2020年12月

2020年12月31日


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「完全なる音楽家」と称賛される現代最高の巨匠指揮者にして、ピアニストでもあるダニエル・バレンボイムは70年以上にわたってベートーヴェン作品に取り組んできた。

その彼が、今年のベートーヴェン生誕250周年にあたって32曲のベートーヴェンのピアノ・ソナタ全曲とディアベッリ変奏曲を、ベルリンのピエール・ブーレーズ・ザールで録音した。

これは彼にとって映像も含むと、なんと5度目のベートーヴェンのピアノ・ソナタ全曲録音となった。

(第1回1966〜1969 [EMI]、第2回1981〜1984 [DG]、第3回1983〜1984 [メトロポリタン・ミュニク制作の映像]、第4回2005 [DECCA])

この全集は、輸入盤とデジタル配信は10月30日に、ハイレゾ音源も収録した国内盤はベートーヴェンの誕生日とされる12月16日に発売された。

32曲のピアノ・ソナタをCD1〜CD10の10枚に収録、CD11にディアベッリ変奏曲を、CD12とCD13は、ウエストミンスター・レーベルに1958年、当時15歳の天才少年だったバレンボイムが録音した6曲のピアノ・ソナタを収録している。

今回の録音は、今年のコロナ・ウィルスのパンデミックのために多くの公演が中止となり、バレンボイムがベートーヴェンの楽譜に深く没頭したことにより実現した。

4月にピエール・ブーレーズ・ザールから全世界に配信したライヴ・ストリーミング・コンサートのディアベッリ変奏曲のライヴ録音に続き、ピアノ・ソナタ全曲を5月〜6月にスタジオ録音した。

「ピアノを弾くことだけに3ヵ月もの時間を費やしたことは過去50年間無かった」とバレンボイムは語っている。

1942年生まれのバレンボイムは10歳のときに、初めてベートーヴェンのピアノ・ソナタを聴衆の前で演奏し、15歳でウィグモア・ホールにリサイタル・デビューした――このときの演奏曲目には、《ハンマークラヴィーア》ソナタも入っていた。

そして、このステージが彼の華やかな国際的キャリアの出発点となった。

ピアニスト、指揮者の両方で成功を収め、ウェスト=イースタン・ディヴァン管弦楽団およびベルリン・バレンボイム/サイード・アカデミーの創設者でもあるという経歴のすべてを通して、彼はベートーヴェンの音楽と、その人生のあり方に深く寄り添ってきた。

アンネ=ゾフィー・ムターは、この新録音に寄せた文章の中でこう述べている。

「ダニエル・バレンボイムほど、ベートーヴェンの人生観を体現し、演奏で実際に表現できる音楽家はほかにいません」

私たち人間が予測もつかない困難に遭遇した今年、バレンボイムが立ち戻ったのは、ベートーヴェンだった――これらの作品を、数えきれないほど何度も演奏してきたにもかかわらず――彼が望んだのは、これらの作品を「初心に立ち帰って」演奏することだった。

豊富な経験にもかかわらず、バレンボイムはこれらの作品に「ゼロから」アプローチし、作品に新たな光をあてている。

まさに、現代最高のベートーヴェン・マスターによる決定盤となる全集の登場と言える。

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classicalmusic at 13:14コメント(0)ベートーヴェンバレンボイム 

2020年12月24日


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マタイ受難曲はJ.S.バッハの最高傑作、そして磯山雅氏は日本におけるJ.S.バッハ研究の第一人者である。

その磯山氏がマタイ受難曲と真っ正面から取り組んで、長大な受難曲のテキストを新しく訳出し、ひとつひとつの場面、ことば、フレーズに解説を付した成果が本書になる。

礒山氏のライフワークに相応しい高度な研究書であり、バッハのマタイ受難曲鑑賞の為のガイドブックとしても計り知れない理解と助言を与えてくれる。

文章は難解な術語もなく、一般向けに理解しやすく読みやすいものになっており、理解に難渋することのないのが特徴でもある。

しかも平易そのものの文章に盛り込まれた高度な内容は、愛好家から専門家まで幅広い読者を満足させるものだ。

礒山氏はマタイを構成する全68曲に自らの訳と解説、そして可能な限りの解釈を示し、参照楽譜の断片も多数掲載している。

本書を読み進めていくとバッハが如何に心血を注いでこの曲を作曲していったかという事を思い知らされる。

著者がバッハの最高傑作と言ってはばからない理由がそこにあり、またその説明にも説得力がある。

特に残された自筆譜から読み取る各場面の心理描写における調性の選択、そして形象や表象、数象徴については作曲家の天才的な、あるいは殆ど病的なまでの技巧が凝らされている事実には感動を禁じえない。

何故なら私達が実際の音楽を聴いてそれを総て感知できる為には相当の学習が必要だからだ。

つまりバッハは聴衆はともかくとして自分自身の為にこの曲を書いていたのではないか、という疑問さえ生じてくる。

興味深い逸話としては、当時のパート譜から判断される楽器奏者の持ち替え演奏だ。

経済的にオーケストラの人員を増やすことがままならなかった事情から、彼らもフルに活用されていた。

第1ヴァイオリンの奏者は持ち替えでブロックフレーテも吹いていたのだ。

尚最後に置かれた同曲のCD批評には、彼の正直で忌憚の無い意見が述べられていて、どの演奏を聴くべきか迷っている方には最良の手引きとなるだろう。

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classicalmusic at 11:15コメント(0)バッハ 

2020年12月21日


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マリヤ・ユージナ[1899-1970]はタチアナ・ニコラーエワ、マリア・グリンベルク、ローザ・タマルキナなど個性派揃いのロシアの女流ピアニストの中でも突出した人物として知られている。

哲学や文学・美術に通じ、ドイツ語、フランス語、ラテン語にも堪能で、しばしばエキセントリックとも言われたユージナは、バッハやベートーヴェン、ブラームス、シューベルト、モーツァルトなどドイツ・オーストリア音楽を得意とする一方、20世紀作品もよくとりあげていた。

今回、イギリスのスクリベンダムから登場するセットは、26枚組という大規模なもので、ユージナの個性的な演奏を一気に手軽に楽しめるのが朗報だ。

録音年代は1947年から1970年の23年間、初期のものには音質の良くないものも多く含まれているが、演奏の個性は十分に伝わってくる。

ユージナの若い頃は、ソ連政府はモダニズムやアヴァンギャルドにも協力的で、音楽、演劇、美術、文学などさまざまな作品が登場していた。

中でも音楽は、プロパガンダ活動の一環として、国外からもさまざまな音楽家を招聘、ヒンデミットやバルトーク、ストラヴィンスキー、シェーンベルク等々、のちに禁止されることになる作曲家の作品を多数とりあげており、特にユージナの暮らしていたレニングラードでは、その規模もかなり大きなものとなっていた。

ソ連建国の1922年からヒトラー内閣誕生直前の1932年にかけて、レニングラードには、ドイツを中心に国外から数多くの指揮者が客演。

レーニン/スターリンの社会主義プロパガンダの一環ということもあってか、その人選は非常に豪華で、フリート、クレンペラー、アーベントロート、シュレーカー、モントゥー、ワインガルトナー、ミヨー、ワルター、クライバー、カゼッラ、アンセルメ、クレメンス・クラウス、オネゲル、ツェムリンスキー、クナッパーツブッシュ、ブッシュ、ターリヒなどすごい顔ぶれ。

さらにソ連の指揮者・演奏家も活躍し、20代なかばだったユージナの弾くバッハを聴いたクレンペラーは深い感銘を受けたと語ってもいた。

「私の人生において、太陽のように崇めるピアニストは3人いた。ソフロニツキー、ネイガウス、そしてユージナだ!」と語るリヒテル[1915-1997]は、ユージナについて「常識を逸脱し尋常ならぬ芸術家」と評した。

宗教弾圧下でありながら、演奏会で十字を切るという振る舞いに呆れながらも、彼女のバッハやベートーヴェン、ブラームス、ムソルグスキー、シューベルトなどの演奏を称える一方、表現された音楽は作曲家のものではなく、まさにユージナそのものであるとも述べていた。

ユージナの葬儀では、リヒテルがユージナから褒められていたというラフマニノフを演奏するなどしていた。

以下、リヒテルがユージナの演奏について語った言葉である。

■バッハ:平均律クラヴィーア曲集第1巻第22番 →「グールドもユージナに較べればかわいいものだ。」

■モーツァルト:ピアノ協奏曲第23番、シューベルト:即興曲変ロ長調、ブラームス:間奏曲イ長調(Op.118-2) →「彼女のあとに弾く気にはなれない。弾いたらみっともないことになる。」

■リスト:バッハのカンタータ『泣き、歎き、憂い、怯え』の主題による変奏曲 →「天才的な演奏だった。とどろきわたるのではなく、心に染みいるような演奏で、ピアノ曲というよりは、ミサ曲を聴いているようだった。ユージナはまるで儀式を執り行っているようにピアノを弾いた。祝福するように作品を弾くのだ。」

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classicalmusic at 00:57コメント(0)バッハリヒテル 

2020年12月16日


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かなり以前の話になるが、ソ連邦の崩壊による西側資本のロシアへの参入により、旧メロディア系の音源が様々な経路を通じて紹介されることになった。

そのためこの度スクリベンダム・レーベルからソフロニツキーのCDが34枚組で発売されることになった。

かつてあれだけ必死になって探しても入手できなかったのがまるで嘘のようだ。

彼のレパートリーは広く、1938〜9年のシーズンには、全12回に及ぶブクステフーデからショスタコーヴィチまでの作品を取り上げたコンサートを行なったという。

やはりなんといってもその中ではスクリャービンが注目される。

1920年、彼はこの作曲家の没後5年記念コンサートでその作品を演奏、さらにピアノ協奏曲を取り上げ、1922年にはニコライ・マルコ指揮による《プロメテウス》の演奏でソリストを務めるなど、積極的に世に広めた。

その後スクリャービンの娘と結婚、名実ともにこの作曲家の第一人者として知られるようになった。

ソナタ7曲(第2、3、4、5、8,9,10番)、練習曲集作品8、前奏曲集作品11などをはじめ、この作曲家に関心のある方にとってはその全録音が必携のものであろう。

とりわけ第2番の第2楽章の〈海の神秘〉の表現など絶品だ。

その他に、彼の経歴の中で注目したいのが、1928〜30にかけてフランスに滞在、革命によって亡命していたプロコフィエフやメトネルと知り合いになり、また同時にプーランクなど、当時の最新のフランス音楽にも接している点であろう。

また1949年のショパン没後100周年の記念年には五夜にわたるコンサートを、1953年のシューベルト没後125周年には記念リサイタルを行なっている。

このようにソ連の音楽シーンで常に脚光を浴びていた彼のリサイタルは録音として記録され続け、CDにして34枚分に達した。

それらの録音にとってもロシアの民主化は本当に大きな出来事だったのだ。

ソフロニツキーの芸術は、たとえばショパンのスケルツォ第1番の暴力的表現における緊張と弛緩の対比の妙、シューベルトの即興曲作品90の3の思わせぶりな表情など、個性的表現に満ちている。

その中で筆者が最も心惹かれるのはプロコフィエフの《十の小品》作品12(抜粋)で、なんとも軽妙洒脱な演奏だ。

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classicalmusic at 01:03コメント(0)ショパンプロコフィエフ 

2020年12月09日


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クラウディオ・アバド追悼盤として2014年にリリースされた初出音源のリニューアル版である。

ウィーン・フィルを振ったシューベルトの『未完成』が1978年、ヨーロッパ室内管弦楽団とのベートーヴェンの交響曲第2番及びワーグナーの『ジークフリートの牧歌』が88年の、いずれも彼が常連だったルツェルン音楽祭からクンストハウスでの録音になる。

音質についてだが、オリジナル・アナログ・テープの保存状態が良く、独自のリマスタリングによって良質のサウンドが再現されている。

ふたつのコンサートの間には10年の隔たりがあるので後者の方が音場の拡がりと臨場感においてやや優っているが、どちらも鮮明で破綻もない。

またルツェルン音楽祭の聴衆はマナーが良く、会場の雑音も極めて少ないのが特筆される。

尚拍手の部分は巧妙にカットされている。

ウィーン・フィルとの『未完成』は第2主題のテンポの遅さが意外だったが、オーケストラの瑞々しい音色の魅力を充分に引き出している。

第2楽章の微妙なダイナミクスの変化と対比で描き出す天上的な穏やかさと情熱的な世界は彼一流のタクトだ。

ベートーヴェンにも共通して言えることだが、緩徐楽章でのカンタービレの美しさはたとえようがない。

特に交響曲第2番ではドイツ音楽の重厚さや深刻さから解き放たれた、あっけらかんとするほどの屈託のなさがある。

確かに構築的な音楽ではないが、聴くものを疲労させない解放感と、時には気前よく大音響を咆哮させるような輝かしい歓喜もある。

しかし決して感性だけに頼ったアプローチではなく、音響力学のコントラストを狡猾に考えた、極めて頭脳的なものであるに違いない。

『ジークフリートの牧歌』ではほの暗い森林の曙と小鳥たちの囀りというよりは、青空の下の大自然をイメージさせるような平明さの中に、颯爽とした歌心が流れていてあたかもイタリア・オペラのインテルメッツォのようだ。

アバドはオーケストラの設立マニアで、ヨーロッパで幾つもの管弦楽団を新しく組織した。

それはとりわけ若い演奏家に公開演奏のチャンスを与え、また一流のベテラン・アーティストと共演させることによってミュージシャンとしての経験を積ませるためで、後進の育成という面でもクラシック音楽界に大きな貢献をした。

ヨーロッパ室内管弦楽団も彼によって設立されたオーケストラのひとつで、テクニック的にも良く統率された機動力を発揮しながらフレッシュな演奏が特徴的だ。

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classicalmusic at 13:24コメント(0)アバドシューベルト 

2020年12月05日


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CD97枚+ブルーレイ・オーディオ3枚で構成されたカール・リヒターのアルヒーフ及びグラモフォンへのコンプリート・レコーディング集は、入手困難になっていた音源や初CD化のディスク2枚も組み込まれている。

確かにコレクション仕様の記念碑的企画には違いないが、前回アルヒーフから出たバッハ宗教音楽集に入っていたマタイ、ヨハネ両受難曲とロ短調ミサを収録した4枚のDVDが含まれていない。

リヒターをはじめ声楽、器楽のソリスト陣がアップで撮影された貴重な映像を鑑賞できるDVDが何故割愛されてのか理解できない。

そのアルヒーフ盤には今回と同一内容のブルーレイ・オーディオ1枚がついていた。

もう一つの既出盤、75曲のバッハ宗教カンタータ集は、やはりブルーレイ2枚組だったので、音質の向上は称賛に値する。

このコンプリート・セットのために新規に制作されたものではなく、その意味でも目新しさにはやや乏しい。

いずれにしても、バッハの演奏に関しては既に複数のバジェット価格の箱物がリリースされているので筆者も含めてそれらを購入済みのファンも少なくない筈だ。

できればバッハ以外の作曲家の作品の音源だけに纏めて欲しかったというのが正直な感想だ。

個人的にはリヒターの宗教曲に限れば前述のアルヒーフ盤CD11枚+DVD4枚+ブルーレイ1枚組とカンタータ集ブルーレイ2枚組の方をお薦めしたい。

尚初CD化の2枚はCD89のヘンデルの6曲のフルート・ソナタ集が、ハンス=マルティン・リンデとの1969年の共演、CD96のフランツ・リストの『バッハの名によるプレリュードとフーガ』が1954年の収録である。

マックス・レーガーの『バッハの名によるファンタジアとフーガ』が1957年のライヴから採られていて、この2曲はリヒターのオルガン・ソロになる。

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classicalmusic at 20:02コメント(0)リヒターバッハ 

2020年12月01日


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鮮烈な超絶的技巧の爽快さと、緻密な洞察力による作品解釈の非凡さにおいて時代を超えて圧倒的な支持を得ている若き日のポリーニの20世紀作品の代表的名盤。

このディスクには、初出のLPでまるまる2枚分が収録されており、ストラヴィンスキーとプロコフィエフがグラモフォンの専属となって初めて録音したアルバムにあたる。

ショパンの『エチュード集』とともに発表され、日本の音楽ファンにポリーニの名前を強烈に印象付けた名盤である。

20世紀ロシアのピアノ音楽の最高峰に位置する2つの作品をいかに演奏すべきかということについて、ポリーニはここでひとつの最終的回答を示した。

最初に置かれたストラヴィンスキーの『ペトルーシュカ』からの3楽章で、その研ぎ澄まされた感性の迸りと恐ろしいほどの完璧なメカニズムで、ポリーニが圧倒的な演奏を披露した。

冒頭から力強く明晰な打鍵によって、きわめて完成度の高いピアノ作品として『ペトルーシュカ』を描き切る。

そこにはバレエ音楽の気楽さはないが、作品が持つ物語性は交響詩のように抽象化され保たれている。

最後の部分の畳み掛けていくところなど、現代のピアニズムの究極の姿と言えるだろう。

プロコフィエフも作品の持つ冷酷で非情な世界を克明に表現した圧倒的演奏で、ポリーニによって、作品の全貌が初めて明らかにされたと言っても過言ではない。

それから5年後に収録されたヴェーベルンとブーレーズも素晴らしいの一語に尽きる。

ピアニストのみならず音楽を職業とする者にとって、その時代に生み出された楽曲を認識することは避けて通れない道だ。

その点ポリーニは早くから現代音楽にも熱心に取り組み、積極的に自分のレパートリーに加えた。

更に彼は現代作品を得意とし、演奏会でも積極的に取り上げてきたが、そうした現代ものの解釈者としての最良の姿がここに示されている。

特にこのCDに含まれるヴェーべルンのヴァリエーションやブーレーズのソナタのように難解な理論の音楽として敬遠されがちな作品を、ピアニスティックな魅力ある小品に昇華する高度な音楽性と、鍵盤上の表現における切れ味の良さは彼ならではのものだ。

それはあたかもプリズムを通した太陽光線が鮮やかに色彩化するのをまのあたりに体験するようで、予備知識を持たない私達にも新鮮な驚きと感動を与えてくれる。

精妙極まりない響きによって表現し尽くされた緻密な世界は、音楽のひとつの究極の姿を示すものと言えよう。

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classicalmusic at 20:07コメント(0)ポリーニブーレーズ 
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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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