2008年03月03日

アシュケナージ&ハイティンクのブラームス:ピアノ協奏曲第2番


この記事をお読みになる前に、人気ブログランキングへワンクリックお願いします。



アシュケナージのソロは、力強さとともに音の美しさが常に保たれている。ひとつひとつの音が磨きぬかれ、しかも人工的な感じがまったくない。

解釈も落ち着きと余裕があり、多くのピアニストのように感情の動きに押し流されることがない。

したがって感情の細かな動きが明快な造形と結びついて、充実したエネルギーを生み出す。

ハイティンク/ウィーン・フィルもスケールが大きく、優美な雰囲気で好演している。

4楽章とも遅めのテンポで演奏しているのが大きな特徴。これはアシュケナージがブラームスというロマン派の巨匠の音楽を、新古典主義としての局面よりも、ロマン主義者としての側面を重要視して捉えている証拠である。

指定のテンポを無視してキープしては、これだけ情報量の多い曲では、個々の音はどうしても飛ばして聴かれる傾向が避けられないだろう。

ハイティンクの入念極まる棒に従ったウィーン・フィルの演奏は、この楽団の最も得意とする所を充分に生かした名伴奏となっている。ピアノのパートを十全に浮かび上がらせて、一つ一つの音を、一つ一つのフレーズを、丹念に演奏している。

これとほぼ同じコンセプトが独奏パートにも認められるのだが、オーケストラ以上に情感豊かに、たっぷりとした音量で弾くアシュケナージのピアノには、後にも先にもこの曲で体験したことのない、ほのぼのと暖かな、しかも明るく多彩な色感が感じられるのである。

ブラームスにしては珍しいピアノピアニッシモのところでの繊細な表情には、ハイティンク独特の高度な洗練が感じられるのだが、独奏ピアノがこの情趣を引き継ぐ時、更に情感が深まるのが凄い。鍵盤楽器でこれだけのデリカシーが出るのは滅多にないことなのである。

こうした反面で、ハイティンクがソロのピアノを引き締めにかかって、フレーズの隅々まで行き届いた神経で、しかも全体の構図の中での各フレーズの価値付けが完璧なのである。

まことに良い相棒であり、これならアシュケナージとの絶妙なアンサンブルが実現して当然かもしれない。

ところで、クラシック音楽情報ならこちらがオススメです。
人気ブログランキング



フルトヴェングラーのCDなら、 フルトヴェングラー鑑賞室



classicalmusic at 12:31コメント(0)トラックバック(0)アシュケナージ | ハイティンク 

トラックバックURL

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
メルマガ登録・解除
 

Profile

classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

Categories
Archives
Recent Comments
記事検索
  • ライブドアブログ