2008年03月06日
トスカニーニ&NBC響のドヴォルザーク「新世界より」/スメタナ「モルダウ」/コダーイ「ハーリ・ヤーノシュ」
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すっかり聴き慣れた通俗名曲を手がけたトスカニーニは、しばしばそこから思いがけないほどみずみずしく新鮮な新しさを引き出し、私たちを驚かせる。
そして、その好例の一つが、この《新世界より》であるといってよいだろう。
《新世界より》は新古典主義的で純音楽的ともいえる表現で、さっそうたる演奏である。
トスカニーニは、とってつけたようなセンチメンタリズムを一切排して演奏している。
しかし旋律のカンタービレは、どれもはっきりと効いていて、十二分に歌っている。
しかも旋律の歌わせ方が洗練されている。
オーケストラのアンサンブルにも破綻がなく、楽器の特質がくっきりと出て、曲が立体的にさえ聴こえる。
作品の古典的形式感をドイツ的伝統や民族的な性格と関係なく表出したトスカニーニの解釈は、以後この曲の演奏を一変させた画期的なものだったが、その新鮮さは今でも失われていない。
NBC響のほとんど完璧なアンサンブルで綴られたこの演奏は、弾力性のあるリズム、力強くブリリアントな感情の高揚、磨き抜かれたカンティレーナの美しさ、輝かしい集中力の持続などが強烈なアピールを放っており、それは、常にフレッシュな感動によって聴き手を魅了せずにはおかないのである。
「ハーリ・ヤーノシュ」も端的な表現で一貫しており、作品のハンガリー的な民族性を赤裸々に表出している。
「モルダウ」は標題的な書法をあまり強調しない直截な演奏で、堂々とした巨匠的風格を表した好演だ。
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