2009年01月10日
ハスキル&マルケヴィチのモーツァルト:ピアノ協奏曲第20番、第24番
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"モーツァルト弾き"の女流演奏家のトップともいえるハスキルが、亡くなるわずか1ヵ月前に録音した不滅の名盤である。
高雅な詩情と玲瓏な音色をもったハスキルのピアノと、きわめて激しく劇的なマルケヴィチの棒が生み出した、白熱的な名演である。
両者の音楽性はそれぞれ異なっているものの、お互いが十分に理解しあって演奏しているだけに、両者は不思議とよく溶け合っており、寸分の隙もない表現となっている。
ニ短調でのハスキルは、彼女としては比較的表情を大きくつけて弾いている。
カンタービレの優しく温かい味とか緩急の間の美しさとかは彼女ならでは。
高い気品と豊かな"歌"をあわせもちながら、この作品全体にただよう哀感を、これほどまでに纏綿と表出した演奏というのも珍しい。
ハスキル最晩年の孤高の境地といったものが感じられる演奏だ。
ハ短調は他のピアニストのように劇的に構成していないが、ピアノをよく歌わせ、高雅な憂いの情を匂わせながら、すっきりとまとめていく手並みが絶妙である。
ハスキルの彫りの深い表現は感動的だし、また、第1楽章のオーケストラの提示部からして、マルケヴィチの棒は情熱的で、全体にただよう暗鬱な気分を見事に表現している。
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