2013年10月

2013年10月01日


この記事をお読みになる前に、人気ブログランキングへワンクリックお願いします。



本盤には、悲劇のチェリストであるデュ・プレがスタジオ録音したハイドンのチェロ協奏曲第2番と、世に知られているとは言い難いシェーンベルクが編曲したモンのチェロ協奏曲が収められている。

いずれも、デュ・プレならではの圧倒的な超名演だ。

デュ・プレは、得意のエルガーのチェロ協奏曲やドヴォルザークのチェロ協奏曲を演奏する時のみならず、どのような楽曲の演奏に臨むに際しても全力投球で、体当たりとも言うべき渾身の演奏を行ったと言えるところであるが、本演奏におけるデュ・プレによる渾身の気迫溢れる演奏の力強さについても、とても女流チェリストなどとは思えないような圧巻の凄まじさである。

本演奏の数年後には多発性硬化症という不治の難病を患い、2度とチェロを弾くことがかなわなくなるのであるが、デュ・プレのこのような壮絶とも言うべき凄みのあるチェロ演奏は、あたかも自らをこれから襲うことになる悲劇的な運命を予見しているかのような、何かに取り憑かれたような情念や慟哭のようなものさえ感じさせる。

もっとも、我々聴き手がそのような色眼鏡でデュ・プレのチェロ演奏を鑑賞しているという側面もあるとは思うが、いずれにしても、演奏のどこをとっても切れば血が出てくるような圧倒的な生命力に満ち溢れるとともに、女流チェリスト離れした強靭な力感に満ち、そして雄渾なスケールを伴った圧倒的な豪演は、我々聴き手の肺腑を打つのに十分である。

それでいて、両曲の緩徐楽章などにおける繊細にして情感の豊かな表現おいてもいささかの不足はないと言えるところであり、その奥深い情感がこもった美しさの極みとも言える演奏は、これからデュ・プレを襲うことになる悲劇が重ね合わせになり、涙なしには聴くことができないほどのものである。

デュ・プレのチェロ演奏のバックの指揮をつとめるのは名匠バルビローリであるが、ロンドン交響楽団を巧みに統率するとともに、デュ・プレのチェロ演奏のサポートをしっかりと行い、両曲の魅力的な数々の旋律を歌い抜いた情感豊かな演奏を繰り広げているのが素晴らしい。

音質については、1967年のスタジオ録音であるが、単独盤として手に入らない状況にあり、輸入によるセット盤の中で聴くしか方法がなかったところであるが、当該従来CD盤は今一つ冴えない音質であった。

しかしながら、今般、ついに待望のSACD化が行われることによって、見違えるような鮮明な音質に生まれ変わった。

とりわけ、デュ・プレのチェロ演奏の弓使いが鮮明に再現されるのは殆ど驚異的ですらある。

いずれにしても、デュ・プレ、そしてバルビローリ&ロンドン交響楽団による素晴らしい名演を、SACDによる高音質で味わうことができるのを大いに歓迎したい。

ところで、クラシック音楽情報ならこちらがオススメです。
人気ブログランキング



フルトヴェングラーのCDなら、 フルトヴェングラー鑑賞室



classicalmusic at 00:26コメント(0)トラックバック(0)デュ・プレバルビローリ 
メルマガ登録・解除
 

Profile

classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

Categories
Archives
Recent Comments
記事検索
  • ライブドアブログ