2007年12月19日
グレン・グールドについて
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グレン・グールドは上記のDVDをみても分かるように、奇人変人ではない。
むしろ20世紀の知性といってもいいくらいだ。
そして、グールドは明らかにバッハの演奏を変革した演奏家だ。
神話を離れて作品を読む柔軟な精神と、さらに読み取ったものをそのまま音にできる類まれなテクニックがそのことを可能にした。
グールドのバッハは、ニュートラルな響きが生み出す人間臭さを離れた抽象的な秩序の世界であり、どの演奏をとっても聴くたびに新しい発見がある。
音楽を聴くとき、これほど素晴らしいものはない。
「ゴルトベルク変奏曲」はグールド最後の録音の1つで、26年ぶりの再録音。
何と考え抜かれた演奏だろう。
冒頭からゆっくりとしたテンポに驚くが、遅いテンポであっても音楽は強力な説得力をもっている。
そして速い部分はいっそう速く演奏して、テンポの鮮やかな対比をみせ、この対比によって演奏全体は沈滞感とはおよそ無縁の、活気というか、動感の溢れたものになっている。
グールドの弾いたバッハの中で「ゴルドベルク変奏曲」ほど彼の奇才が生かされ、しかも説得力のある演奏は見当たらない。
ここには彼がバッハ演奏のために編み出したあらゆる工夫が表れており、極めて多彩な演奏になっていて飽きることがない。
グールドの手にかかると、この作品は実に魅力的に変貌し、それぞれの変奏がまことに鮮やかに描き分けられる。
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