2007年12月21日

ギレリスのブラームス/ピアノ協奏曲第2番


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1958年録音では、ギレリスは腰の強い締まったタッチで存分に激しい力感を表出し、音楽の運びも明確で淀みがない。

ときとして粘りや柔らかみに不足するが、自己のスタイルの範囲内で感情も込めている。

ライナーの指揮は厳しいアンサンブルと迫力が印象的で、曲想のきりりとした対比に独自のものがある。

雰囲気には欠けるが、ギレリスとともに思いきりのよさが快い。

ヨッフムと組んだ1972年録音は、ギレリスが成し遂げた最も感動的なブラームスである。

演奏スタイルは旧録と変わっていないが、フィナーレのテーマが本当のグラツィオーソで弾かれているのを聴けば、ギレリスの到達した奥深い音楽の世界が理解されるだろう。

テンポは全体に遅く、ブラームスの書いた複雑な楽想を、ピアニスト、指揮者が一体になって、丁寧に解きほぐし、そこに新しい光を当てている。

ギレリスは若いころから一切の粉飾を排し、音楽の核心に鋭く切り込んでゆくような演奏をしてきた人だけに、晩年のこの演奏には、そうした特徴のうえに、さらに精神的な厚みが加わっている。

抒情的で詩的な"歌心"にあふれているのが魅力だ。

ヨッフムもベルリン・フィルを存分に鳴らしながら、構えのしっかりとした音楽をつくりあげている。

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