2007年10月25日

音楽の再創造


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しかし口で言うのは易しいが、楽聖ベートーヴェンの桁外れな情熱や苦悩を我がものとするのは極めて難しい。

否、ほとんどの指揮者には不可能ではあるまいか。不可能だからこそ、彼等は技術的なものに逃避するのではないだろうか。

フルトヴェングラーにはこの能力があるのだ。ベートーヴェンと同じ苦しみを苦しみ、同じ歓びを歓ぶ桁外れの情熱があった。

演奏とは正直なもので、演奏家が平凡だと、作品自体も演奏家と同じ水準にまで落ちてしまう。

だからこそ指揮者がベートーヴェンの魂と同じ高さ、同じ激しさ、同じ歓喜と興奮と崇高さの中に自ら生きなければ、決して真の生命は再創造されるはずもないのである。

フルトヴェングラーはベートーヴェンと同じ水準で彼の作品を追体験し、彼の作品がたった今生まれたかのように再創造する。「再現ではなくて再創造なのだ」と彼自身語っているように、スコアを仲介として新しい音楽を創り出すのである。

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