2008年02月05日
グールド初期と最晩年のハイドン他
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前者はゴルトベルク変奏曲、ベートーヴェンの後期3大ソナタでセンセーショナルにデビューしたグールドが、ハイドンとモーツァルトにおいてもみずみずしい感性を強く印象づけた初期の録音。
ソナタは2曲とも再録音しているが、彼の唯一の録音となった「幻想曲とフーガ」も含め、グールドの精妙なタッチが生み出す音と表現は少しも鮮度を失っていない。
天才グールドならではの高貴な美しさに魅了されてしまう。
後者はグールド最晩年の録音で、初のデジタル録音アルバムだった。
グールドは、独自の解釈による演奏を行うことで有名な人だが、ここでも、ノン・レガートで、ハープシコードのようにピアノを弾き、硬質なタッチで演奏している。
実にスピード感にあふれた、爽快でたくましい表現で、ブレンデルとは実に対照的だ。
演奏は演奏家が創る作品である、このことを最も強く聴き手に実感させるのがグールドであろう。
彼はハイドンの作品の書かれた時代の音楽様式をふまえたうえで、現代の音楽として蘇らせる。
6曲中「ソナタ第62番変ホ長調」が最も興味深い。
ペダル使用を控え、ノン・レガートで颯爽と弾き切ると、聴き慣れた温和なハイドン像が、たくましい意志をさらけだし、精悍に変わる。
その意表を衝く発想が、なんとも快い。
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