。

第7番を聴くことができるCDが現在市場にないことを考えると、本盤は稀少価値があると言うことができる。

演奏も、オーマンディ&フィラデルフィア管弦楽団であり、その意味でも申し分のない佳演と言える。

「ロココ」は、ロストロポーヴィチのチェロでないのが大変残念。

しかし、演奏自体は決して凡演ではなく、オーマンディのアプローチも見事なものだと思う。

また、本盤には、ロストロポーヴィチのモスクワでのコンサートを収めているが、これは、録音が悪いのが難点。

したがって、チャイコフスキーの第6番は、録音も含めた全体的な出来としては、ロンドン・フィル盤の方が上であると言えるが、16年ぶりの祖国復帰だけに、燃えるような熱気は十分に伝わってくる。

その他の小品も、なかなか健闘していると言えるのではないか。

かつての手兵であるワシントン・ナショナル交響楽団を指揮していたとはいえ、アンコールの最後に、アメリカ合衆国の第2の国歌である「星条旗よ永遠なれ」を演奏したというのは、冷戦終結を感じさせて大変興味深い。

この時のロストロポーヴィチの心境はいかなるものであったのだろうか。

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2012年10月29日


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2007年2月25日 ロンドン、バービカン・センターでコンサート形式で行われた上演のライヴ録音。

「ブロウチェク氏の旅」はなかなかの名作だとは思うが、数々のヤナーチェクのオペラの中にあっては、「利口な女狐の物語」や「イエヌーファ」などに比して、知る人ぞ知る存在に甘んじている。

主人公であるブロウチェクが月に旅したり、フス戦争時代の15世紀に旅をしたりするなど、きわめて奇想天外なストーリーであり、特に、第1部の多くの芸術至上主義者が登場する箇所の筋立てが相当に複雑であり、それ故に、あまり親しみを持って迎えられていないのかもしれない。

しかしながら、一人二役や三役といった、登場人物に伏線を設けている点や、モラヴィアの音階を巧みに取り入れた実に美しい民謡風の繊細な音楽など、ヤナーチェクの個性が満載の魅力作であると言うべきであり、本盤登場までは、輸入盤を含め入手できるCDすら市場にないというのは実に悲しむべきことであった。

そのような中で、本盤の、しかも国内盤の登場というのは、大いに歓迎すべき快挙であると言える。

チェコ出身のビエロフラーヴェクの指揮は、同国人のヤナーチェクへの深い愛着が溢れる感動的なものであり、BBC交響楽団や歌手陣、合唱団も最高のパフォーマンスを示している。

まるでチェコ・フィルのように統率が取れ、シルクの肌触りような弦楽器がここにあり、管・打楽器が軽いのはロンドンのオケの常なので仕方あるまい。

とはいえ、その上質に磨かれた弦楽器が織り成す和声は、全てが抗し難い魅力だ。

演奏終了後の圧倒的な拍手喝采も、当日の深い感動を示していると言える。

この組み合わせで、ヤナーチェクの他のオペラ録音を聴いてみたいと思ったのは、筆者だけではないのではあるまいか。

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2012年10月28日


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飛ぶ鳥を落す勢いのパーヴォ・ヤルヴィがまたレパートリーを増やしてのCDリリースで、今回は既発2006年録音のブリテンの「青少年のための管弦楽入門」(パーセルの主題による変奏曲とフーガ)と2008年録音の初のホルスト「惑星」であり、特に後者が注目されるところであろう。

パーヴォ・ヤルヴィの勢いはとどまるところを知らない。

音楽業界の世界的な不況の下で、CDの新譜が殆ど発売されない事態に陥っているが、そのような中で、気を吐いている指揮者の最右翼が、このパーヴォ・ヤルヴィということになるだろう。

もちろん、粗製乱造はなはだ困るが、パーヴォ・ヤルヴィの場合は心配ご無用。

凡演になることは殆どなく、常に一定の水準以上の演奏を行っているというのは、パーヴォ・ヤルヴィの類まれなる資質をあらわしていると言える。

本盤は、そうしたパーヴォ・ヤルヴィの類稀なる才能が発揮された名演だと思う。

「惑星」は、緩急自在のテンポ設定の下、重厚さや繊細さなどを織り交ぜた手練手管を行っているが、それでいて小賢しさは皆無。

まさに聴かせどころのツボを心得た職人芸のなせる技とも言うべきであり、我々が「惑星」という楽曲に求める魅力を存分に味わうことができる名演と高く評価したい。

「パーセルの主題による変奏曲とフーガ」も、各変奏の描き分けが実に巧みであり、音の強弱やテンポ設定なども絶妙。

フーガの終結部の盛り上がりも圧倒的な迫力であり、作曲者による自作自演盤にも匹敵する超名演と評価したい。

録音もテラークならではの鮮明なものであるが、一つだけ不満を一言。

テラークはSACDから撤退したのであろうか?

本盤がSACDならば、本名演が一段と輝くことになったのにと思うと、少々残念な気がした。

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2012年10月27日


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楽壇の最重鎮ブーレーズによる最新のストラヴィンスキーは、2009年2月&3月ライヴ録音。

ストラヴィンスキーはブーレーズが最も得意とするレパートリーと言えるが、その演奏スタイルは若き日の前衛時代と比較すると、ずいぶんと角が取れてきたように思う。

特に、1969年にクリーヴランド管弦楽団とスタジオ録音を行った『春の祭典』など、あまりの尖鋭的な切れ味鋭い凄演に、完全にノックアウトされてしまった記憶がある。

あれから約40年。ブーレーズもさすがに円熟の境地に至ったのであろう。

したがって、「3楽章の交響曲」など、時折、若き日のブーレーズならではの尖鋭性の片鱗も見られるものの、いささかこじんまりと纏まりすぎたのかなという気がする。

それでも、シカゴ交響楽団の卓抜たる技量を生かした演奏は見事であり、決してブーレーズの名声に泥を塗るような演奏には陥っていない。

むしろ、現在のブーレーズのアプローチに相応しいのは、『プルチネッラ』の方だろう。

ストラヴィンスキーが新古典主義を迎えた時代の音楽であり、若き日の角が取れ、円熟の境地を迎えつつあるブーレーズと、楽曲の性格が見事に符合するからである。

ブーレーズの指揮は以前に比べれば円満さが先に感じられるが、この曲には非常にマッチしたアプローチだと思う。

独唱陣も好演であり、シカゴ交響楽団もブーレーズの棒と渾然一体となった名演を成し遂げている。

録音は、SACDマルチチャンネルによる極上の高音質であり、ブーレーズ&シカゴ交響楽団の名演をこれ以上は求められないような音場で味わうことができるのは素晴らしい。

是非とも、座右に置きたいディスクだ。

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2012年10月26日


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バッハの作品集に続くエデルマンのトリトーンへの録音第2弾はオール・シューマン・プログラムであるが、これまた素晴らしい名演だと思う。

今回はロマン派きっての名曲が壮大なタッチで奏でられ、ピアニズムの真髄に打って出ており、珠玉の「アラベスク」を挟んで、「幻想曲」と「交響的練習曲」を前後に、まさに重量級のアルバムとなっている。

シューマンのピアノ作品は、私見ではあるが、あまり深く考えすぎたりすると、楽曲に含有されている豊かなファンタジーの飛翔が妨げられ、やたら理屈っぽい退屈な演奏になりがちである。

しかし、エデルマンにはそのようなことは杞憂。

もちろん、エデルマンなりのシューマンのピアノ作品に対する考え方には確固たるものがあるのだろうが、決して自我を表面に出すことなく、紡ぎだされる演奏はあくまでも自然体だ。

それでいて、微動だにしない堂々たる重厚なアプローチを何と表現すればいいのだろうか。

さらに、卓越したテクニックが、こうしたアプローチを見事に助長している。

筆者が特に感動したのは「幻想曲」だ。

エデルマンは、持ち前の重厚にして強靭な打鍵で曲想を描いていくが、それでいて、楽曲の随所から漂ってくるロマン的な香り。

これぞまさに「幻想曲」と言うべきであり、このような至芸を50歳に漸く到達しようというピアニストが行うとは。

次いで、「交響的練習曲」が素晴らしい。

ライナーノーツによると完全版を採用しているとのことであるが、各部の楽想の変化を自在に描き分け、それでいて全体をあたかも交響曲のような雄大なスケールで纏め上げた力量は見事という他はない。

エデルマンの今後の発展を大いに期待させられる1枚だ。

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2012年10月25日


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2009年5月の録音で、小山実稚恵の進境の著しさを感じさせる1枚だ。

両曲とも素晴らしい名演だと思う。

ショパンの「バラード集」やシューベルトの「さすらい人幻想曲」など、最近の小山実稚恵の行う録音は、どれも注目だ。

ピアノ協奏曲第1番は、長い序奏を経た後のピアノの開始からして、尋常ではない心の込め方だ。

これは、決して自信なげなものではなく、小山実稚恵の確信に満ち溢れたアプローチなのだ。

主部に入ってからの堂々たるピアニズムの素晴らしさを何と表現すればいいのだろうか。

第2楽章も抒情のかたまりであり、終楽章への圧倒的な盛り上がりも見事の一言である。

第2番のアプローチも、第1番と同様であり、自信に満ち溢れたアプローチが、第1番と比べると格段に内容において劣る同曲を、実に魅力的な曲に再現していくのは、小山実稚恵の同曲への深い愛着の証左とも言える。

何よりも両曲に共通して言えるのは、小山実稚恵は、決してテクニックをひけらかさないこと。

あくまでも、内容の掘り下げに重点を置いており、その点を高く評価したいと考える。

筆者はショパンの協奏曲はツィマーマンの新盤、そして第1番はアルゲリッチ、第2番はフランソワのCDがあれば十分と思っていたが、このCDはそれらと同等に張り合う内容となっている。

音が極めて美しい上ニュアンスが豊かで細かいところまで綺麗に演奏していて、大切なものを慈しむような優しさに溢れた演奏である。

小山実稚恵は、ブーニンが優勝した時のショパン・コンクールで第4位。

ちなみに第5位は、ルイサダだが、その年のショパン・コンクールの稀に見るレヴェルの高さが伺い知れる。

SACDマルチチャンネルによる高音質録音も素晴らしいの一言であり、 はじけるようにキラキラ光る、それでいて柔らかいピアノの音は今まで聴いたことがなかったように思う。

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2012年10月24日


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「第4」はブルックナーの交響曲の入門曲と目されているだけに、古今東西のブルックナー指揮者のみならず、ブルックナーをあまり指揮しない指揮者によっても多くの録音・演奏がなされている交響曲である。

オーソドックスな名演としてはベーム&ウィーン・フィルが忘れられないし、最近では朝比奈&大阪フィルやヴァント&北ドイツ放送響(あるいはベルリン・フィルやミュンヘン・フィル)の超名演があった。

さらには、ムーティ&ベルリン・フィルの意外な指揮者による異色の名演も記憶に新しい。

そのような数々の名演を聴いた上で、やはり原点にというか、故郷に帰ってくるような感慨を覚える演奏がこのヨッフム&ベルリン・フィルによる名演だ。

本盤は奇を衒わずスケール感もある程度満足させ、さらに曲名を地で行くロマンティックな様相が魅力的だ。

決して派手さはなく、いわゆる巧言令色からは程遠い。

しかし、このような質実剛健たる愚直とも言うべきアプローチこそが、ブルックナーの「第4」に最も相応しい解釈と言うことができるだろう。

忘れてはならないのは、ベルリン・フィルが重厚でパワフルないかにもブルックナーの交響曲に不可欠の好演を行っているという点だ。

ヨッフムは、その後、ドレスデン国立歌劇場管弦楽団と再録音を行っているが、統率力にいささか綻びが見られることもあり、オーケストラの技量や録音も含めて、本盤の方を上位に置きたい。

シベリウスの交響詩《夜の騎行と日の出》は、ヨッフムとしてはきわめて珍しいレパートリーと言える。

北欧の指揮者の演奏に慣れた耳からすると、いかにもドイツ的な野暮ったさを感じるが、決して凡演というわけではなく、重厚さと繊細さを兼ね備えたなかなかの佳演である。

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2012年10月23日


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既に発売されているヴァンスカによるシベリウス管弦楽曲集からの一部抜粋と、これまで発表されていなかった「フィンランディア」などの3曲を加えた好企画CDである。

本CDの最大の魅力は、SACDマルチチャンネルによる高音質録音ということになるであろう。

マルチでは雄大な世界がさらに広がっている。

ヴァンスカのシベリウスへのアプローチは、華麗さとは全く無縁であり、北欧的な抒情に重点を置いたものであるが、それに現代的なセンスを加えたものと言える。

したがって、SACDマルチチャンネルによって、壮大な音響空間を構築すると言った類のものではなく、むしろ、北欧のやや規模の小さめのコンサートホールで演奏を聴いているような感覚が最も近いのではないかと思う。

これぞ、まさにシベリウスの音楽鑑賞に最も符号したものと言えるのではなかろうか。

既発売の「カレリア」組曲や「春の歌」などは名演として定評があるが、初出の「トゥオネラの白鳥」は何とも言えない深遠な響きが実に感動的。

「レミンカイネンの帰郷」も、決して迫力が売りの演奏ではないが、どこからともなく漂ってくるひなびた北欧的雰囲気は、他の演奏からはあまり聴かれないものだ。

「フィンランディア」は、本CDのラストを飾るだけに、壮大な迫力に満ち溢れているが、それでいて、北欧的な抒情にもいささかの不足はない。

解釈もオーソドックスでオケも上手いので、これらの曲の決定盤と言っても過言ではない演奏であろう。

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2012年10月22日


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1958年5月18日 ウィーン楽友協会大ホールに於けるモノラル(ライヴ)録音。

このような神々しい名演を前にしては、ただただ頭を垂れざるを得ない。

プフィッツナーやM・レーガーは、77歳の老匠とは思えないような活力漲る力強い名演。

そして、メインのブラームスの「第4」だが、これはシューリヒトのこれまでの印象を覆すようなロマン的な名演だ。

筆者は、シューリヒトの「第4」と言えば、バイエルン放送交響楽団と組んだ名演が忘れられず、それは名人の一筆書きとも称すべき枯淡の境地を示したものであったが、このウィーン・フィル盤の演奏は、それとは全く性格が異なる。

第1楽章など、テンポを大きく揺らし、随所に猛烈なアッチェレランドをかけるなど、実に個性的。

第2楽章は、ロマン派的な情緒が溢れんばかりであり、実に感動的だ。

そして、終楽章は、各変奏の描き分けが実に巧みであり、これだけ自由奔放な演奏をしていながら、決してブラームスらしさを失っていないのは、シューリヒトならではの至芸とも言うべきである。

ウィーン・フィルもこのような個性的な棒にしっかりとついていっており、シューリヒトともども感動的な名演を成し遂げることになった。

なお、ボーナス・トラックにシューリヒトのインタビューが約5分間収録されているのは貴重だ。

音質にはやや濁りがあるが、鑑賞に妨げがあるわけではなく、1950年代のライヴ録音としては十分に合格点を与えられる水準にあると言える。

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2012年10月21日


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ヴァントの未発表の超名演をCD化したプロフィールレーベルの快挙である。

ベルリン・ドイツ交響楽団はベルリン・フィルの存在故に影が薄いが、一流の指揮者と組んだ時は、ベルリン・フィルにも匹敵するほどの名演を行うことがある。

本盤は、その最たる例と言えるだろう。

ブルックナーの「第5」及び「第9」は、厳格なスコア・リーディングに基づく凝縮化された造型、鋭い金管の強奏など、ヴァントの個性が全開であるが、ここでは1980年代に見られたようなスケールの小ささは微塵も感じられない。

1990年代の後半のベルリン・フィルやミュンヘン・フィルとの至高の名演の高みに至る確かな道程が感じられるスケールの大きい名演だ。

シューベルトやブラームスの交響曲については、本盤とほぼ同じ時期に手兵の北ドイツ放送響やベルリン・フィル、ミュンヘン・フィルとの録音が遺されており、ここでもヴァントの完成された至高の名演を味わうことができる。

「未完成」の地下から響いてくるような重々しい厳粛さ、「グレート」の巨像の進軍、ブラームスの「第1」の終楽章の主旋律の独特のテンポ設定、「第4」の消え入るような繊細な開始や人生の諦観を感じさせるような抒情など、まさに巨匠だけが醸し出すことができる至高・至純の境地と言えるだろう。

シューマンの「第4」は、ほぼ同時期に録音した北ドイツ放送響を超える超名演だ。

フルトヴェングラーやカラヤン、ベームは、最晩年にシューマンの「第4」の名演を遺して鬼籍に入ったが、ヴァントもこれらの独墺系の巨匠の列に連なることになったものであり、これぞ大器晩成の最たるものと言える。

ベートーヴェンは、「エロイカ」が圧倒的な名演。

北ドイツ放送響との録音が1989年であるだけに、現時点で発表されている演奏では最後のものとなる。

それだけに重厚にして円熟の至芸を示しており、本盤こそヴァント最高の「エロイカ」とも言うべき超名演と評価したい。

併録の「コリオラン」や「エグモント」の両序曲も素晴らしい。

「第1」や「第4」は、後年に北ドイツ放送響との録音があり、そちらの方に軍配を上げたいが、それも高次元での比較であり、本盤の演奏を名演と評価するのに躊躇しない。

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2012年10月20日


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クナッパーツブッシュはワーグナーを得意とした巨匠であるが、他の作曲家の少なからぬ曲についても好んで指揮を行った。

本盤は、そうしたクナッパーツブッシュの得意とした曲を集めた好企画である。

ウィーン・フィルの魅力を引き出しクナッパーツブッシュの個性を十二分に発揮した名演奏ばかりだ。

ハイドンの「第88」は、まさに鈍行列車のようなテンポであり、第1楽章など止まってしまいそうな印象を受けるが、その濃厚な味わいは何とも言えない魅力だ。

第2楽章のむせ返るような抒情も極上の美しさであるし、終楽章の踏みしめるような巨像の行進もスケール雄大だ。

「死と変容」は、めまぐるしく曲想が変化する曲を堂々たるイン・テンポで一貫しているのが凄いが、死の音楽が開始される際のティンパニの一撃はどの演奏よりも凄まじい迫力だ。

終結部の天上の音楽の美しさも出色のものであり、こうした何とも言えない音楽の構えの大きさはクナッパーツブッシュの真骨頂と言えるだろう。

ブラームスの「第3」は、様々なオーケストラと名演を遺しているが、このウィーン・フィル盤も素晴らしい。

第1楽章の迫力も度肝を抜くのに十分であるし、第2楽章や第3楽章の溢れんばかりのロマンティシズムの美しさには、もはや表現する言葉が追いつかない。

終楽章のゆったりとしたテンポによる迫力満点の演奏は、「第3」をブラームスの英雄と称された理由が実にわかるような壮大さだ。

「ジークフリート牧歌」は、ワーグナーを得意とした巨匠ならではの深沈たる何とも言えない味の濃さが魅力の名演だ。

録音は、もう少し鮮明であればと思うが、クナッパーツブッシュの巨大な芸術を味わうには、これでも十分であると考える。

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2012年10月19日


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モーツァルトのヴァイオリン協奏曲はいずれも若書きの作品であり、例えばピアノ協奏曲などと比べると魅力が劣り、むしろ偽作と言われる第6番や第7番の方に軍配があがるほどであるが、今から20年以上も前に録音されたクレーメルとアーノンクールの組み合わせによる全集は、斬新な解釈によって、モーツァルトのヴァイオリン協奏曲の隠れた魅力を再認識させた画期的な名演であった。

ただ、クレーメルのヴァイオリンも十分に個性的ではあったが、アーノンクールの冷徹なアプローチが際立っている点もあり、両者の共同作業という印象が強かった。

現に、本盤のライナーノーツにおいても、クレーメルは、旧録音について、モーツァルトのヴァイオリン協奏曲の魅力を教示してくれたアーノンクールへの感謝を述べている。

この旧録音に対して、本盤は、クレーメルの個性が前面に出た名演と言える。

クレーメルのヴァイオリンが雄弁に語りかけてくるかのような弾き方にも好感がもてる。

今回はアーノンクールがいないのでクレーメル一人が全体を差配するわけだが、楽器はモダンでも十分にピリオド・スタイルを踏まえており、シャープかつ柔軟ないつもの美音も、もちろん健在。

弾き慣れのせいか、番号を追うごとにクレーメル色が強くなり、結局、第5番が最も個性的な出来映えで、爽やかな清涼水のような演奏だ。

クレメラータ・パルティカも実にソフトで優美な演奏を繰り広げているが、こうしたバックのソフトな下支えが功を奏して、クレーメルの決して甘くはならない冷徹で精緻なアプローチが一段と際立つことになっている。

室内楽のような雰囲気のなかで奏でられてゆくモーツァルトだが、これはこれで良いのではないだろうか。

まさに、クレーメルのこの20年以上にもわたる円熟を俯瞰させる渾身の名演と高く評価したい。

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2012年10月18日


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アバドは、ベルリン・フィルの芸術監督に就任して早々の頃は、大オーケストラを指揮すると甘さが目立つが、ヨーロッパ室内管弦楽団などの編成の小さいオーケストラを指揮すると名演を成し遂げるとの説が実しやかに囁かれていた。

筆者も、それに異を唱えるつもりはないが、ベルリン・フィルの芸術監督の任期中途にかかった大病を克服して以降は、見違えるように円熟の至芸を見せるようになったと考えている。

特に、ベルリン・フィルを離れてからのアバドは、別人のような鬼気迫る名演を行うことが多くなり、まさに巨匠の風格を示すようになってきたように思う。

本盤のペルゴレージも、アバドの故国イタリアの薄命の作曲家への深い愛着を感じさせる実に感動的な名演に仕上がっている。

特に、アバドとしても2度目の録音となる「スターバト・マーテル」は、ペルゴレージの最高傑作であることも相まって、おそらくは同曲のベストを争う名演と評価したい。

最近のアバドらしく、ピリオド楽器を使って旧盤には見られなかったオーセンティックな演奏を行っているが、内面に豊かな感情が脈打っているのが感じられる。

歌手陣もオーケストラも、アバドの卓越した統率力の下、最高のパフォーマンスを示している。

知名度がやや劣る「ヴァイオリン協奏曲」や「サルヴェ・レジーナ」も、これらの曲が持つ魅力を再認識させてくれる名演だ。

特に、「スターバト・マーテル」と「サルヴェ・レジーナ」の終曲は静謐に抑えられた演奏から耳には聴こえぬ強い思いの迸りが感じられ、思わず息を止めて聴き入ってしまった。

若い奏者から構成されるモーツァルト管弦楽団はアバドのそのような感情の動きに極めて敏感に反応する能力を持っているように思え、アバドが最近はウィーン・フィルやベルリン・フィルをあまり振らなくなった理由が解るような気がする。

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2012年10月17日


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プロコフィエフの「ロメオとジュリエット」は、最近ではコマーシャルで採り上げられたり、NHKの番組でも放映されたりするなど、急速に有名になりつつあるが、殆どは組曲の形で演奏されるのが主流であり、全曲録音は未だに稀少な存在だ。

かつては、マゼール&クリーヴランド管弦楽団の名演があったが、それ以降は、あまりめぼしい録音に恵まれなかったところである。

そのような中で久々に登場した本盤のゲルギエフの全曲録音は、そんな長年の渇きを癒すのに十分な名演だと思う。

ゲルギエフは、この膨大な全曲の各場面を、実に丁寧に描いていく。

予想通りプロコフィエフらしいグロテスクと紙一重の毒気はほどよく解毒されているが、それでもゲルギエフならではの渾身の熱演。

どちらかと言えば、ゲルギエフには、例えばストラヴィンスキーの「春の祭典」などにも示したように、もっとロシア風のあくの強い演奏を期待したいところであるが、本盤は、それを封印して、優雅にして高貴なバレエ音楽をイメージして演奏したのではないかとも思えるほどの柔和さを示している。

しかし、これほど精緻に、そして丁寧に、各場面を描き尽くした演奏は立派というほかはないと言うべきであり、決して物足りなさを感じさせることはなく、名演として高く評価したいと考える。

ゲルギエフは世評のようなカリスマなのではなく、実は本来極めてオーソドックスな指揮者なのだ。

これを聴くと、音だけでなく踊りを楽しむと同時に振り付けと音楽のマッチングもゲルギエフ&キーロフ・バレエで観てみたいという思いに駆られる。

滑らかさとダイナミズムを併せ持ったSACDマルチチャンネルによる高音質録音も、この名演に華を添えている。

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classicalmusic at 21:39コメント(0)トラックバック(0)プロコフィエフゲルギエフ 

2012年10月16日


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オペラや交響曲の大作を指揮して数々の名演を聴かせてくれたカラヤンは、また同時にオーケストラの小品を指揮しても他の追随を許さない非凡にして絶妙な演奏を披露してくれた。

カラヤンは、大曲であろうと、本盤に収められた小曲であろうと、どのような曲を録音するに際しても決して手抜きをしなかった。

過去の巨匠では、決して小曲をおろそかにしたのではなかろうが、本盤のような小曲集を録音をする指揮者は少数であったこともあり、カラヤンの小曲集の質の高さは群を抜いている(アンチ・カラヤン派からは、それをセールスマンとして批判するのだろうが)。

本盤の出来も見事というほかはない。

特に、名演は「ヴィシェラフト(高い城)」。

チェコ出身の指揮者が行うチェコへの愛着を主体とした演奏とは異なるが、重心の低いベルリン・フィルを統率して、重厚にして壮大な珠玉の名演を成し遂げている。

「モルダウ」は、1980年代の最後の録音の方が味わい深く、そちらの方に軍配をあげたいが、それも高い次元での比較。

本盤の演奏も名演と評価するのにやぶさかではない。

筆者はスメタナの『わが祖国』が大好きなのであるが、カラヤンには是非とも「シャールカ」以降の4曲の録音を遺してほしかったという思いが強く、残念でならない。

「前奏曲」は、1980年代にも再録音しているが、統率力においてやや陰りがみられることもあり、本盤の方に軍配をあげたい。

おそらくは、フルトヴェングラーの名演と並んで、同曲の最高の名演と評価したい。

リストの他の2曲もカラヤンならではの名演ぞろいであり、本盤は、小曲においても惜しみなく全力を尽くしたカラヤンの至芸を味わうことができる名演集と言うことが出来よう。

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2012年10月15日


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1986年5月 ウィーン、ムジークフェラインザールに於けるデジタル(ライヴ)録音。

アバドは、ベートーヴェンの交響曲の演奏に際しては、滑らかなフレージングをベースに旋律を歌い抜き、高貴な優美さを基調とした明るめのアプローチを行っている。

これは、ドイツ風の重厚な演奏とは一線を画する演奏であり、楽曲によってはいささか軽いという印象を与えるきらいがあった。

しかし、この「第9」については、そのような側面も随所に散見されるものの、アバドとしては重心の低い重厚な演奏を行っている。

特に、第1楽章に顕著であり、このように力強いアバドは他ではなかなかお目にかかれない。

第2楽章も堂々たるイン・テンポ。

第3楽章になるとアバドならではの歌謡性が全面に出てくるが、このようなアプローチが曲想と見事にマッチし、晩年のベートーヴェンならではの至高、至純の名旋律を気高く歌い上げている。

終楽章はオペラを得意としたアバドならではの真骨頂であり、旋律の歌いあげなど抜群のセンスを感じる。

ウィーン国立歌劇場の合唱も独唱陣も圧倒的な熱唱でアバドの指揮に応えている。

アバドがこれほどまでの名演を成し遂げることが出来たのも、頑固なまでに自分たちの流儀を押し通すウィーン・フィルの力量によるところが極めて大きいのではないかと思われる。

当時は新たなベートーヴェン像を打ち立てたと言われたCDだったが、今となっては実にスタンダードな演奏である。

後年に、手兵となったベルリン・フィルと2種の「第9」を録音したが、とても本盤の域には達しておらず、軽量級の凡演に陥ってしまっている。

アバドにもこんな時代があったのだと認識して欲しい1枚である。

SHM−CD化による音質向上は、いつもながら目覚ましい。

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classicalmusic at 21:39コメント(0)トラックバック(0)ベートーヴェンアバド 

2012年10月14日


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日本での評価が低い実力派ビシュコフの代表的名盤で、ビシュコフ&ケルン放送交響楽団の進境著しさを示す名演だと思う。

荘厳な、しかし柔らかい響きに包まれた『アルプス交響曲』。

全ての細部が鮮やかに描き出されながらも、それらが冷たく遊離する事なく、一つの巨大な有機体として息づいている。

『アルプス交響曲』は、全体としては50分を切るタイムということで、平均的には速いが、聴き終えた後ではそのような印象を全く受けない。

むしろ、「頂上にて」や、「嵐の後の夕べ」の箇所など、他の様々な演奏よりもゆったりとしたテンポで旋律を美しく感動的に歌いあげている。

「嵐」の部分はさすがに速いが、このあたりの情景描写は見事で、凄まじいド迫力。

まさに、このコンビの好調ぶりを窺い知ることができる。

『ティル』も、物語に丁寧に寄り添った、新鮮極まりない演奏で、あたかも生き物のような緩急自在のテンポ設定が見事であり、金管も木管も実に巧い。

ユーモアを少し隠し味にしたような演奏も魅力的で、ビシュコフの語り口の上手さには脱帽する。

R.シュトラウスの華麗なオーケストレーションの魅力を引き出したビシュコフの手腕に拍手。

いよいよ偉大な指揮者となりつつあるビシュコフの真骨頂を聴くようだ。

ビシュコフ&ケルン放送響、このコンビでどんどん録音してほしい。

そして、両曲ともに素晴らしいのは、SACDマルチチャンネルによる高音質録音だ。

R.シュトラウスの巧妙なオーケストレーションをこれほどまでに鮮明な音質で捉えたCDは、空前にして絶後というべきではなかろうか。

指揮者、オーケストラ、そして録音の3拍子揃ったCDと高く評価したい。

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classicalmusic at 21:13コメント(0)トラックバック(0)R・シュトラウス 

2012年10月13日


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セルゲイ・エデルマンは1960年ウクライナ生まれのピアニスト。

これまでも録音活動がないわけではなかったのだが2009年からトリトーン・レーベルと契約し正規にリリースを開始し、一躍名が知られるようになった。

このバッハのクラヴィーア曲を集めたアルバムがその第一弾となるわけで、実質的なデビュー盤と言っていいだろう。

エデルマンは、長い活動休止期間を経て、本盤を久々に録音したということであるが、漸く50歳に到達しようというピアニストとは思えないような、堂々たる巨匠風のピアニズムだと思う。

「半音階的幻想曲とフーガ」は、第1部の幻想曲からして雰囲気満点の味わい深さだ。

フーガの威風堂々たる歩みも壮大なスケールであり、同曲のトップを争う名演と言っても過言ではあるまい。

「イタリア協奏曲」の第1楽章の快活さも、卓越したテクニックを駆使したこれ以上は望めないような表現ぶりであるし、第2楽章の内省的な憂いや第3楽章の胸のすくようなプレストも感動的だ。

「パルティータ」第6番は、緩急自在のテンポ設定とダイナミックの幅の広さを最大限に生かして、各部を巧みに描き分けしている点を高く評価したい。

これだけの名演を聴かされると、エデルマンには、例えば、「ゴルトベルク変奏曲」や「平均律クラヴィーア曲集」などのバッハの他のピアノ作品の演奏を聴きたいというのは筆者だけではあるまい。

今後の演奏・録音活動が楽しみなピアニストの登場である。

録音は、SACDマルチチャンネルによる極上の音質であり、部屋がコンサートホールにいるような豊かな音場に満たされた。

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2012年10月12日


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初演者オイストラフによるショスタコーヴィチの第2協奏曲西欧初演ライヴ。

とんでもない録音が残されていたものだ。

作品の献呈者にして初演者である、オイストラフによるショスタコーヴィチの第2協奏曲は、モスクワ初演から間もない1967年11月26日におこなわれた演奏で、西側での初演ドキュメントという歴史的意味でも計り知れない。

オイストラフにはそのモスクワでの世界初演ライヴ録音をはじめ、また、すでにBBC LEGENDSには翌1968年8月のスヴェトラーノフとのライヴ録音などがあり、いずれも緊張感と手ごたえで圧倒的な存在感をみせつけているが、このたびのライヴもこの皮肉に満ちた問題作を抜群のテクニックで弾き切っており、また文字通り決定盤にふさわしい内容といえるだろう。

演奏は、この作曲者特有の諧謔性と悲劇性を併せ持つ名作の本質を、オイストラフが高度な技量を駆使して描いていく様は見事であり、オーマンディ&ロンドン交響楽団の合わせ方も素晴らしい。

ちなみに、当夜はLSOトラスト(信託基金)を目的としたガラ・コンサートということで、ブリス作曲のファンファーレで幕を開けている。

カップリングのチャイコフスキーは、大家オイストラフではやはりいくつもの別演奏を数えるなかでもっとも時期の新しいもの(1972年)。

オイストラフの十八番だけに数々の録音が遺されているが、本盤はその中でも最上位にランクされるものの一つではないだろうか。

チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲が持つロシア風の抒情を最大限に生かしつつ、卓越したテクニックにもいささかの不足もない。

テクニックはもとより緩徐楽章でのメランコリックな旋律の歌いまわしなど格別の味わいだ。

また、録音についても、両曲ともに、1960年代後半から70年代初めにかけてのライヴ録音とは思えないくらいの鮮明さだ。

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2012年10月11日


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堂々たる音色と多彩なテクニックを持つアルカディ・ヴォロドスが、ピアニストのレパートリーの中でもっともよく知られた名作である、チャイコフスキーとラフマニノフの協奏曲に挑戦した。

かつて2枚に分かれていたチャイコフスキーの「第1」とラフマニノフの「第3」を、それぞれの盤にカップリングされていたピアノ曲の小品を除いて1枚にまとめたもの。

いずれも、卓越したテクニックを誇るヴィルトゥオーゾ・ピアニストであるヴォロドスならではの圧倒的な技量と、小澤、レヴァインという名指揮者、さらに、ベルリン・フィルという役者が勢ぞろいした贅沢な名演である。

ヴォロドスのスタンダードナンバーの演奏は非常に端正であり、その演奏スタイルは地味で虚飾のない正統派を意識している。

チャイコフスキーの協奏曲は、ヴォロドスがベルリン・フィルの定期演奏会に登場した時のライヴ。

彼の実力をまざまざと見せつけ、絶賛された演奏だ。

小澤征爾の指揮も完全燃焼している。

ラフマニノフの協奏曲でもヴォロドスは、レヴァイン=ベルリン・フィルという強力なサポートを受けて、持てる力を存分に発揮している。

いずれも現代最高の演奏家たちによる至上の調べを堪能できる名演である。

かつての2枚については、筆者も既にSACDで聴き、それも実に素晴らしい高音質であったと記憶しているが、CDに掲げてある表示によれば、本盤はBlu-spec-CD化のため、昨年に新たにDSDマスタリングした音源を使用しているとのことであり、SACDとは違った魅力のある音質に生まれ変わっている。

チャイコフスキーの冒頭のホルンなども鋭角のとれたやわらかい音色で、この部分を聴くだけでも、新たなDSDマスタリングが効果的であったことがよくわかる。

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2012年10月10日


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グールドの全く対照的な新旧2つの「ゴールドベルク変奏曲」を一つのセットに収めた好企画盤。

旧盤の繰り返しをすべて省いた一直線の快速の演奏、新盤のゆったりとしたテンポで、自らの人生を顧みるかのような味わいのある演奏。

いずれも優劣の付け難い永遠の超名演と言うべきであるが、それを一つのセットにまとめることによって両者の違いをより明確に聴き分けることが可能となったのも大いに評価に値する。

新盤では、繰り返しの実施の有無が各変奏曲によってバラバラで一貫性がないとの批判が一部にあるが、これは、グールドのバッハ解釈の究極の到達点を示すものとして、むしろ肯定的に解釈すべきではなかろうか。

もちろん、グールドのバッハだけが、バッハ演奏の正当な解釈であると言うつもりは毛頭ないが、従来の古色蒼然たるバッハ解釈に新風を吹き込み、芸術性を損なうことなく、バッハの知られざる魅力を堪能させてくれたという意味では、グールドの功績は大と言わざるを得ないだろう。

不眠症のカイザーリンク伯爵がゴールドベルクではなくグールドの演奏を聴いたら、さて、どんな感想を持ったであろうか?

これなら眠くなるどころか、面白くて目は爛々と輝き出すだろう。

SACDほどではないが、Blu-spec CD化によって、かなりの高音質でグールドの超名演を鑑賞できるのは大変嬉しい限りだ。

1981年録音も従来のデジタル最初期のトゲトゲしさがなく、更に嬉しいのは、1955年録音が遜色ない素晴らしい音にリフレッシュしている。

素敵なブックレットも付いているし、アウトテイクも貴重である。

特にアウトテイクを聞いているとグールドの芸術性の高さを確認できる。

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classicalmusic at 21:46コメント(0)トラックバック(0)グールドバッハ 

2012年10月09日


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キーシンの進境には著しいものがあるが、そのことをあらためて思い知らされる1枚だ。

キーシンのソロは、アバドとの旧盤を超える名演。

キーシンのテクニックの切れ味は最高で、粒立ちの良さと音色の美しさを併せ持っている。

プロコフィエフのピアノ協奏曲の演奏に要求される超絶的な技巧を力強い打鍵で弾きぬき、それでいて、決して技術偏重の無機的な演奏に陥ることなく、ロシア的な抒情の表現にいささかの不足もない。

キーシンの完璧なメカニックとそれに優るとも劣らぬほどに横溢するポエジーがよく伝わってくる。

切れ味が鋭く、第3番のリファレンスとなる演奏だろう。

かつて、ピアノ協奏曲全集に名演を残したアシュケナージが指揮し、音が美しくダイナミックで十分な好サポートをしている。

筆者の中でプロコフィエフのピアノ協奏曲といえば、ユンディ&小澤/ベルリン・フィル(第2番)やアルゲリッチ&アバド/ベルリン・フィル(第3番)である。

それは今でも変わらないが、このプロコフィエフはどちらも高水準の演奏だと感じた。

ロシアの空気が漂い、その雄大な風景が目の前に現れたようであった。

前述の2つの演奏とはまた違う雰囲気があり、さらにキーシンの成長ぶりが伺える1枚だと思う。

このCDで驚くのは録音の素晴らしさ。

EMIとは思えない、クリアで広がりがあり、キレのある録音で、いつもの分厚い緞帳越しに聴いているような音とは大違いだ。

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classicalmusic at 21:36コメント(0)トラックバック(0)キーシンアシュケナージ 

2012年10月08日


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「チェコ内の最高のホルン奏者を集めた、高い音楽性とクオリティを持った最高のアンサンブル」とバボラークが自信を持って語る「チェコ・ホルン・コーラス」によるアルバム。

チェコの歴史ある都市、モストの教会においてゴシック・オルガンを使用し、ブルックナーのミサやモテット集を演奏。

長い歴史の中で培われ、世界中の演奏家たちに今なお影響を与え続けているチェコ・ホルンの伝統的なアカデミーの中で育った奏者たちによるアンサンブル。

名実ともに世界一のホルン奏者、バボラークを筆頭に、チェコの主要オーケストラから集った精鋭たちによって構成されている。

完璧に調律されたホルンとオルガンの管から響く持続音の気持ち良さは、長い残響音とともにやわらかく荘厳に響くそれはまさに「天上の音楽」。

音程を取るのが難しそうな楽器でこれだけのハーモニーを生み出すことができたら、きっと吹いている人も天上に舞い上がるような幸福感に包まれていることだろう。

ブルックナーの真髄はもちろん交響曲にあるが、宗教曲も素晴らしい。

筆者が最も好きなのは、「アヴェマリア(アヴェマリア第3番)」と、グラドュアーレ「正しい者の口は知恵を語り」の2曲だが、このCDにはその2曲とも収められている。

演奏自体も優れているが、何よりこの隠れた名曲2曲の新たな魅力が発見できたことに感謝したいし、一人でも多くの人に聴いて欲しいCDだ。

また最終トラックの、約25分間も響き渡る交響曲第7番第2楽章「アダージョ」(ホルン・ソロ&オルガン)の演奏における、バボラークとバールタのデュオは圧巻。

その暖かで荘厳なブルックナーの和声が、深く心に染み入ってくる。

録音も教会の残響を生かした見事なものだ。

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classicalmusic at 21:18コメント(0)トラックバック(0)ブルックナー 

2012年10月07日


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スウィトナー晩年(1989年)の貴重な遺産。

原曲のピアノ連弾版よりオーケストラ版の方が広く親しまれている「ハンガリー舞曲集」全21曲を、名指揮者スウィトナーが、手際よくまとめあげた名盤。

ハンガリー舞曲は、いずれも魅力的な佳曲揃いであるにもかかわらず、後輩であるドヴォルザークが作曲したスラヴ舞曲に比較して、全集録音にはあまり恵まれているとは言い難い。

それは、ブラームスによる作曲というよりは編曲に近いということ、そして、ブラームスの手によってオーケストレーションされた曲がわずか3曲に過ぎず、様々な作曲者の手によって編曲がなされ、管弦楽曲としての均質性にいささか問題があるという点に理由があるのではないかと考えている。

スウィトナーは、こうした弱点を見事に克服し、数少ないハンガリー舞曲の全曲録音の中でも、ドイツ的な重厚さを兼ね備えた名演と言えるだろう。

とても洗練された演奏で、推進力にあふれ、何度聴いても飽きがこない。

思いのほか、ゆったりとしたテンポで、哀愁にみちた旋律を浮き彫りにしている。

各曲の描き分けも実に巧みで、「ハンガリー舞曲集」の魅力を大いに満喫することができる。

シュターツカペレ・ベルリンはスウィトナーが長年音楽監督を務めていたオケだけに、楽員たちがスウィトナーの棒に十全に応え、演奏する喜びがどの曲にも表れている。

やや速めのテンポでまとめた第1,6番、メロディをたっぷりと流した第4番、軽快に運んだ第7番、開始部の演出のうまい第12番、ジプシー調を強く打ち出した第17番など、いずれも素敵な演奏だ。

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2012年10月06日


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アンネ=ゾフィー・ムターが1976年13歳の時にカラヤンのオーデションを受けこの曲の録音が1979年9月。

これが弱冠16歳の少女の演奏とは思えないほど堂々としたものだ。

カラヤンの協奏曲録音には、ロストロポーヴィチやリヒテルなどとの競奏的な名演もあるが、フェラスやワイセンベルクなどとの演奏のように、ソリストがカラヤン&ベルリン・フィルの一部に溶け込んでしまう傾向も散見される。

本盤も若いムターとの共演でもあり、そのような懸念があったが、それは杞憂だった。

それどころか、カラヤンは極力自我をおさえ、ムターの才能と将来性を最大限に引き立てようとの配慮さえ見られる。

演奏は第1楽章が特にすばらしい。

ムターは遅めのテンポで、自分の考えを細部まで推し進める。

特に随所に見せるノン・ヴィブラートでの弱音の効果の大胆さに驚かされる。

カラヤンの指揮は時に重すぎる感じを与えることがあるが、非常にスケールが大きい。

第2楽章以下もムターは、潤いのある音で優美に演奏している。

彼女の個性は単なる知的な解釈とかテクニックの冴えというよりも、人間性と結びついたもののようだ。

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2012年10月05日


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音楽評論家の故黒田恭一氏は、数年前の音楽テレビ番組の中で、クライツベルクの将来に大いに期待とのことを言って高く評価していたと記憶するが、本CDは、その理由が十分過ぎるくらいにわかる名盤だと思う。

どの曲も、堂々たるゆったりとしたテンポによる巨匠風の名演で、ワーグナーの音楽の魅力を満喫させてくれる。

「タンホイザー」序曲が特に素晴らしく、これほど深い表現は滅多に聴けるものではない。

まず出だしの管楽器の響きから引き込まれる。

和音のバランスが絶妙である。

一流とは言えないオランダ・フィルからこれほどの音を引き出すのは、よほどの才能であろう。

中間部の微妙な感じもとても良い。

特筆すべきは、後半の盛り上がりである。

弦楽器の下降音階に乗ってクレッシェンドしてくる管楽器には圧倒される。

音量で圧倒するのではなく内面に訴える音づくりはまことに素晴らしく、聴くたびに感動する。

繰り返すが、決して一流とは言えないオランダ・フィルにこれだけの名演奏をさせたクライツベルクの統率力は高く評価されるものである。

クライツベルクが思いがけず若くして世を去ってしまった今、「彼は天才であった」という感を深くする。

ペンタトーンに彼が残した録音は、どれも最高の音質であり、この遺産だけでも有り難いと思わなければいけないであろう。

しかし音よりもなによりも特筆すべきは演奏の素晴らしさ。

こんなに豊かなワーグナーは最近の他の指揮者からは聴く事ができなかった。

名曲の名演奏あっての名録音であり、賛辞を惜しまない。

ほんとうに、出来るだけ多くの人に聴いていただきたいと筆者は思っている。

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2012年10月04日


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「第4」には、ゲルギエフ、ラトル、ミュンフンの3大名演があり、いずれも同曲の複雑怪奇な特徴を活かした劇的な演奏であった。

それに比して、ビシュコフもトップクラス入りの資格十分の快演だが、冒頭から実に整然とした演奏を聴かせる。

いささか物足りないと思うほどだ。

しかし、楽曲が進むにつれ、ビシュコフの演出巧者ぶりにすっかり惹き込まれてしまった。

これは、まさにビシュコフによって計算され尽くした名演なのだ。

それゆえに、複雑怪奇な「第4」が、厳しい造型のもと、古典的な大交響曲のように整然と聴こえる。

これは「第4」の演奏史上でも稀有のもので、ビシュコフの類いまれなる才能の証左だと思う。

同じオケを振ったバルシャイと比べても格段にスケールが大きく、大きな構えのなかに鳥肌の立つような緊張がいっぱいに詰まっている。

特に感動したのは、第3楽章のラスト。

遅いテンポで怒りのこぶしを突き上げるような終楽章最後のクライマックスの壮大さでは、これを凌ぐものはない。

そして、全オーケストラによる大強奏が終わった後の静寂さ、清澄さは、ゲルギエフらの3大名演をも凌ぐ同曲の最高の聴かせどころであると言えよう。

今まで聴いた同曲盤の中で最も説得力のある演奏の一つで、本盤は、ライヴの経験を活かしてのスタジオ録音ということで、演奏に更なる完成度を誇る名盤の誕生と言えよう。

SACDマルチチャンネルによる高音質も素晴らしい。

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2012年10月03日


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このSACDはロシア系アメリカ人指揮者、ヤコフ・クライツベルク(ビシュコフの弟)と、ウィーン交響楽団によるもので、皆さんおなじみのウィーン・フィルのニューイヤーコンサートとは若干異なる演奏である。

収録内容はシュトラウス鏡い裡饗腑錺襯弔里澆如■横娃娃看6月ホームグラウンド(コンツェルトハウス)でのセッション録音である。

演奏といい、選曲といい、そしてSACDによる高音質録音といい、正に3拍子揃った名盤だと思う。

クライツベルクがいつもの手兵のオランダ・フィルではなく、ウィーン交響楽団を起用したのも大きい。

どれも華やかさはないものの、大変きちんとした演奏スタイルで、まじめな音作りが施されている。

だが決して堅苦しいとか野暮ったいものではなく、ウィンナ・ワルツ独特のテンポとリズムのゆらぎは随所に聴かれ、エスプリの効いた雰囲気はやはり本場ものである。

もちろん、ウィーン・フィルなどと比べてどうという批評は簡単だが、クライツベルクは、ウィーン交響楽団を見事に統率して、ウィンナ・ワルツの数々の美しい旋律を雰囲気満点に謳いあげ、眼前でウィーンの宮殿での舞踊が行われているかのような典雅な雰囲気を醸し出している。

毎年ニューイヤーコンサートは、一度映像を見るかCDを聴いたらもう十分だが、このCDならウィンナ・ワルツのスタンダードとして、優れた録音とも相俟ってリピート鑑賞に耐えうるもの思う。

難を言えば、「コンセプトは異なるが、ポルカやマーチなどの他のジャンルも入れたアルバムにしても良かったかな」、と思われるが、これはこれでお薦めできるCDだ。

できれば第2集をと思っていた矢先、クライツベルクは2011年3月15日、モンテカルロの病院で癌のため、51歳の若さで亡くなってしまった。

1ヶ月前の2月14日にはアムステルダムでオランダ・フィルを指揮するほどの体調だったらしいが、非常に急に病状が悪化したものと思われる。

この場を借りて心よりご冥福をお祈り致します。

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classicalmusic at 21:10コメント(0)トラックバック(0)シュトラウス 

2012年10月02日


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手垢に汚れたマーラーの「第1」を、新鮮な解釈で洗い流してくれるようなまさに新時代を感じさせる名演だ。

全体としては丁寧な演奏を心掛けているが、決して安全運転というのではなく、盛り上がりに向けての効果的なアッチェレランドや、緩急自在のテンポ設定、時折見られる美しいレガードなど、ホーネックならではの個性的な解釈が随所に見られる。

日本では読響への度々の客演でお馴染みのホーネックも今やピッツバーグ響とシュトゥットガルト歌劇場を押さえる実力者。

速いところではちゃんとテンポが上がるが、基本テンポが終始遅めなのは優秀な録音(拍手入りライヴとしては驚異的水準)を利してスコアを隅々まで聴かせようという意図か。

管が活躍するところは硬質の金管でまとめ、静かな部分はレガートで非常に美しく演奏させるというメリハリあるなかなかの力演である。

この曲らしい若さや勢いはやや削がれた感があるが、その代わり、マーラーならではの凝ったオーケストレーションを堪能できるし、そんなに大芝居を打つわけではないが、随所でこの指揮者ならではの個性的なスコアの読みが確認できる。

「レコード芸術」で吉田秀和氏が「この指揮者は、ウィーン・フィルでいろんな指揮者の棒の下で弾きながら、『自分ならこうする』と思うことが、いっぱい溜まっていたに違いない」といった趣旨のことを書かれてあったが、全くその通りだと感じる。

よくぞここまでやりたいことをやり遂げたし、オーケストラも大熱演で、ここ数年のマーラーの録音の中でも最高に楽しんで、最高に感動した。

そして、何よりもこのCDの素晴らしさは、筆舌には尽くしがたい鮮明な録音。

オンマイク気味で楽器の音を生々しく拾い上げた録音も痛快で、各楽器の音が、例えば終楽章の冒頭や終結部の大音量の箇所でも、これほどまでに分離して聴こえた例は他に知らない。

しかも、SACDのマルチチャンネルでなく、2チャンネルでもホールの空間が感じられるというのは、本CDの並はずれた音質の鮮明さ、素晴らしさを示していると言えよう。

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classicalmusic at 21:39コメント(0)トラックバック(0)マーラー 

2012年10月01日


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SACDでは、なぜか録音に恵まれないブラームスだが、そんな中で唯一の交響曲全集の登場だ。

録音・演奏ともに素晴らしい。

4曲いずれも名演と言えるもので、各曲の演奏の出来にむらがないのが素晴らしい。

全体の造型は、第1楽章での提示部の反復を必ず行うなど、正統で重厚なイン・テンポを装っているが、例えば4番の終楽章の終結部では猛烈な加速を見せるなど、ビシュコフならではの個性的な一面も見せる。

惜しむらくは、出来れば余白に「ハイドンの主題による変奏曲」(指揮者とオケの力量がよくわかる作品)くらいの管弦楽曲を収録して欲しかったこと。

2番がとてもおもしろい演奏でこの中では筆者は一番気に入った。

1・3番はオケの伝統と指揮者のコントロールが行き届いた名演。

4番だけが若干不満が残ったが、それは筆者がこの作品に晩年のワルターやカラヤン、ザンデルリンク盤にあるような”枯れた”味わいを求めたからで、これはこれで良い演奏で支持するリスナーもいるだろう。

筆者としては、ブラームスには悲壮感漂うというかもう少し厳しいものを期待して聴いたのだが、ビシュコフのブラームスはほのぼのとした感じがかえって新鮮な感じで、”大らかで明るいブラームス”であった。

カラヤンはビシュコフを後継者の一人と認めたが、そうした高評価が決して過大なものではないことを証明する全集だ。

ブラームスの交響曲全集では今なお稀少な存在のSACDによる高音質録音も嬉しい。

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classicalmusic at 21:44コメント(0)トラックバック(0)ブラームス 
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