2007年12月03日
マーラー:交響曲第8番とその名演
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以上、簡単に解説したが、曲に対する理解をより深めてくれる録音として、マゼール指揮ウィーン・フィルの演奏をあげたい。オケや合唱が極めて美しい。
その作品の巨大さの前にいつもひるみがちになるが、マーラー最大の傑作は第9番や「大地の歌」ではなく、この第8番ではないかと思っていた時期があった。
ここにはマーラーが人生を肯定的に捉えた輝かしい歓喜の調べがあり、音楽が諦観の表出ではなく、生きる希望の証ともいえる瞬間を聴き手にも与え得ることを実証した感動があると思ったからである。
第2部の最後「悔い改める方々よ」以降を耳にして覚える心の充実感は、まさに音楽を聴いて体感する最高の喜びであり、永遠の宝というしかないものである。
しかし、私の考えは変わった。やはり第9番が最高傑作であると。それは「霊感」の差だ。もっと言えば「意外性と必然性の一致、内容のシリアスさと技法的創意の一致」という点で、第9番はマーラーの創作の頂点をなしているのである。
マゼールはウィーン・フィルとマーラー交響曲全集を作るという快挙をやってのけたが、最高の演奏はこの第8番である。
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