2008年01月03日

ベームの「フィガロ」(ライヴ)


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モーツァルトの「フィガロの結婚」は私の最愛のオペラである。モーツァルトの粋であり、聴いていて胸がワクワクして仕方がない。

それこそ集められるだけディスクを集めたが、ベームのライヴとクレンペラーが傑出している。ただクレンペラーを友人に推薦してもなかなか受け入れてもらえないのだが。

1957年ライヴでのベームの作る音の純粋な彫琢は、決して冷たい無機的な響きに凝固してしまうのではなく、きわめて精妙な息吹をもって、モーツァルトの音楽の持つ人間的な生命を生き生きと描き出す。

厳しく、そして豊かなドラマの表現がこの演奏に結晶している。

当時の最も傑出したモーツァルト歌手たちを一堂に集めた配役も見事で、彼らの類い稀な名唱がまたベームの演奏に大きく寄与している。

ベームの「フィガロ」といえば、1980年秋のウィーン国立オペラの日本公演も傑出した名演だったが、それより17年前の1963年ベルリン・ドイツ・オペラの来日公演は、一段と厳しい統率と造形力が、ゼルナーの素晴らしい演出と相まって、深い感銘を与える。

ゼルナーの演出はまれにみる見事な舞台だったそうだが、ベームの演奏こそがこの舞台を効果的に盛り上げたのである。

歌手陣も個性的なF=ディースカウ、達者な芸を聴かせるベリーと素晴らしく、とりわけマティスのケルビーノの瑞々しい魅力のほどは筆舌につくし難い。

また、ケートとグリュンマーは歌手としては旧世代に属する人で、その発声には古さを感じるが、さすがに役にキャラクター描写は見事だ。

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