2008年02月24日

シューベルト後期作品の解釈(内田光子)


この記事をお読みになる前に、人気ブログランキングへワンクリックお願いします。



1823年頃から自覚症状を示し始めたシューベルト不治の病《梅毒》は、シューベルトの音楽に、絶望的な此岸と、手の届かない幸福への憧れという彼岸の両面を刻み始める。

実生活の不幸や苦悩は、シューベルトにあっては音楽に昇華されることなく、私小説の如くに、むしろ作品の中へと吐露されていくこととなる。

かつてのロマンティックなシューベルト像(それは、例えばベルテのオペレッタ「シューベルトの恋」や映画「未完成交響楽」によって描かれたシューベルト)に基づいたシューベルトの後期解釈は、時代の進歩とともに過去のものとなりつつある。

内田の弾く、この不気味なまでに傷つきやすい魂は、この2曲の真の姿である。

内田光子は、目下シューベルト弾きとして、世界でも指折りの存在に駆け登ったと言えるのではないだろうか。

「レリーク」と「幻想」ソナタ2曲も、恐ろしく完成度の高い立派な演奏である。

隅々まで濃密な表情でびっしりと埋めつくされ、およそ一瞬たりともテンションの緩むことがない。

「レリーク」のとりわけ第2楽章が、絶品といえる素晴らしい出来だ。

さらに欲を言うなら、どこかにもう少し、ほっと息を抜けるようなリラックスした歌の柔らかく漂うシーンがあってもよいと思うのだが、さながら匠の手になる手の込んだ工芸品のような、見事なまでの仕上がりには、つくづく驚嘆した。

ところで、クラシック音楽情報ならこちらがオススメです。
人気ブログランキング



フルトヴェングラーのCDなら、 フルトヴェングラー鑑賞室



classicalmusic at 04:07コメント(0)トラックバック(0)シューベルト | 内田 光子 

トラックバックURL

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
メルマガ登録・解除
 

Profile

classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

Categories
Archives
Recent Comments
記事検索
  • ライブドアブログ