2007年10月10日
マーラーとその名演
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前世紀の中頃あたりから、グスタフ・マーラーの弟子である、ブルーノ・ワルターやオットー・クレンペラーといった指揮者がまずマーラーの音楽を度々演奏会に取り上げ、1960年に至ってから、レナード・バーンスタインというマーラーの使徒というべき指揮者が聴衆を啓蒙していった。
マーラー当の本人が彼の晩年の作品は演奏不可能ではないかと危惧していたというが、現代の演奏技術の進歩によって、水準以上のオケなら苦もなく演奏することができる。楽員の中には「マーラーが古今東西全ての交響曲の中で最高だ」とのたまう輩もいる。
しかしそのマーラーに於いても、心底感動できる演奏は少ない。最近で出色は小澤征爾指揮サイトウ・キネンの「復活」、ケント・ナガノの「千人の交響曲」くらいであろうか。期待していたマーツァル指揮のチェコ・フィルには、美麗ではあるが深みが感じられなかった。
私はマーラーの音楽は複数意識同時進行音楽だと感じているのであるが、そういう音楽をありのままに表現するには、指揮者には経験を持つマエストロで、マーラー演奏の伝統があるオーケストラを要求する。
マーラーの苦手な指揮者は技術的進歩によってただ正確にスコアを音にすることはできても、作曲者の突然の気分の変転、ある時躁状態になったら、次の瞬間鬱になる、その突然の変転についていけてないのかもしれない。
マーラーのオーケストレーションは卓越してるので、ただ鳴らせば、それなりの充実感は得られるものの、より深く聴きこみたいのはファンの偽らざる心情だ。
入門としてはワルターの「巨人」(コロンビア交響楽団のがベスト)。極め付きはワルターの「大地の歌」(デッカの52年盤)。全集ならバーンスタインの新盤。勿論他にも名演奏は事欠かないが、後日触れることにする。
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