2008年01月07日
カラヤンのシベリウス:交響曲第5番&第7番/トゥオネラの白鳥
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いずれも1960年代半ばにベルリン・フィルを振って録音したもので、カラヤンの官能的ともいえる独特の美学が色濃く表出されている。
カラヤンの美学が前面に押し出され、徹底的に磨かれた表現は、一種妖しいまでの美的世界を作り上げている。
あまりにも洗練されすぎた表現ともいえなくないが、細部に至るまで徹底的に磨かれた音色には、あたかも北欧の白夜の透明感を思わせる妖しいまでの美しさがある。
それは決して原色を塗りたくったけばけばしい類の色彩ではなく、カラヤンは驚くほどの多彩さで色彩の微妙な変化を描き分けてゆく。
ベルリン・フィルの音色はこうしたカラヤンの表情にうってつけのもので、シベリウスの抒情を静かに美しく歌い上げている。
都会的に磨かれすぎた表現とみる向きもあろうが、ここまで美しければもういうことはない。
第5番は、この作品のもつ北欧的なたくましさを太い筆致で、雄渾に描いたもので、カラヤン独特の旋律の歌わせ方のうまさは特筆に値する。
第7番は、カラヤンが昔から十八番としていた曲だけに、北欧的情感を悠然と歌い上げていて、見事である。
オーケストラの威力も素晴らしく、作品のもつ幻想的な雰囲気を美しく表出している。
「トゥオネラの白鳥」は、暗い北欧的な気分と抒情を絶妙なバランスで描出しており、フィンランドの雄大な自然を感じさせる演奏だ。
それぞれ数種ある録音の中でも最も成功した演奏のひとつといえる。
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