2008年01月03日

ピリスのモーツァルト〜現代最高のモーツァルト弾き


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ピリスがドイツ・グラモフォンに録音したモーツァルトのピアノ・ソナタ全集はすべてが秀演・名演であるが、私は旧盤に示されたピリスの比類のないモーツァルティアンな感性にすでに完成の姿をみていた。

この旧録の全集はソナタ18曲と有名な幻想曲2曲、ロンド2曲を収録している。

ピリスはこの録音のあと、一時病気のため演奏活動を休止していたが、近年また再開し、来日や録音も活発になってきたのはうれしい。

この全集は来日時に東京で録音されたもので、版もヘレン社の新全集に基づいている。

彼女はけっして《則》を超えず、しかもその中で演奏家としての自己主張をきちんと行う数少ないピアニストだ。

ピリスのモーツァルトに聴く精神的な純粋性と演奏の完璧性は、まさに驚くべきものだ。

この全集でも、モーツァルトの音楽に対する深く直観的な理解、清潔すぎるほどの端正な様式感、そして見事に音と響きのコントロールを、より若々しい姿で充分に聴くことができる。

ホームグラウンドを離れ、しかも短期間で、よくこれだけ立派な演奏を残してくれたものだ。

76年度の仏ADFディスク大賞、77年度のオランダ・エジソン賞などを受賞している。

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