2007年12月24日
ルービンシュタインの「皇帝」
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アルトゥール・ルービンシュタインは1887年生まれ、1982年、95歳の高齢で世を去った名手だが、このCDは1975年、なんと88歳の録音!
もちろん90歳をすぎて、なお活躍をつづけたピアニストは例がないわけではないが、ベートーヴェンの「皇帝」をこんなに立派に、こんなにも堂々と弾きのけたのは、一人ルービンシュタインだけである。
他のディスクは全く不要と思わせる皇帝の中の皇帝と絶賛したいベートーヴェン。
ルービンシュタインは遅いテンポでくっきりと弾きあげ、フレーズを緻密に処理しており、あらゆる表情がぎりぎりの線まで追求されている。
かなりゆっくりとしたテンポで、スコアの1音1音を大切にしながら弾きあげた演奏である。
そのみずみずしい表情とあざやかな技巧は魅力的で、絢爛豪華な点では最高だ。
テンポはかなり動かしているし、旋律の歌わせ方にも癖があるが、作品を見事に自分の血とし肉としたルービンシュタインの自信が隅々にまで感じられる。
彫りの深い「皇帝」であり、ルバートを多用しても音楽の流れが滞ることのない、真に大人物の演奏である。
バレンボイムの指揮もこの曲のベストのひとつで、深い呼吸と厚みのある生々しい響きには巨匠の風格が漂っている。
第4番は音楽が進むにつれて調子が上がり、大柄で立体的な表現を成し遂げている。
バレンボイムもルービンシュタインのテンポによくつけており、少しも淀まず、厚みがあり、十二分に歌い、ときには瞑想や思索さえも実感させる。
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