2008年02月15日
グールド&バーンスタインのブラームス:ピアノ協奏曲第1番
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これはいわくつきの演奏だ。
指揮者とソロイストの思想の対立があらわで、バーンスタインが、グールドの常識はずれの遅いテンポに関して聴衆に話かけるところから収められている。
バーンスタインはグールドの遅いテンポについていけないけれども、共演に応じたのは、彼の演奏にもある種の発見があって、それに立ち合うよろこびもあるからだと言う。
とは言うものの、バーンスタインのオケ伴奏は剥き出しの刺激に満ち、相当変わっている。
それに対しグールドの演奏はダイナミックな力業を抑え、この曲からかつてないリリカルな美しさを引き出している。
そこからはからずも冷と熱とがドラマティックに対比し、かつ融通無碍に交錯し合う、掛け合いの面白味が実現している。
確かに両端楽章のテンポは大変遅い。
第1楽章には一貫した構成感があり、ブラームスの寂しさがイン・テンポの中から浮かびあがってくる。
しかし、グールドの演奏は、あくまでもその時々の彼の解釈のひとつであるに過ぎない。
この演奏の半年後のアドラーとの共演盤(M&A)があったが、それはこの演奏に比べて速い。
グールドは演奏のたびに、そしてレコードを作るたびに、何か新しい自分の発見を伝えようとしたのである。
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