2007年12月20日
シューリヒトのブルックナーEMI録音
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カール・シューリヒトは特にモーツァルトとブルックナーを得意とした名匠で、まったく装飾のない贅肉をそぎ落としたような厳しい表現の中に、一種の即興性とニュアンスの豊かさがあり、そこが玄人好みする所以だった。
抑制のきいた、何度聴いても飽きない、それでいて最も意味深く、有機的な名演だ。
シューリヒトのブルックナーは、残されたものはどれもすでに名盤としての定評を確立している。
ただ、大きい規模を誇る作品の演奏としては軽すぎると評されることも。
だが、どうしてなかなか。澄んだ響きと明快な造形は、確かに軽いと感じられなくもないが、豊かに音楽を構成する有機的な「力」に富んでいる。
したがって、決して重厚ではないが、雄渾で輝きに満ちている。
細部の詩的な感興を重視しつつも、部分を全体に統合する積分的構成意欲は前世代の古き良きブルックナーの真髄をうがつものだが、つくられた音楽は不思議と現代に通じる。
第3番はシューリヒトの淡白でほとんど枯淡とでもいうべき音楽がよく表された、率直でありながら極めて味わい深い表現である。
第8番も演奏の晴朗さは比類がなく、まさに孤高の気品にあふれ、厳しくも内省的な音楽が歌われている。
第9番もやはり淡白だが、ブルックナー晩年の高貴な心情をあふれんばかりに表現した感動的な演奏である。
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