2007年12月25日

ブレンデルのシューベルト(1):即興曲集


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ブレンデルは「即興曲」を2度録音している。

全8曲を演奏したものとしては、ブレンデルのCDが最も優れたものといえる。

ブレンデルはシューベルトの抒情を大切にしながらも、この曲集を2つのソナタのように、統一感のある構成力で美しくまとめている。

まろやかなタッチで、これらの作品からロマンの息吹きを詩情豊かにひき出した演奏で、その即興性にみちた"歌"の美しさは比類がない。

各曲とも、実に綿密に設計された演奏で、それぞれの曲の性格をしっかりと浮き彫りにしている。

美しいたたずまいのなかにも緊張感のみなぎった感動的な表現で、詩人ブレンデルの面目躍如たる名演だ。

ブレンデルの演奏するシューベルトは落ち着きとやすらぎがあって、単に耳に快いという以上の楽しみ方を与えてくれる。

構造の把握もよく練られたもので、抒情性の強い音楽をただ流れるように演奏することがないのも好ましく、音の美しさも魅力的だ。

ただ、1972年盤では各曲の要求する要素もすべて過不足なく表出して申し分ないのだが、多少構えすぎのところがあり、今少しの自在な姿勢があればと、惜しまれる。

1988年の再録音は以前よりいっそう音楽がまろやかに、自然に、豊かになっている。

作品90のハ短調のテーマが鳴りだすと、心はもう《ブレンデルのシューベルトの世界》に移り住まされてしまう。

主旋律、低声、アルペッジョ、それぞれの音色、音量、アーティキュレーションが絶妙にコントロールされ、この曲に限らず、あとの7曲もすべて細部にいたるまで、《音楽》が満ちみちて、柔らかで優しい色調が全体にみなぎっている。

特に作品142の第3番は、纏綿とうたわれる歌が実に美しく、ウィーンの音楽家シューベルトを実感させるだろう。

和音の微妙なニュアンスも絶品で、ブレンデルのデリケートで考え抜かれたアプローチが全面的に生かされているといえる。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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