2008年02月15日
フルトヴェングラーのR.シュトラウス
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フルトヴェングラーはR.シュトラウスと親交のあった人だけに、その演奏は、内面からわきあがるような充実したものとなっている。
フルトヴェングラーのR.シュトラウスには、巨匠ならではの風格がある。
ここでも、音楽の掘り下げ方が深く、起伏の大きい、骨太の表現で、ロマンティックに描き上げていて、秀逸だ。
特にドイツ敗戦2年後の1947年の「メタモルフォーゼン」が秀演。
ひとつひとつの音に精魂傾けながら、作曲家の意図した《祖国ドイツへの挽歌》という曲想を余すところなく表出し、悲痛な表情の深々とした表現には強く心打たれる。
「ティル」はフルトヴェングラー一流のロマンティックな解釈だが、その卓抜した演出力は極めて魅力的。
このいたずら者の姿を、実にユーモラスに生き生きと描いており、聴き手をひきつけてはなさない、独特の魅力をもった演奏となっている。
また「ドン・ファン」も劇的かつ官能美の横溢した名演で、やるせないほどの官能のうねり、雄大なスケールが何ともいえない。
オーボエが奏する主題をこれほど哀切に表現した演奏は滅多にない。
また「死と変容」は、この曲の生と死の闘いを宇宙的なスケールで描いたもので、実にドラマティックで壮大な表現だ。
フルトヴェングラーらしい個性的な表現だが、この曲のもつ文学的内容を徹底的に彫琢した演奏で、聴いたあとに深い感銘が残る。
録音にも少しも不満がない。
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