2007年10月15日
ベートーヴェン:交響曲第3番「エロイカ」について
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「エロイカ」こそベートーヴェンのシンフォニーの最高傑作の一つであり、あまりにも通俗化してしまった「運命」「第9」よりも私は「エロイカ」の方を好む。
音楽史上、これほどの芸術的、音楽的飛躍を遂げた作品は見当たらない。演奏時間もぐっと延びた。曲想もこれまでのハイドン、モーツァルトと受け継がれてきた古典的形式感から脱却し、内面的な掘り下げが一段と深く増した。
それゆえひときわ思い入れの深い作品なのである。
特に第1楽章の展開部は革命的である。耳の病気が絶望的になり、ハイリゲンシュタットの遺書を乗り越えた者は大きく成長したのであろうか。
絶望のどん底に沈んだベートーヴェンが、不屈の闘志でそこから這い上がり、第二の人生を踏み出す出発点となった、記念碑的作品である。
この交響曲の生い立ちについてはあまりにも有名なので省くが、要するにこの曲は、ナポレオンその人の業績を描いたものではなく、「一人の英雄の思い出のために」と書き記したのである。
ブルーノ・ワルターの「ナポレオンは死んだが、ベートーヴェンは生きている」という言葉はじーんとくる。
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