2011年11月21日
アルバン・ベルクSQのドヴォルザーク:「アメリカ」/スメタナ:「わが生涯より」
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結成当初からドヴォルザークをレパートリーにしていたABQは、この曲を2度目のベートーヴェン全集と同年に本拠のコンツェルトハウスでライヴ録音した。
ABQの《アメリカ》は最初から最後まで豊かなメロディ、親しみを感じさせるハーモニー、生気に富んだリズムが現れては消え、息つく間もないほど。
精緻なアンサンブルと透徹した表現は彼らならではのものだが、ここでの彼らは、作品への共感をまことにしなやかに、存分に歌い尽くしている。
特に4人が織りなす澄んだ歌と精妙な変化の美しさは息を飲むばかりで、その演奏は生彩にとむとともに、神韻たる深さをたたえている。
第1楽章冒頭のヴィオラが提示する第1主題をはじめ、全員の心からの共感が豊かに感じられる演奏には、まったく隙がなく、いつもながら緊密なアンサンブルも見事である。
特に、この曲にあふれる豊かな詩情がしなやかな表情とともに瑞々しく表現されていて、郷愁を誘う第2楽章も過度にならない高貴な抒情も美しく、全曲に新鮮な魅力があふれている。
奏者と作品がまさしく一体となっていることを、聴き手に強く意識させる演奏ぶりである。
まさに円熟期の彼らならではの技であり、境地だろう。
また一緒に収録されているスメタナの第1番《わが生涯より》も熱い共感が伝わってくる名演である。
《わが生涯より》は内省的な傾向をより強めているが、情熱をほとばしらせた演奏である点は《アメリカ》と同じである。
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