2007年12月25日
ブレンデルのシューベルト(2):後期3大ソナタ
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ソナタ第19番はブレンデルらしいスケールの大きな演奏だ。
鮮やかな主張の提示ときめ細かい、くっきりと陰影を刻んだ展開は、このソナタの持つドラマの大きさをくっきりと描き出す。
そうした意味で極めて骨っぽい男性的なシューベルトなのだが、それだけに第3楽章メヌエットのかげりの深い表現が印象的。
第20番の第2楽章で、嬰へ短調で歌い継がれていく主題のしっとりとした抒情はたとえようもなく美しい。
実にヒューマンな、切々たる情感が流れる主題を聴いているうちに中間部に入り、たくましく華やかな楽想が出現し、それを受けて主部が再現され嬰へ短調の印象的な主題が静々と歌い出される。
このあたりのブレンデルの運びのうまさはまったく堂に入っており、感心するほかない。
第21番は演奏者と作品との調和ある一体感をこよない同意のうちに味わえる名演だ。
ブレンデルはこの音楽の日常的な情感の流れの中から、ニュアンスに富んだ感情の機微にふれる緻密なドラマの起伏を心理的に無理なく引き出す。
微妙な音色変化は楽曲の折々の表情と結びつき、あらゆる声部とリズム型がふさわしい息づきを与えられている様子は、まさに至芸としか言いようがない。
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