2007年12月19日
ホロヴィッツの展覧会の絵&戦争ソナタ~超絶技巧名演集
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ホロヴィッツは、特に晩年のライヴで賛否両論を巻き起こしたが、全盛期までの彼は20世紀最大のヴィルトゥオーゾであったことは間違いない。
このCDの最大の聴きどころは、ホロヴィッツ傑作中の傑作である「展覧会の絵」だ。
よりピアニスティックな効果を上げるために随分と音を足していて、ホロヴィッツのブラヴーラな面が最大限に発揮されており、圧巻の「キエフの大門」での迫力は言語に絶する。
ホロヴィッツの編曲は、まるでラヴェル編曲の管弦楽版から再アレンジしたような雄弁さを持っており、そこにホロヴィッツ全盛期のピアニズムと多彩な表現力が加わって、一段と素晴らしさが増している。
ラフマニノフのピアノ協奏曲第3番は他のピアニストの追随を許さない、ひょっとしたらラフマニノフの自作自演すらも寄せ付けないベスト演奏。
ホロヴィッツの真に巨匠風な演奏は、この作品をアメリカ演奏旅行のために書いたラフマニノフのそれを思い浮かばせるに充分だ。
もはや「ホロヴィッツの曲」といっても過言ではないかもしれない。
後年の演奏よりもいくぶん速いテンポで、若々しい仕上がりだ。
フリッツ・ライナーの指揮は絶好調で、ホロヴィッツも脂が乗り切っている。
鋼のように力のあるタッチとリズム、腕の鳴るような技巧の冴えが人間業を超え、第2楽章から第3楽章にかけてと、第3楽章のコーダに至っては超人の凄まじさを見せる。
またホロヴィッツはプロコフィエフやバーバーのモダンな感覚の音を、まことにピアニスティックに響かせて、作品への本当の共感を寄せた演奏を聴かせる。
作品は隅々まで解釈されつくしており、無意味に響く音はまったくといってよいほどない。
同時代の抜きんでた解釈者としての、ホロヴィッツのすぐれた一面がはっきりと確認できるし、その演奏のもつ説得力も抜群だ。
他の曲も颯爽たるテクニックを駆使して軽々と弾ききっている。
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