2007年12月03日

魅惑的なカンポーリのヴァイオリン


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私がクラシック音楽に親しみ始めた、まだ年齢が一桁の頃、うちに置いてあった、カンポーリのチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲にしびれっぱなしだった。

カンポーリのヴァイオリンは、まるでイタリアのベルカント唱法のように、放埓といえるほどストレートに、感覚に直接訴えてくるスタイルである。

美音で売っている他のヴァイオリニストたち、例えばグリュミオーにしろコーガンにしろ、そこには羞恥心とはいわないまでも、放埓に流れぬよう、なにがしかの抑制が利いているのだが、カンポーリの演奏にはその抑制はなかった。

後で知ったのだが、ポピュラーからクラシックに転向したのだという。しかも1930年代の中頃までのカンポーリは、自らのサロン・オーケストラを率いて、ライト・クラシックからポピュラー・ナンバーまで、幅広いレパートリーを演奏し、イギリスでは高い人気を誇ってきたのだそうだ。

上記のクライスラーをはじめとする小品もポピュラー音楽で鍛えたノウハウが生かされている。カンポーリは例え曲がチャイコフスキーの協奏曲であっても、どのフレーズをどう演奏すると聴衆が喜ぶか、そのポイントを本能的に察知していた。

私のようなストイックな芸術至上主義者でも魅了されるので、ぜひ初心者からマニアまでお薦めしたい。

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