2008年01月07日
ミケランジェリのシューマン:「謝肉祭」
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この曲の標題音楽的な性格よりも、むしろピアノ組曲としての性格を尊重した演奏である。
1音1音が実に研ぎ澄まされており、各曲にすこぶる繊細な表情をつけながら弾きあげているのが魅力だ。上品で、しみ入るようなロマン性が濃い。
ミケランジェリの「謝肉祭」は活力がみなぎっており、リズムの刻みが鋭角的で動意をはらんでいて、演奏全体に大きなうねりが感じられ、それが聴き手を刺激し、緊張させる。
ミケランジェリの《熱気》が感じられる。
ミケランジェリが音色に関して特異な感覚をもち、その美を追求するピアニストであるのは周知のことだが、その音色美の実現が「謝肉祭」では至上目的になっているようで、その結果、たとえば音楽の流れ、演奏の勢いといったものが犠牲に供されているような感じを受ける。
細部は見事。
しかし、演奏全体の仕上げとなると弛緩気味。ミケランジェリ・ファン以外は興味をそそられる出来とはいえない。
とはいえ「休憩」から「フィリスティンたちを討つダヴィッド同盟の行進」にかけての設計は、唖然とするほどうまい。
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