2007年12月19日

セラフィンのプッチーニ:ボエーム


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セラフィン盤は、このオペラのあるべき理想的な姿を描き出した不滅の名盤である。

イタリア・オペラ演奏の偉大な伝統を最良の姿で具現したこの録音は、聴けば聴く程に、新しい発見と感動を与えてくれる。 

セラフィンがその実力を遺憾なく発揮したこの演奏は、最も正統的な解釈において《ボエーム》の規範といえるもの。

歌手陣も万全。聴き手の涙を誘う。

空前のスケールの中に可憐さと繊細さを漂わせるテパルディ、美声の極にありながら見事な性格表現で物語の奥行きを深めるバスティアニーニ、シエピも比類なく、これほどの優しさを込めた「外套の歌」は他にない。

脇役陣も充実し、この不朽の名盤の価値を高めている。

イタリア・オペラの隠れた味わい、楽しみは、名歌手を統率する名指揮者が生み出す強固なアンサンブルの妙である。

決して独善的ファシズムの強権を発動させるのではなく、アンサンブルをまとめ、オペラに強いフォルムと秩序を与える名指揮者の神技は、オペラの渋い楽しみとなっている。

この《ボエーム》でイタリア・オペラ界の20世紀最高の巨匠セラフィンは、細やかな配慮に満ちた音楽作りでプッチーニの音楽ドラマの緻密な美しさと悲しさの真髄を余す所なく描き出している。

叩き上げの職人指揮者の頂点にあるセラフィンの玄人の芸は、比類が無い。

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