2008年01月04日

衝撃的なポリーニのベートーヴェン/後期ピアノ・ソナタ集


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ポリーニのベートーヴェン/後期ピアノ・ソナタ集はグラモフォン・レコード賞、ドイツ・レコード賞など多くの賞を受けた名盤。

5曲中「ハンマー・クラヴィーア」が、ポリーニの持ち味を最高度に発揮した、忘れることのできない熱演。

このソナタの雄渾な性格を失うことなく、しかもあらゆる音を細密画のごとく丹念に弾きわけるのは極めて難しい。

しかし、ポリーニは苦もなくそれを実現してしまう。

彼のスケールの大きさが実感されると同時に、構成家としての一面がくっきり浮かびあがり、鮮烈な印象を与える演奏だ。

他の曲も大ピアニストが晩年に至って取り組んで初めてベートーヴェンの晩年の精神を浮き彫りにできるものなのだが、ポリーニは若くして非凡な技巧を駆使して精神的な表現をなしえているのが驚異的である。

ポリーニは第30番で、部分それぞれの変化を的確に弾き表わし、強靭に突き進み、自由自在に感興を紡いで、感嘆させる解釈を聴かせる。

第31番の演奏では、理知性と引き締まり研ぎ澄まされた造形の確かさに打たれる。彼の弾く現代作品とも共通する潔さである。

第32番でも鋭い切り口、つねに潜在的に蓄えられた力の威力、そして音楽を勿体振って演じらない尖鋭さがポリーニの身上。

身じろぎもしない落ち着きの中で歌われ発展する緩徐楽章も圧巻である。

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