2008年02月04日
グリュミオーのフォーレ&フランク:ヴァイオリン・ソナタ
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躍動的な部分でも、あくまでも流麗さを失わない演奏である。
グリュミオーのヴァイオリンは澄んだ音質と美感に富んでおり、フランス的詩情を込めた、格調高いエスプリの世界を展開している。
フォーレではそれが柔らかいムードに包まれて紡ぎ出されて、強い意志力を底に秘めて繰り広げられる。
グリュミオー特有の線の鋭い意志的な奏法によって、いわゆるフランス的な優美さとは異なる個性的な表情を作っている。
一転してフランクでは情熱を帯び、熱気と音の冴えがある。シェベックもグリュミオーと組んでいる限りは優れた共演者だ。
冒頭から洗練された爽快な足どりで歩みつづけ、グリュミオーはその流れに乗って旋律を充分に歌わせている。
冒頭を少し曇った音色で始め、しだいに明るく、ときにまた暗転させるなど、曲想と音色とが分かちがたく結びついている。
第2楽章の大きく呼吸するフレーズとデュナーミクは格調高く、終曲の明晰で深い精神美をたたえた音楽はグリュミオーの円熟ぶりを示している。
ピアノの音がソフト・フォーカスに録音されているのもたぶん意図的にだろう。
演奏者の"品格"を感じさせる感動的な演奏である。
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