2008年02月12日

ワイセンベルク&バーンスタインのラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番


この記事をお読みになる前に、人気ブログランキングへワンクリックお願いします。



ワイセンベルクらしからぬコクのあるラフマニノフで、ユニークな美学に支えられたハード・ボイルドでありながら、ロマンティックな快演となっている。

ワイセンベルクはありあまるテクニックを駆使し、わずらわしいほど手練手管のかぎりを尽くして雰囲気満点に弾いている。

強弱と音色変化の幅の広さは驚くほどであり、なだめたり、すかしたりといった自在なエスプレッシーヴォを見せる。

バーンスタインの指揮も同様だ。

思わせぶりな甘いセンチメンタリズムとスケールの大きい迫力の対比がユニークな演奏である。

ワイセンベルクは少年時代からラフマニノフのピアノ協奏曲第3番の演奏を夢見てピアニストになったと伝えられるが、彼が残したこの協奏曲の録音は、万感の思いを胸に秘めながらそれに溺れることなく、スマートに作品を語り継いでいった演奏である。

ダイナミックで雄渾な快演と言えるスケールの大きい演奏であり、壮麗な彫刻を想わせるようなその彫りの深い表現が圧倒的なアピールを放っている。

第1楽章では遅いテンポがムードと情感を最高に生かし、クリアーなピアニズムを駆使しながら、曲の粘りや哀感を存分に描きつくしている。

第2楽章のあふれんばかりの感情と燃え立つ心、フィナーレのリズム感、いずれもこれぞラフマニノフといいたいほどだ。

全楽章が抜き差しならぬ人間感情を伝え、彼の外面性がすべてプラスに作用している。

ワイセンベルクは好調を維持していた時期は非常に短かったが、その頃の彼の演奏はなかなか言葉で表現しにくいまったく独自の魅力をもっていたことも確かだろう。

一見クールに見受けられる無表情な語り口の中に、ナイーヴでロマンティックな自己の内面をほのかに覗かせているのだ。

ところで、クラシック音楽情報ならこちらがオススメです。
人気ブログランキング



フルトヴェングラーのCDなら、 フルトヴェングラー鑑賞室



classicalmusic at 23:52コメント(2)トラックバック(0)ラフマニノフ | ワイセンベルク 

トラックバックURL

コメント一覧

1. Posted by arrau   2009年02月08日 19:36
ホロヴィッツ/オーマンディ盤を聞いて以来、ピアニズムのセンスがあってもタッチが弱いか、その逆かという演奏ばかりで、これはツィンメルマンが録音してくるのを待つしかないのかと思っておりましたが、こんな名盤を見逃していたとは。
鋼のタッチは無敵なのだが、クールさが壁になってイマイチ感銘が薄いワイセンベルクでしたが、ここではバーンスタインの熱い音楽作りに触発されたのか、いつものセンスはそのままに実に凹凸の明確な激しい演奏をしており、時に疾走する姿はホロヴィッツを上回るのではと思わせる場面もあり、彼第一の名盤に挙げたいと思います。
バーンスタインはラフマニノフの交響曲を録音してませんが、こんなに読みが深いのであれば、やればよかったのにとも感じました。暑苦しすぎるかもしれませんが。
このCDをお知らせしようと思いましたが、もしやサイトで既に取り上げておられるかもと探してみたら、流石!載っておりますので、コメントさせて頂きました。
2. Posted by 和田   2009年02月08日 22:13
arrau君、久々のコメントだね。ありがとう。
バーンスタインのラフマニノフの交響曲第2番、聴いてみたかったよね。おそらくメンゲルベルクの再来をも思わせるような凄演が誕生したんじゃなかったのかな。
ワイセンベルクの演奏はレニー狂さんも評価しているところで、バーンスタインに触発されて実力以上の成果を出してます。
カラヤンとの2番もいいよ。

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
メルマガ登録・解除
 

Profile

classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

Categories
Archives
Recent Comments
記事検索
  • ライブドアブログ