2007年12月04日
シノーポリのマーラー:「巨人」と第5番
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シノーポリのマーラーは「巨人」と第5番と「嘆きの歌」を持っている。「嘆きの歌」は正直、曲自体に親しんでいないのでよく分からないが、「巨人」と第5番はシノーポリならではの名演といえるだろう。
「巨人」は明るく流動感が強い。シノーポリは様々な表現法を駆使して熟練を示し、冒頭から映画的でありながら強い推進力と血の気の多さを感じさせる。
第2楽章も線が太く、対旋律を明快に表現し、第3楽章のアゴーギグの自由さはシノーポリとしてもかつてなかったといえるほど。
終楽章も明快・勇壮だ。シノーポリの本性がむき出しにされた演奏といえる。
第5番は、テンポをいろいろに揺らしながら感情の機微を表現していくマーラーの音楽の本質がよくとらえられており、情念の湧出の背後にある精密な構成と構造への気配りが瞬時もおろそかにされることがない。
この演奏のクライマックスはエンディングにくる。
しかし、疾走するような圧倒的迫力の途中で示される緩徐な部分での抒情的瞬間のデリカシーには、シノーポリの複雑な感受性と表現能力が遺憾なく示されている。
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