2008年01月01日

ハイフェッツのベートーヴェン&ブラームス:ヴァイオリン協奏曲(新盤)


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ミュンシュと共演したベートーヴェンは1955年11月27&28日、ボストン、シンフォニー・ホール/ライナーと共演したブラームスは1955年2月21&22日、シカゴ、オーケストラ・ホール、いずれもステレオ録音。

ベートーヴェンは速いテンポで一気呵成に進める第1楽章は強靭で健康的、そのため寂しいデリカシーはどこにも見られないが、ベートーヴェンの音楽の美しさは伝わってくる。

楽器の表現力をフルに発揮させた第2楽章も見事だ。

フィナーレはとてつもなく巧く、リズムがとびはね、アクセントが閃き、驚異的なテクニックがむき出しになっている。

ブラームスは情熱に押し流されず、常に冷静な視点を保ちながら音楽に対応し、隅々まで明確に表現しながら、演奏は決して堅苦しくならない。

そこから明晰な解釈と自然な流動感が生まれており、音楽とヴァイオリンの美感が融合した演奏といえよう。

ハイフェッツの完全主義者ぶりが如実に発揮された名演のひとつである。

両曲ともに、テンポが速いことでも有名だが、単なるテクニックの誇示に終わらずに、ベートーヴェンの第1楽章では、シンプルに音階を上下行するだけの箇所からもスリリングな楽興の時を紡ぎ出し、アウアー作にハイフェッツが手を加えた至難なカデンツァを演奏。

ブラームスも、その歯切れの良さが圧巻で、ハイフェッツ自作のカデンツァが奏される。

ハイフェッツと共演した2人の巨匠指揮者の存在感も光り輝いている。

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classicalmusic at 15:00コメント(4)トラックバック(0)ハイフェッツ  

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コメント一覧

1. Posted by レニー狂   2008年01月12日 19:23
ハイフェッツは、速いテンポで演奏しても全く澱むところなく流れるように演奏しており、またその演奏にはどこか余裕が感じられるところがある。この余裕が、流れるような演奏の中で多彩な表現を生み出す源泉ではないのかと思う。また楽器こそ違えど、ホロヴィッツにもどこか似た感覚があるように感じる。そして、この両者が演奏する協奏曲は、確かにその曲を代表する名盤であることは間違いないのだが、その協奏曲を聴くというよりも、ハイフェッツを、あるいはホロヴィッツを聴くためだけの演奏となっている感が否めない。だからといって演奏の価値が低いということは全くなく、贅沢な注文であるとはわかっているのだが、このハイフェッツ/ミュンシュのベートーヴェンや、ホロヴィッツのラフマニノフを聴くと、ついついオケにもう少し頑張れとエールを送りたい気分になる。
2. Posted by 和田   2008年01月15日 16:18
確かにベートーヴェンの作品を聴くという意味ではシェリングあたりがベストかもしれませんね。
ハイフェッツのヴァイオリンやホロヴィッツのピアノについていけるのはある意味トスカニーニだけだったのかもしれません。
3. Posted by かわいなうしか   2009年10月17日 22:37
びっくりしました、動画を探して見ましたが 最高のヴァイオリン演奏者だと思いました。映像なのに、演奏会で聴いているよう。ハイフェッツの演奏で ヴァイオリンの良さを知りました。演奏中にヴァイオリンではなく人が見えてくるヴァイオリン奏者を見るのは 初めてです。高く上げすぎに見えるのに これまでの誰より フォームが美しい。 これがヴァイオリンなのだ、わたしはそう思いました。 わたしはヴァイオリンを弾いてきたからヴァイオリンは主観的に好きなのですが、ハイフェッツの演奏は 全く別の物として感じました。素晴らしい体験です。 すごくヴァイオリンの可能性を 見せて頂きました。もっと聴きたいです。和田さんご紹介 いつも どうもありがとうございます。
4. Posted by 和田   2009年10月18日 14:49
かわいなうしかさん、コメントありがとうございます。
ヴァイオリニストにとってハイフェッツは神様のような存在らしい、ということは聞いたことがあります。
シゲティも神格化されてますが、彼の場合は精神的な芸術性においてであり、ハイフェッツの場合は、人間業を超えたテクニックの冴えにおいてです。
ハイフェッツはどんな曲でも快刀乱麻を断つ、といった趣で弾ききっています。疾風のようなスピード感と、切れのよい闊達な技巧、しかも表現はエスプレッシーヴォの極み!
私も魅了されっぱなしです。
またのコメントお待ちしております。

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Profile

classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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