2007年11月12日

バッハの音楽の特質


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バッハの器楽は全般的に見て端正で上品な性格を持っている。

この点では、古典派に通じるが、古典派の音楽がどちらかといえば明快な旋律と単純な和声を特徴とするのに対し、バッハの場合にはバロック特有の細かく和声が変化していく軽快な和声リズムで曲が進み、7度、9度の掛留による不協和音が頻繁に現れるなど、和声面では古典派よりも複雑多様であり、またしばしばフーガ風の模倣が現れるなど、音楽のテクチュアが緻密になっている。

したがって、バッハの音楽は、感覚的に、あるいは深刻に構えて人生論的に聴くよりも、音の幾何学的構成を聴いていくような態度がふさわしいといえよう。

バッハのエッセンスはフーガに凝縮されている。「平均律」やオルガン曲のフーガの妙味にとりつかれたら、未完に終わった「フーガの技法」を聴こう。ただ作曲者の最晩年の心境を反映した曲想ゆえ、何時でも楽しめるような作品ではないが。

ちなみにバッハは「フーガの技法」の使用楽器を指定していない。ここでは、オルガン、チェンバロ、室内オーケストラによる代表的な名演をあげておく。ヴァルヒャの「フーガの技法」にカップリングされている、リヒターの「音楽の捧げもの」も究極の名曲、名盤である。

「フーガの技法」と「音楽の捧げもの」はバッハの対位法芸術の頂点である。

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