2008年03月04日
シノーポリ&ウィーン・フィルのシューマン:交響曲第2番
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シノーポリは指揮者というだけでなく作曲家でもあったが、大学では精神医学も修めたことからも分かるように、音楽家としては異例の多彩な背景を持っていた。
作品をただ美しく、あるいは劇的に再現して終わるのではなく、作曲家の深層心理にまでメスを入れ、なぜこの作品は書かれなくてはなかったか、そこに秘められたメッセージの真意は何だったのかといった次元にまで分け入り、その疑問と回答に至る過程を演奏という再現行為でみせてきた指揮者と言ってよいであろう。
この演奏はシューマンの情熱を激しく感じさせる。
苦悩にみちた作曲家の筆を背後に秘めながら、精密極まる演奏が、シューマンの心の中を恐ろしいようにあばいてみせる。
ふくよかな金管の響きと、小刻みに動き廻る弦楽器のパッセージが特に印象的。
ここにはピアノ書式オーケストラに移したシューマン独特の面白さが実によく出ている。
ウィーン・フィルの超絶技巧なくしてはこうした絶妙な演奏はありえない。
深みにはまると動けなくなるが、シューマンの毒と罠が聴き手を羽交い締めにし、動けなくしてしまう怖い名演である。
シノーポリが起こした奇跡といえよう。
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