2008年01月16日

コルトーのショパン


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コルトー全盛期の頃の演奏で、極めて繊細なニュアンスや自然な情緒表現と流れるような音楽は、今日においても十分に魅力的であり、《爛熟した演奏》の典型だ。

特に興味深いのは、「24の前奏曲」の各曲にコルトー自身が短い標題(例えば第1曲は「愛人への熱い恋慕」)を付けていることで、聴き手はそれぞれの曲に彼がどのようなイメージをもっていたかを知ることができる。そのイメージの豊富さには感嘆せざるをえない。

「舟歌」は情熱家コルトーの熱気が感じられる演奏で、独特のテンポ・ルバートを駆使しながら、この曲の香り高い詩情を歌いあげている。

コルトーのアゴーギグは移ろう感情の襞を捉えて、音楽に陰影と優美さを与えている。

「練習曲集」作品10の絢爛としたきらびやかさに満たされた第1番を始め、コルトーの豊かなファンタジーや、諧謔的でいささか大仰な身振りと類稀なる詩情によって、個々の楽曲は明確で詩的な曲想が与えられており、作品25でも変わらない。

これらの演奏の背後には本物の成熟を感じさせるピアニストが存在し、彼の背後には成熟したフランスの音楽文化が存在していた。

テンポ・ルバートを鮮やかに駆使し、存分に歌いあげた官能的で即興的なショパン。

しかし《崩れた》感じは少しもしない。

ショパンの演奏に一時代を画した名人コルトーだけのことはある。

こんな印象を与える演奏は、いまでは聴かれなくなってしまった。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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