2007年12月19日
ギーゼキングのドビュッシー
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晩年といってもまだ50歳代の演奏。
なんと若々しい音楽なのだろう。ドビュッシーの音楽のデリケートな光と影を、絶妙なコントロールで肉付けしながら極めて鮮やかに描き出すギーゼキングの才能は、テクニックにおいても今なお現役の第一線に立たせて揺らぐことはない。
しかもドビュッシーはギーゼキングがある時期並行して生きた作曲家。
その音楽はしっかりと同時代の精神の理解に基づいており、リアリティを主張している。
ここでものをいってるのは、ギーゼキングの演奏家としてのキャパシティの広さだろう。
彼は全ての曲をドビュッシーという先入観なしに演奏しているようで、多くの演奏家が捕らわれがちな枠を超えて、実に多彩な表現を生み出す。
ギーゼキングのデリケートな表現、とりわけ光と影、明と暗、色合いを繊細に描き分けた演奏は、今日の耳にもなお鮮やかに聴こえる。
また特筆すべきは表現の確信に満ちた力強さで、雰囲気にたよるようなごまかしのない演奏からは、ドビュッシーの音楽が実体を現してくる。
ギーゼキングの演奏は、一回楽譜の音をオブジェ化し、その構成の中にプログラム性を見ようという立場からの解釈である。
こうした方向は、ある意味できわめて現代的であり、この演奏の新鮮さの根源であると考えられる。
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