2008年02月22日

E・フィッシャーのバッハ:平均律クラヴィーア曲集


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エドウィン・フィッシャーの録音はレコード史上初の全曲録音ながら、名演として今日に語り継がれてきたものだ。

バッハの《平均律クラヴィーア曲集》をハンス・フォン・ビューローはピアノ音楽の旧約聖書と呼んだが、1933年から36年にかけて録音されたフィッシャーによるこの曲集の録音は、正にビューローの呼び名にふさわしい音楽の世界が記録されている。

フィッシャーが47歳から50歳にかけての、ピアニストとして最も脂が乗った時期の演奏で、いまなお「平均律」の数多い全曲盤の中でも光彩を放っている。

ここでのフィッシャーはバッハの音楽世界にごく自然に没入してゆき、その自然さでバッハをわれわれに近付ける。

すべての音に彼の情愛が注がれており、それが聴き手の心を豊かにするのである。

これこそ彼の《音楽》の真骨頂を示したものだ。

グレン・グールドやリヒテル、最近ではアファナシエフやキース・ジャレット、シフらの興味深い録音もあるが、このフィッシャーの生み出す深く美しい世界こそが、ドイツ音楽の巨匠バッハの普遍的な価値を代弁している。

人間の魂を思わせる美、絶対的な高みに達した精神世界の美がここにある。

演奏の些細なミスやCD化による音質に不満もあるが、この一組は人類の宝だ。

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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