2008年03月04日
カーゾンのモーツァルト:ピアノ協奏曲集
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1982年に75歳で世を去ったイギリスのピアニスト、カーゾンは、レコーディングの数が少なく、その実力のわりには日本ではあまり知られてなかった。
この演奏はそうしたこの人の真価を、十二分に伝えた名演奏である。特にブリテンとの第27番は折り紙つきだ。
この曲は「短調の協奏曲にみられるように、情熱的でなく、ひたすら諦観へと傾いていった」というアーベルトの言葉を思わせるように、典麗優雅なこの作品の内面にひそむ哀感を、すこぶる繊細な弱音効果を生かしながら、てんめんと表出した演奏である。
作曲家として名高いブリテンの精妙な指揮も、心に熱く訴えかけてくる。
その他では第24番が美しい。
清水のように透明な音色を基本に弱音を重視し、しっとりとした女性美を展開するが、何気ない虚無感の中から、モーツァルトの音楽が哀しいばかりの魅力を伴って流れてくる。
ピアニストの存在を忘れさせる演奏で、それにはケルテスの指揮も大きな力になっている。
他の曲も同じスタイルによるものだ。
カーゾンにはクーベリックと共演したライヴがauditeから出ていたが、そちらも名演である。
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1. 大井浩明フォルテピアノ・リサイタル《モーツァルト後期ソナタ集成》@自由学園明日館・銀杏の間 [ La Dolce Vita 1/2 ] 2008年03月04日 07:41
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