2008年01月04日
モントゥーのラヴェル
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フランス音楽に定評のあったモントゥー最晩年の貴重な遺産である。
モントゥーは「ダフニスとクロエ」を初演するなど、ラヴェルと親交が深くその演奏を得意としていた。
この演奏にはそうした彼の実力がいかんなく発揮されている。
柔らかい音色感は、生粋のフランス人でなければ表現できない。
どちらかというと、軽い、さわやかな響きをもったオーケストラから、こういう音を引き出したモントゥーの力は偉大である。
オーケストラを完全に自分の楽器にしているのだ。一体に淡白な表現だが、一つ一つの音に実に細かな神経を配っている。
演奏は輝きを抑えて、高雅な芳香がそっと漂うような「亡き王女のためのパヴァーヌ」など、大変美しく品格が高い。
特に「マ・メールロワ」が秀逸で、あたかも掌中の珠を慈しむかのように入念に練りあげながら、表情豊かに描きあげていて、実に見事な演奏だ。
これほど高雅な詩情にあふれた表現はめったにない。
人生のすべてを知りつくした老人が、童心に帰っておとぎの世界で遊んでいる、といった感じの演奏だ。
「ボレロ」もモントゥーらしい品格ある表現が魅力的で、噛んで含めるように一つ一つの繰り返しを丹念に磨きあげている。
「スペイン狂詩曲」には、もっと鮮やかな色彩と躍動があってもよいと思われるが、やはり静かに瞑想すべき味わいに富んでいる。
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