2008年02月23日
グールドのピアノによる「運命」「田園」(リスト編)
この記事をお読みになる前に、人気ブログランキングへワンクリックお願いします。
リストはシューベルトの歌曲でもベートーヴェンの交響曲でもピアノ独奏用に編曲してしまった人だが、編曲という仕事は、実に深い音楽的洞察を必要とする。
この編曲は、多少ヴィルトゥオーゾ風に傾くきらいはあっても、自ら優れた指揮者でもあったリストがオーケストラの響きと曲の構成を鋭く洞察して行っただけに、特別の意味を持つ。
グールドはリストがベートーヴェンの音楽を忠実にピアノに移そうとしたスコアを分析し、再編成している。
それは分かりやすく表現すれば、適度のスローモーションといえばよいであろう。
演奏は恐ろしく遅いテンポで不気味なほどに内声部を浮かび上がらせている。
しかもそれによってベートーヴェンの音楽が壊れるどころか、オーケストレーション効果への依存をすっぱりと捨てて、ひとつひとつの音が、まさに根源的にもつ意味を発見しているところが凄い。
ところで、クラシック音楽情報ならこちらがオススメです。
人気ブログランキング
フルトヴェングラーのCDなら、 フルトヴェングラー鑑賞室。