2008年01月15日

ジュリーニ&ウィーン・フィルのブルックナー:交響曲第7番


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ベーム同様、ウィーン・フィルを指揮しているが、ジュリーニの場合はさらに旋律をよく歌わせた素晴らしく美しいブルックナーだ。

ブルックナーの音楽の歌謡的な面を実によくとらえており、外面的な華やかな効果をねらわず、内面的に深い"歌"になっているところが特徴だ。

演奏の性格としてはワルターに似ているが、よりオーケストラを美麗に鳴らし、整然とした表現を行っている。

ウィーン・フィルの響きは、つややかな光沢におおわれ、しかも奥床しさを失わない。

すべての余裕が安定感と明晰な表情につながるみごとなアンサンブルだ。

ジュリーニは、譜面上にないテンポを適当におりまぜて、さらに旋律の歌わせ方の優しさ、感情の豊かさ、アクセントの絶妙さのすべてを洗練された節度をもって表している。

音楽の進行の中核に常に1本の旋律をとらえ、滔々とした流れを作り上げて、作品の自律的な構成を明確に示した演奏である。

じっくりと腰をすえて演奏した第2楽章、金管楽器の響きを思う存分生かしてたくましく盛り上げた第3楽章。

異種のテクスチュア間の移行を実に円滑に行なっており、第4楽章の主要主題も跳ねる形ではなく、あくまでも線として描き上げている。

いかにもジュリーニらしい、丹念な音楽づくりである。

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classicalmusic at 21:06コメント(2)トラックバック(0)ブルックナー | ジュリーニ 

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コメント一覧

1. Posted by たくぽん   2010年01月02日 17:52
はじめまして。いつもメールマガジンとらせていただいております。ありがとうございます。

最近、ジュリーニ指揮BPOのブル7、8が出ましたが、そちらはVPO盤とどのような相違点がありますでしょうか。

よろしければ教えていただきたく思います。
2. Posted by 和田   2010年01月02日 19:05
ジュリーニ指揮ベルリン・フィルのブルックナーは店に行くといつも気になりつつ未だ購入していません。
というのもウィーン・フィルとの録音が完成度が高いので、あえて別録音を求める必要がないとの考えがくすぶっているからです。

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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