2008年01月07日
アルバン・ベルク四重奏団のベートーヴェン:後期弦楽四重奏曲集
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やはりアルバン・ベルク四重奏団が、気合のこもった素晴らしい名演を聴かせている。
強い伝統の壁を破って、真の新しいベートーヴェン像を打ち立てた抜群に上質の演奏だ。
かつてのウィーンでは聴くことのできなかったタイプのものであり、アルバン・ベルク四重奏団の真価がここにはっきり示されている。
彼らのシャープで明快なスタイルには、機能的な正確さに加え、張りつめた精神の緊張がある。
きわめて目の詰んだ緊密なアンサンブルは、技巧的にはこれ以上の完璧さはないと思わせるほど見事なものだし、同時に常に柔軟性に富んだ表現がベートーヴェンの音楽の本質を明快に歌いあげている。
あくまでもウィーンの伝統に根ざしながら、4人の感性が新たな、現代的なベートーヴェン像を築き上げている。
演奏はどの曲も素晴らしく、ベートーヴェンの本質をわきまえた上で、曖昧さのないシャープで明快で現代的なものだ。
これら後期の弦楽四重奏曲のもつ、ヴァラエティに富んだ性格を鮮明に描き分け、それを完璧なまでのアンサンブルとテクニックで、見事に再現させた彼らの実力には、改めて驚嘆せずにはいられない。
よくベートーヴェンの後期の弦楽四重奏曲は、年輪を加えたヴェテランのグループでなければ、経験不足ではロクな演奏にならないといわれるが、アルバン・ベルク四重奏団の演奏を聴くと、そうした風説はインチキではないまでも、かなり誇張した誤解に満ちているのがわかる。
とにかくこれは、素晴らしい名演であり、ベートーヴェンの優れた解釈として長く指標となる演奏である。
カペーやブッシュやブダペストを聴く前に一度は耳にされることをお薦めする。
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