2008年02月18日
デュ・プレ&バレンボイムのドヴォルザーク:チェロ協奏曲
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42歳ではかなく散った女流チェリスト、デュ・プレ屈指の名演のひとつにあげられる名盤である。
ドヴォルザークのチェロ協奏曲はデュ・プレの協奏曲録音としては最後のスタジオ録音になったもの。25歳時の演奏。
このドヴォルザークは超名演だ。デュ・プレ炎の演奏である。
デュ・プレは、きれいごとでない、凄まじいばかりに体を張った大熱演だが、人間の生命力のすべてを具現した朗々たる音色が眼前に激しく飛び出してくる。
冒頭から情熱が迸るような迫力のある表現で圧倒する。
音色の変化、リズムの間、ひそやかな弱音など、その多様な表現力に舌を巻く。
切々たる思いを劇的に語るかのようで、この演奏こそ"入魂の"という形容がふさわしく思える。
聴き手をエキサイティングに熱くさせる演奏はそうザラにはないが、このデュ・プレのドヴォルザークはその筆頭格にあげられる。
グイと鷲づかみにするような発音、どこをとっても熱気のこもった歌いまわし、心憎いまでの剛柔のニュアンスなど、全身全霊を傾け同作品を揺さぶる。
パワフルなオケをも凌駕する迫力と迫真性が漲っている。
今もってドヴォルザークのベストCDに挙げられて然るべき演奏である。
ひとりのチェリストと言うよりも、表現者としての原点を見る思いのする比類のない演奏である。
これは、一回の演奏にすべてをかけた情熱と気迫の記録であり、聴いているうちに人はここまで音楽にのめりこめるのか、と感動も新たにする名盤である。
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