2008年02月18日
デュ・プレのエルガー&ディーリアス:チェロ協奏曲
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デュ・プレの最良の遺産の一つ。
デュ・プレ(1945-1987)は1961年にデビュー。
この録音はわずかその4年後のもので、彼女の天才を余すところなく表現している。
もっともデュ・プレが20歳の時に録音した初めての協奏曲録音だったというのだから驚くほかない。
無垢の精神を持つ若者が全身全霊を傾けて演奏した清らかな輝きに満ち溢れた音楽はこの上なく魅力的で、チェロの響きも常に格調が高い。
エルガーは第1楽章冒頭からただならぬ美音と雰囲気がほとばしり、ポルタメントを大きく使用した朗々たるカンタービレは表情的で豊かさの極であり、造形はあくまで雄大。
ロマンティックな情感が匂うばかりで、憂いを含んだ旋律をたっぷりと歌い上げる彼女の音楽は、すでに完成されたものといえよう。
そうしたデュ・プレのソロを暖かく見守りながら、絶妙なサポートを行なっているのがバルビローリの指揮である。
同じくきわめてイギリス的な性格をもったディーリアスのチェロ協奏曲では、デュ・プレの女性的でデリケートな感性が生かされている。
ディーリアスはオーケストラと有機的に絡み合い、その中を流れるチェロの淋しさは、この音楽が持つ人生の沈みゆく夕映えであろうか。
サージェントの指揮もきわめて共感豊かだ。
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