2007年12月19日
アルゲリッチのショパン:ピアノ・ソナタ第2番/第3番
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アルゲリッチの演奏が聴き手の心をつかんで離さない魅力を湛えているのは、むろんテクニックの冴えを前提として、またとない情熱の燃焼あるいはイマジネーションの飛翔を示して感動にまで導くからの違いない。
その意味から、彼女のショパンは、いわゆる「女性の手により紡がれるショパン」の通念をひっくり返して、並の男性では及びもつかぬほどのスケールの大きさ、雄勁さをそなえたものになった。
ことに「ピアノ・ソナタ」は、感興のおもむくまま弾きあげることが多いアルゲリッチの演奏のなかでも、トップランクに位置する1枚で、自由自在に、即興的な性格を生かしながら表現している。
アルゲリッチの演奏はスケールが大きく、ショパンの大曲を完全に手中に収めて緩急自在の呼吸で奥行きの深い表現を生み出していく。
作品の構造やショパンの言わんとするところをしっかりと把握し、細部にニュアンスに富んだ表情を与えていく。
それに加えて女性らしい繊細で柔軟なテンペラメントが、一種の即興的な彩りをそえるのも魅力だ。
第2番は、抜群のテクニックとともに、女性特有の微妙な感情の揺れ動きの光る演奏で、これほどまでにこの曲にのめりこんだ表現というのも、珍しい。
1曲の内のドラマティックな性格とリリカルな性格の双方を存分に生かした振幅豊かな名演。
第3番は、あたかも天馬空を往くような大胆さが、なんとも新鮮。興が乗ったときのアルゲリッチは、恐るべき力を発揮する。
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