2008年01月01日
アンセルメのファリャ:「三角帽子」「恋は魔術師」
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アンセルメは若い頃、ディアギレフの主宰するロシア・バレエ団の指揮者をつとめており、その時に初演した作品のなかには、この「三角帽子」も含まれていた。
そうした彼が、自家薬籠中のものとした作品だけあって、冒頭の金管の旋律やカスタネットの音、手拍子、そして、ベルカンサの歌う悩ましい歌声などを聴いただけで、強烈にひきつけられる魅力をもった演奏である。
アンセルメの指揮したバレエ音楽の素晴らしさは別項のチャイコフスキーでも述べたので、改めて述べるまでもないだろう。
「三角帽子」も「恋は魔術師」も素晴らしい出来栄えだが、なかでも彼の手で初演された「三角帽子」は、作品を完全に手中に収めた決定的演奏とでもいうべきもの。
そのリズム処理と間のとり方のうまさはこの人ならではのもので、惚れぼれしてしまう。
曲全体にスペイン的熱狂が息づいている。
「恋は魔術師」も劇場的な雰囲気が絶妙で、スペイン色の濃厚な味わいに魅了される。
ファリャの作品は、アンセルメの得意としていたものである。
それだけに、この演奏はきわめつきといってよい。
演奏は、《バレエの神様》とまでいわれた彼の、要所要所をピシリと押さえた、リズム処理の見事なものだ。
やや作為の目立つ表現だが、この作品の南国の太陽がギラギラ輝くような、スペイン情緒を、洗練された感覚で見事にまとめており、色彩豊かな生命力にあふれる音楽となっている。
この曲はまた、バレエ音楽としては珍しく、メゾ・ソプラノ独唱を用いてるが、ガバレインの歌唱も、よく感じを出している。
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